IPv6 とは ── 実機を触ったことがない人のためのアドレス設計・近隣探索・移行方式

令和7年 午後Ⅱ問1 が 1 問まるごと IPv6 でした。IPv4 と「似ているが少しずつ違う」ところが設問になるので、 IPv4 で当たり前だった何が IPv6 には無いか(ブロードキャスト、ARP、NAT、途中ルータでのフラグメント)を軸に、 PC がアドレスを手に入れて通信を始めるまでの順番どおりに説明します。

1. IPv6 が解いている問題

IPv4 のアドレスは 32 ビットで約 43 億個しかなく、世界中で新規の割当てが枯渇しています。多くの組織は NAPT(1 つのグローバルアドレスを社内で共有)でしのいできましたが、 NAPT には「外から内への通信が始められない」「変換装置が性能と障害の単一点になる」「端末ごとの識別ができない」という限界があります。

そこで 128 ビットのアドレスを持つ IPv6 が作られました。アドレスは事実上無限なので端末 1 台 1 台にグローバルアドレスを振り、NAT なしで端から端まで通すのが基本設計です。 SaaS やクラウド、スマートフォン網はすでに IPv6 が標準で、社内ネットワークも対応を迫られています。

午後での位置づけ IPv6 の問題は「IPv4 を知っている人が IPv6 を導入する」筋書きで出ます。 だから設問の多くはIPv4 との対比です。「IPv4 では ARP とブロードキャストで解決した。IPv6 では何で?」「IPv4 では NAPT が防壁になっていた。IPv6 では?」という形で問われます(令和7年 午後Ⅱ問1)。

2. アドレスの構造

GUA(グローバルユニキャストアドレス)の例 2001:db8:aabb:1 8:800:200c:417a 上位 64 ビット=サブネットプレフィックス(RA でもらう) 下位 64 ビット=インタフェース ID(自分で決める) LLA(リンクローカルアドレス)同じ PC の例 fe80:0:0:0 8:800:200c:417a fe80::/64 は固定(RA で取得しない) インタフェース ID は GUA と同じものを使い回す 1 つのインタフェースが LLA と GUA の両方(さらに複数の GUA)を同時に持つ
図1 IPv6 アドレスは上位 64 ビットの「プレフィックス」と下位 64 ビットの「インタフェース ID」に分かれる

書き方

128 ビットを 16 ビットずつ 8 ブロックに分け、16 進で書いてコロンで区切ります。各ブロックの先頭の 0 は省略でき、0 だけのブロックが連続する箇所は1 か所だけ :: に縮められます。

2001:0db8:0000:0000:0008:0800:200c:417a
 → 2001:db8::8:800:200c:417a        (先頭 0 を省略し、連続する 0 ブロックを :: に)
 ::/0      デフォルトルート(全部 0、プレフィックス長 0)
 ::1/128   ループバック(IPv4 の 127.0.0.1)

プレフィックスとインタフェース ID

社内のセグメントは原則/64 です。上位 64 ビットがネットワークを表すプレフィックス、下位 64 ビットがそのセグメント内で端末を区別するインタフェース ID です。 インタフェース ID は、MAC アドレス 48 ビットの真ん中に ff:fe を挿入して 64 ビットにし、先頭から 7 ビット目を反転して作る Modified EUI-64 方式か、乱数で作ります。

EUI-64 は推奨されない MAC から作ると、どのネットワークに移動しても下位 64 ビットが同じになり、外部から同じ端末だと追跡できてしまいます。そこで乱数で作る一時アドレスが主流です。 裏返すと、社内の管理者から見れば「このアドレスはどの PC か」を特定しづらくなります。令和7年 午後Ⅱ問1 設問2(6) は、このデメリットのほうを問う設問で正答率が低かったと採点講評にあります。

アドレスの種類

種類範囲役割
GUA(グローバルユニキャスト)2000::/3インターネットで到達できるアドレス。IPv4 のグローバルアドレスに相当。ISP から /48 などの塊でもらう
LLA(リンクローカル)fe80::/10(実際は fe80::/64)同じリンク(データリンク層で届く範囲)の中だけで有効。ルータを越えない。全インタフェースが必ず 1 つ持つ。近隣探索・RA・OSPFv3 の隣接関係はこれで行う
ULA(ユニークローカル)fc00::/7(実際は fd00::/8)組織内だけで使う。IPv4 のプライベートアドレスに相当。インターネットには出さない
マルチキャストff00::/8ff02::1 全ノード、ff02::2 全ルータ、ff02::5 全 OSPF ルータ、ff02::1:ffxx:xxxx 要請ノード
エニーキャストユニキャストと同じ形同じアドレスを複数の機器に付け、経路上いちばん近いものが応答する
ブロードキャストが無い IPv6 には全員宛てのブロードキャストがありません。全員に届けたいときは全ノードマルチキャスト ff02::1 を使います。 さらに ARP の代わりには「下位 24 ビットが一致する端末だけ」が受け取る要請ノードマルチキャストを使うので、関係ない端末の NIC を起こさずに済みます。 同じインタフェースが LLA と GUA を同時に持ち、GUA は複数持てる(一時アドレスと固定アドレスなど)ことも IPv4 と違う点です。

3. PC がアドレスを手に入れるまで(SLAAC と近隣探索)

IPv4 では DHCP サーバが IP アドレス・サブネットマスク・デフォルトゲートウェイ・DNS をまとめて配りました。IPv6 ではルータ自身が RA でプレフィックスとデフォルトルータを教え、端末が自分でアドレスを作るのが基本です(SLAAC、ステートレスアドレス自動設定)。 この手順はすべて ICMPv6 の近隣探索プロトコル NDP のメッセージで行われます。

PC L3SW(ルータ) (i) NS 仮の LLA で DAD(要請ノードマルチキャスト宛て) 応答なし=重複なし (ii) NA 正式な LLA を全ノード(ff02::1)に通知 (iii) RS ルータはいますか(全ルータ ff02::2 宛て) (iv) RA プレフィックス 2001:db8:aabb:1::/64 + デフォルトルータは私(送信元 fe80::1) (v) NS プレフィックス+自分の ID で作った仮の GUA で DAD 応答なし=重複なし (vi) NA 正式な GUA を全ノードに通知 LLA を先に作らないと RS を送る送信元アドレスがない。この順番が肝
図2 PC 起動時のメッセージの流れ。令和7年 午後Ⅱ問1 図3 がこの形

まず LLA を作り、重複を確かめる(DAD)

PC は fe80::/64 に自分のインタフェース ID を付けて仮の LLA を作ります。ただちに使わず、「このアドレスを使っている人はいますか」と NS(Neighbor Solicitation、近隣要請)を要請ノードマルチキャスト宛てに送ります。 一定時間 NA(Neighbor Advertisement、近隣広告)が返ってこなければ誰も使っていないと判断して正式採用します。これが DAD(重複アドレス検出)です。

ルータを探し、プレフィックスをもらう(RS と RA)

LLA を送信元にして全ルータマルチキャスト ff02::2 へ RS(Router Solicitation、ルータ要請)を送ります。ルータは RA(Router Advertisement、ルータ広告)で「このリンクのプレフィックスは 2001:db8:aabb:1::/64」「デフォルトルータは私(送信元の LLA)」を返します。 RA は RS が無くても定期的に送られています。

IPv6 のデフォルトルータは LLA で指す RA の送信元はルータの LLA なので、PC のデフォルトルータは fe80::1 のようなリンクローカルアドレスになります。 ルータの GUA を知らなくても通信できるのはこのためで、後述する OSPFv3 の経路表でネクストホップがすべて fe80:: になるのも同じ理屈です。

GUA を作り、もう一度 DAD

RA でもらったプレフィックスに、すでに決めてあるインタフェース ID をくっつけて GUA を作ります。新しく作るのは上位 64 ビットだけで、下位は LLA と同じです。これも仮アドレスとして NS を送り、応答が無ければ正式採用します。だから図2 には NS/NA が 2 往復出てきます。

通信相手の MAC アドレスを知る(ARP の代わりの NS/NA)

同じリンクの相手に送るとき、IPv4 は ARP リクエストをブロードキャストし、相手が ARP リプライで MAC を返しました。IPv6 は同じことを NS/NA で行います。 NS の宛先は相手の要請ノードマルチキャストアドレス(ff02::1:ff +相手アドレスの下位 24 ビット)で、下位 24 ビットが一致する端末だけが受け取って NA を返します。 解決結果は ARP テーブルの代わりに近隣キャッシュに入ります。

IPv4IPv6備考
ARP リクエスト(ブロードキャスト)NS(要請ノードマルチキャスト)関係ない端末の NIC を起こさない
ARP リプライNA送信元リンク層アドレスオプションに MAC を入れる
Gratuitous ARP(重複検出)DAD(NS に応答が無いことを確認)LLA と GUA で 2 回行う
DHCP の配布(アドレス・GW)RS/RA(プレフィックス・デフォルトルータ)DHCP サーバ不要。DNS サーバは RA の RDNSS オプションか DHCPv6 で
ICMP リダイレクトNDP リダイレクト別のルータの方が近いと教える

DHCPv6 を使うとき

RA には M フラグと O フラグがあります。M=1 なら「アドレスは DHCPv6 サーバからもらえ」(ステートフル DHCPv6)、O=1 なら「アドレスは SLAAC で作り、DNS サーバなどのその他の情報だけ DHCPv6 で取れ」(ステートレス DHCPv6)です。 どの端末にどのアドレスが付いたかを台帳で管理したい企業はステートフル DHCPv6 を選びます。

RA を信じる危険 PC は受け取った RA を無条件に信じるので、誰かが偽のルータとして RA を流すと、その人をデフォルトルータにされて通信を横取りされます(不正 RA)。 対策は L2 スイッチの RA ガード(ルータが接続されたポート以外からの RA を捨てる)です。IPv4 の DHCP スヌーピングと同じ位置づけで覚えます。

4. 経路制御と社内設計

アドレスの割り方

ISP やレジストリからは組織単位で /48 をもらうのが標準です。/48 から /64 までの 16 ビットでサブネットを 65,536 個作れるので、「拠点ごとに /56 や /52 を切り、その中で VLAN ごとに /64」という階層設計にします。 階層にしておくと、拠点ルータは自分の配下を 1 本の経路(/52 など)に集約して本社に広告でき、経路表が小さくなります。

OSPFv3

IPv6 の経路制御は OSPFv3(IPv6 版 OSPF)か BGP(MP-BGP の IPv6 アドレスファミリ)で、仕組みは IPv4 版と同じです。違いは次の 3 点です。

インターネット ルータ A ルータ B FW L3SW fe80::1fe80::2 fe80::1fe80::2 fe80::1fe80::2 リンク 1(/64) リンク 2(/64) リンク 3(/64) ルータ B の経路表(抜粋) 宛先 ::/0(デフォルト)     ネクストホップ fe80::1  出口=ルータ A 側 IF 宛先 2001:db8:yyyy:3::/64   ネクストホップ fe80::2  出口=FW 側 IF 同じ fe80::1 でもリンクが違えば別の機器。だからネクストホップは出口 IF とセット
図3 ネクストホップは隣のルータの LLA。同じ fe80::1 が別リンクで何度も出てくる
fe80::1 が何度も出てくるのは誤植ではない 令和7年 午後Ⅱ問1 設問4(4) は、経路表のネクストホップを図から埋める設問で、答えが fe80::1 と fe80::2 ばかりです。 LLA はリンクの中だけで一意ならよいので、全リンクの片側を fe80::1、反対側を fe80::2 と揃える設計がむしろ普通です。「出口インタフェースの対岸にいる機器の LLA」を機械的に拾えば埋まります。GUA を書くと誤りです。

集約とヌルルート

ルータ A ルータ B 2001:db8:yyyy::/48 は B へ 知らない宛先は ::/0 で A へ 集約経路 /48 を持つ 実在する /64 だけ持つ 未使用の 2001:db8:yyyy:9::1 宛て → A と B が押し付け合い、ホップリミットが 0 になるまで往復 対策=B に「2001:db8:yyyy::/48 → Null(廃棄)」を置く 実在する /64 の方がロンゲストマッチで勝つので正常通信は影響なし
図4 集約経路を持つ側と持たない側の押し付け合い。ヌルルートで止める

上流ルータ A が「2001:db8:yyyy::/48 はルータ B へ」という集約経路を持ち、B は実在する /64 だけを知っていると、/48 の中の未使用アドレス宛てのパケットは、B で一致する経路がデフォルトルートしかないため A に送り返され、A はまた B へ送ります。 IPv4 の TTL にあたるホップリミットが 0 になるまで往復して廃棄されます(ルーティングループ)。

対策は B に /48 → Null(廃棄用の経路、ヌルルート)を置くことです。実在する /64 はプレフィックス長が長いのでロンゲストマッチで優先され、正常な通信には影響しません。 IPv4 でも同じ話ですが、IPv6 は /48 を丸ごともらうので集約が前提になり、この論点が出やすくなります(令和7年 午後Ⅱ問1 設問4(5)(6)、IPv4 では令和3年 午後Ⅰ問2)。

NAT が無いことの意味

IPv4 では NAPT があるおかげで「内側から始めた通信の戻りしか入ってこない」という事実上の防壁がありました。IPv6 は端末までグローバルアドレスを振るので、この防壁はありません。 FW のアクセス制御だけが頼りになるので、FW のポリシー設計が必須です(令和7年 午後Ⅱ問1 設問4(7))。 逆に、ルータ間のリンクに GUA を振らず LLA だけにしておけば、インターネットから到達しようがないのでアクセス制御の代わりになります(同 設問4(1))。ただし traceroute6 で経路を調べたとき LLA しか表示されず機器を識別しにくいので、管理用に GUA を振る設計もあります(同 設問4(2))。

MTU とフラグメント

IPv4 では途中のルータが大きいパケットを分割(フラグメント)できましたが、IPv6 では途中のルータは分割しません。送信元だけが分割できます。 そのため送信元は PMTUD(パス MTU 探索)で経路上の最小 MTU を知る必要があり、途中のルータが返す ICMPv6 の「Packet Too Big」メッセージを使います。 FW で ICMPv6 を全部落とすと PMTUD が働かず通信が壊れるので、「ICMPv6 は一律拒否してはいけない」が設計の定石です(同 設問4(8))。

5. DNS と移行方式

デュアルスタックと DNS

社内を IPv6 対応するときの現実解は、IPv4 と IPv6 を両方動かすデュアルスタックです。端末は名前解決で A(IPv4)と AAAA(IPv6)の両方を引き、IPv6 を優先して接続します。 IPv6 がつながらなければ OS やブラウザが黙って IPv4 で再試行します(Happy Eyeballs)。

IPv6 だけが壊れても誰も気づかない フォールバックのせいで、IPv6 の経路が死んでいても利用者は IPv4 で同じページが見えてしまい、申告が上がりません。 だから IPv6 を導入したら監視サーバから ping6 で IPv6 到達性を監視する設計が要ります。令和7年 午後Ⅱ問1 設問3(3) がこれで、IPA は採点講評で「IPv6 の設計では監視方法も考慮が必要」と書いています。

DNS の応答は AAAA が増えると大きくなります。UDP の 512 バイトを超える場合、EDNS0 に対応していれば UDP のまま大きな応答を扱えますが、相手が EDNS0 に非対応なら TCP の 53 番に切り替えて問い合わせます(同 設問3(1))。 逆引きは ip6.arpa ゾーンで、アドレスを 4 ビットずつ逆順に並べます。

移行・共存の方式

方式仕組み使いどころ
デュアルスタック全機器が IPv4 と IPv6 を両方持つ企業ネットワークの基本。管理対象が 2 倍になる
トンネル(6in4・6rd など)IPv6 パケットを IPv4 で包んで IPv4 網を越えるIPv4 しか通らない区間を越えるとき。MTU が減る
DNS64 / NAT64IPv6 だけの端末が IPv4 サーバと話す。DNS64 が A を合成 AAAA(64:ff9b::/96 など)に変換し、NAT64 が IPv6 → IPv4 に変換するスマートフォン網や IPv6 オンリー網
464XLAT端末側の CLAT と網側の PLAT(NAT64)の 2 段変換で、IPv4 しか話せないアプリも IPv6 オンリー網で動かす携帯網で標準

6. 用語集(午後で出る順)

用語意味午後でのポイント
LLA(リンクローカルアドレス)fe80::/64。同じリンク内だけで有効デフォルトルータ・OSPFv3 の隣接とネクストホップはこれ。リンクが違えば重複してよい
GUA(グローバルユニキャスト)2000::/3。インターネットで到達できるRA のプレフィックス+インタフェース ID で作る。ルータ間リンクに振らなければ外から到達されない
インタフェース ID下位 64 ビット。EUI-64 か乱数EUI-64 は端末追跡の問題があり非推奨。乱数だと管理者が PC を特定しづらい
NDP(近隣探索)ICMPv6 の NS/NA/RS/RA/リダイレクトの 5 種NS/NA が ARP と DAD、RS/RA がプレフィックス配布
DAD(重複アドレス検出)仮アドレスで NS を送り応答が無いことを確認LLA と GUA で 2 回。「同じリンク上に同じアドレスの端末がいないことを確認するため」
SLAACRA のプレフィックスで端末が自分でアドレスを作るDHCP サーバ不要。ルータが RS に RA で応答する設定が要る
RA の M/O フラグM=アドレスも DHCPv6、O=その他情報だけ DHCPv6台帳管理したいならステートフル DHCPv6
要請ノードマルチキャストff02::1:ff +アドレス下位 24 ビットブロードキャストの代わり。該当端末だけが受け取る
ホップリミットIPv4 の TTL。ルータを通るたびに 1 減るループの終わり方を説明するときに使う
ヌルルート廃棄先を Null にした経路集約経路と対で置き、未使用アドレス宛てのループを防ぐ
ロンゲストマッチプレフィックス長が最も長い経路を選ぶヌルルート(/48)より実在経路(/64)が勝つ理由
PMTUD / Packet Too Big経路上の最小 MTU を ICMPv6 で知る途中ルータは分割しない。ICMPv6 を一律拒否すると壊れる
AAAA レコード名前 → IPv6 アドレスデュアルスタックでは A と両方引く。応答が大きくなると TCP
Happy EyeballsIPv6 を優先しつつダメなら IPv4 へ即座に切替障害に気づけない。ping6 監視が要る
RA ガード許可ポート以外からの RA を捨てる L2SW 機能不正 RA 対策。DHCP スヌーピングの IPv6 版
OSPFv3IPv6 版 OSPF。LLA で隣接、ルータ ID は 32 ビットネクストホップは LLA。出口 IF とセット

7. 午後での問われ方と答え方の型

設問の型答え方出た年度
IPv4 の ARP の手順の空欄(宛先 IP アドレス・ブロードキャスト・リプライ)ARP リクエストはターゲット IP を入れてブロードキャスト、相手が ARP リプライで MAC を返す。対比で NS/NA を説明させる前振りR7 午後Ⅱ問1
アドレス構造の数字(16 ビット区切り・MAC 48 ビット・ID 64 ビット)8 ブロック×16 ビット、EUI-64 は 48 ビット MAC から 64 ビットR7 午後Ⅱ問1
LLA が一意であればよい範囲データリンク層で通信可能な範囲(同じリンクの中)R7 午後Ⅱ問1
仮アドレスで NS を送る目的同じリンク上に同じアドレスを使うノードがいないことを確認するため(DAD)R7 午後Ⅱ問1
RA から作られる GUA とプレフィックス長RA のプレフィックス+LLA と同じインタフェース ID、/64R7 午後Ⅱ問1
乱数のインタフェース ID の管理上の考慮点PC を特定しづらくなる(メリットのプライバシーではなくデメリットを書く)R7 午後Ⅱ問1
DNS 応答が大きいときのプロトコルTCP(EDNS0 非対応で 512 バイト超)R7 午後Ⅱ問1
IPv6 の障害に利用者が気づかない理由IPv4 にフォールバックして同じページにアクセスできるから。監視は ping6R7 午後Ⅱ問1
ルータ間リンクに GUA を割り当てない理由インターネットからルータや FW にアクセスできないようにするためR7 午後Ⅱ問1
SLAAC のために L3SW が行う動作PC の RS に対して RA を応答する(メッセージ名を必ず書く)R7 午後Ⅱ問1
経路表のネクストホップ(空欄)出口 IF の対岸にある機器の LLA(fe80::1 など)。GUA ではないR7 午後Ⅱ問1
ヌルルートが無いときの動作と、あるときに効く理由ホップリミットが 0 になるまで転送し合い廃棄。ロンゲストマッチで実在経路が優先されるR7 午後Ⅱ問1(IPv4 の集約は R3 午後Ⅰ問2)
IPv4 で防壁になっていた機能NAPTR7 午後Ⅱ問1
PMTUD で分かるもの通信経路における最小の MTUR7 午後Ⅱ問1
書き方の型 設問文に「ICMPv6 のメッセージ名を用いて」「コマンド名を用いて」とあれば、RS・RA・traceroute6 などの語を必ず入れる。入っていないと要点を書いていても減点です。 「考慮が必要な点」はデメリットを問うているので、メリット(プライバシー保護)を書かない。 ネクストホップを埋めるときは「ネクストホップ=隣の LLA、出口 IF=自分側」の組で表を縦に読む。

8. ミニ確認問題

クリックで答えが開きます。

Q1 IPv6 に無くて IPv4 にあったものを 4 つブロードキャスト、ARP、NAPT(NAT)、途中ルータでのフラグメント。それぞれ全ノードマルチキャスト/NS・NA/端末までグローバルアドレス/PMTUD(Packet Too Big)に置き換わる。
Q2 LLA のプレフィックスは RA で取得するかしない。fe80::/64 は固定で、端末が起動直後に自分で作る。RA が運ぶのは GUA 用のサブネットプレフィックスとデフォルトルータ情報。
Q3 PC が起動してから GUA を持つまでのメッセージを順にNS(仮 LLA の DAD)→ NA(正式 LLA 通知)→ RS → RA(プレフィックス+デフォルトルータ)→ NS(仮 GUA の DAD)→ NA(正式 GUA 通知)。
Q4 DAD とは何か、何回行うか仮アドレスで NS を送り、NA が返らないことで同じリンク上に同じアドレスの端末がいないことを確認する手順。LLA と GUA で 2 回。
Q5 IPv6 の PC のデフォルトルータのアドレスはどんな形か。理由はルータの LLA(fe80::1 など)。RA の送信元が LLA で、それをそのままデフォルトルータとして登録するから。
Q6 OSPFv3 の経路表のネクストホップに fe80::1 が複数回出てくる。おかしいかおかしくない。LLA はリンク内でだけ一意なら良いので、各リンクの片側を fe80::1 に揃えてよい。ネクストホップは出口インタフェースと組で意味を持つ。
Q7 /48 の集約経路を上流が持つとき、下流に置くべき経路と理由/48 → Null のヌルルート。未使用アドレス宛てのパケットが上流と下流で押し付け合いになりホップリミットが 0 になるまで往復するのを防ぐ。実在する /64 はロンゲストマッチで優先されるので影響しない。
Q8 デュアルスタック環境で IPv6 側だけ障害が起きた。利用者からの申告が無い理由と対策端末が IPv4 にフォールバックして同じ Web ページにアクセスできるから。対策は監視サーバから ping6 で IPv6 の到達性を監視する。
Q9 FW で ICMPv6 を全部拒否してはいけない理由IPv6 は途中ルータが分割しないので送信元が PMTUD で最小 MTU を知る必要があり、そのための Packet Too Big が届かなくなって大きいパケットの通信が壊れるから。NDP も ICMPv6 なので同一リンクの通信自体が止まる。
Q10 RA の M フラグと O フラグM=1 はアドレスも DHCPv6 サーバから取得(ステートフル)。O=1 はアドレスは SLAAC で作り、DNS サーバなどその他の情報だけ DHCPv6 から取得(ステートレス DHCPv6)。

9. 実機で見るなら(任意)

手元の Windows PC だけでも、2 章・3 章の大半は確認できます。

ipconfig /all            IPv6 アドレス(一時アドレスが複数)、リンクローカル fe80::…、デフォルトゲートウェイが fe80:: で表示される
netsh interface ipv6 show neighbors     近隣キャッシュ(ARP テーブルの IPv6 版)
netsh interface ipv6 show route         ::/0 のネクストホップがルータの LLA になっている
ping -6 ipv6.google.com / tracert -6    IPv6 到達性。ISP が IPv6 非対応だと失敗する(それ自体が学び)
nslookup -type=AAAA www.google.com      AAAA レコード

Cisco(OSPFv3 の最小形)
  ipv6 unicast-routing
  interface GigabitEthernet0/1
   ipv6 address 2001:db8:1:1::1/64
   ipv6 ospf 1 area 0
  ipv6 router ospf 1
   router-id 1.1.1.1              ← IPv6 でも 32 ビット
  show ipv6 route ospf            ← ネクストホップが FE80:: で表示される

用語の振り返り

このページの用語集(16 語)から作った確認問題です。「意味 → 用語」は意味の説明(用語そのものは__で伏せてある)を読んで用語を入力し、Enter で答え合わせします。 表記ゆれで × になったときは「合っていた」で直せます。「用語 → 意味」は口で説明してから答えを開いて自己採点します。結果はこのブラウザに保存され、「×だけ」で間違えた語だけを解き直せます。

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作成 2026-10-28。ネットワークスペシャリスト 科目B(午後)対策。出典の年度・設問番号は IPA 公開の解答例で確認したもの(令和7年春 午後Ⅱ問1、令和3年春 午後Ⅰ問2)。 関連: OSPF とは、DNS とは、午後 解答用紙 令和7年。