全18問・解答番号1〜35。選択肢をクリックすると正誤判定され、「正解と解説」が開く。未解答のまま「正解と解説」を開くと不正解扱いになる。解答状態はこのブラウザに保存される。
次の表は、2008年および2015年の、2人以上の勤労者世帯における、貯蓄額の階級別相対度数分布表である。
| 階級 | 2008年 相対度数(%) | 2015年 相対度数(%) | |
|---|---|---|---|
| (A) | 100万円未満 | (ア) | 13.2 |
| (B) | 100万円以上 200万円未満 | 7.1 | 7.2 |
| (C) | 200万円以上 300万円未満 | 6.9 | 7.0 |
| (D) | 300万円以上 400万円未満 | 6.3 | 6.1 |
| (E) | 400万円以上 500万円未満 | 5.5 | 5.6 |
| (F) | 500万円以上 600万円未満 | 5.7 | 5.5 |
| (G) | 600万円以上 700万円未満 | 5.2 | 4.5 |
| (H) | 700万円以上 800万円未満 | 3.9 | 4.2 |
| (I) | 800万円以上 900万円未満 | 3.5 | 3.3 |
| (J) | 900万円以上 1000万円未満 | 3.4 | 3.2 |
| (K) | 1000万円以上 1200万円未満 | 5.8 | 6.0 |
| (L) | 1200万円以上 1400万円未満 | 4.7 | 4.6 |
| (M) | 1400万円以上 1600万円未満 | 4.3 | 4.2 |
| (N) | 1600万円以上 1800万円未満 | 2.8 | 3.0 |
| (O) | 1800万円以上 2000万円未満 | 2.8 | 2.5 |
| (P) | 2000万円以上 2500万円未満 | 5.3 | 5.3 |
| (Q) | 2500万円以上 3000万円未満 | 3.8 | 3.2 |
| (R) | 3000万円以上 4000万円未満 | 4.7 | 4.2 |
| (S) | 4000万円以上 | (イ) | 7.2 |
資料: 総務省「家計調査」
2008年における貯蓄額が2000万円以上の世帯は、全体の19.6%であった。(イ)に入る数値はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:「2000万円以上」は (P)(Q)(R)(S) の4階級の合計である。合計が19.6%と与えられているので、既知の3階級を引けば(イ)が出る。
計算:
誤答の見分け方:④ 8.2 は (P)+(Q)+(R)=13.8 を 19.6 と混同したり (R) を足し忘れたりした値(19.6−11.4)。⑤ 11.1 は (P)+(Q) だけ引いた値。「2000万円以上」に含まれる階級を表で指差し確認してから引くこと。
2015年における貯蓄額の中央値が含まれる階級はどれか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:中央値は累積相対度数が初めて50%を超える(達する)階級に含まれる。2015年の列を上から累積していく。
| 階級 | 相対度数(%) | 累積(%) |
|---|---|---|
| (A) 100万円未満 | 13.2 | 13.2 |
| (B) 100〜200 | 7.2 | 20.4 |
| (C) 200〜300 | 7.0 | 27.4 |
| (D) 300〜400 | 6.1 | 33.5 |
| (E) 400〜500 | 5.6 | 39.1 |
| (F) 500〜600 | 5.5 | 44.6 |
| (G) 600〜700 | 4.5 | 49.1 |
| (H) 700〜800 | 4.2 | 53.3 |
| (I) 800〜900 | 3.3 | 56.6 |
(G) までで 49.1% と50%に届かず、(H) を加えると 53.3% で50%を超える。したがって中央値は (H) 700万円以上800万円未満の階級にある。
誤答の見分け方:足し算を1階級ずれて (I) を選びやすい。「超えた瞬間の階級」を答えること。
2015年における貯蓄額の平均値は1309万円であった。2015年における貯蓄額が平均未満の世帯の割合を % とする。 の1の位を四捨五入した値はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:1309万円は (L) 1200〜1400万円未満の階級の中にある。(K) までの累積に、(L) のうち 1200〜1309 の部分を階級内で一様と仮定して按分した分を足す。
計算:
(A)〜(K) の累積:〔2〕の表の続きで
(L) の按分(階級幅200万円のうち 1309−1200=109万円分):
按分を省略して 65.8% としても四捨五入で 70 になるので、試験場では「(K) までで約66%」で十分である。
直感的な確認:貯蓄額は右に裾が長い分布(少数の高額世帯が平均を引き上げる)。このとき 平均 > 中央値 となるので、「平均未満」の割合は50%より確実に大きい。③50 以下の選択肢は分布の形から即除外できる。
ある中学校の生徒100人が、国語と数学のテストを受けた。いずれも100点満点である。この結果、国語の得点の標準偏差は12.5、数学の得点の標準偏差は16.4、国語と数学の得点の相関係数は0.72であった。
国語と数学の得点の散布図として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: 横軸=国語の得点、縦軸=数学の得点、いずれも0〜100。①強い負の相関(右下がりの細長い帯)、②やや弱い負の相関、③ほぼ無相関(丸く散らばる)、④中程度の正の相関(右上がりだがばらつきあり)、⑤非常に強い正の相関(右上がりの細い帯))
正解:④
考え方:相関係数 は「正で、中程度〜やや強い」相関。散布図なら右上がりで、点はある程度ばらついている形になる。
| |r| の目安 | 散布図の見た目 | 該当図 |
|---|---|---|
| 0.9 以上 | 直線に近い細い帯 | ⑤(正)、①(負) |
| 0.6〜0.8 | 右上がり(下がり)だがばらつきあり | ④(正)、②(負) |
| 0.2 以下 | 丸く散らばる、傾向が見えない | ③ |
誤答の見分け方:符号が正なので右下がりの①②は除外。⑤は r≈0.95 以上の細い帯で 0.72 にしては強すぎる。③は r≈0。
国語と数学の得点の共分散はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:相関係数の定義式を共分散について解く。
計算:
誤答の見分け方:⑤ 205.0 は のまま(r を掛け忘れ)。① 112.5 は 0.72×12.5² のように片方の標準偏差を2回使った値。
次の記述は、数学の得点のみ2倍にしたときの、変動係数と共分散の変化に関するものである。
すべての生徒について数学の得点のみ2倍にすると、数学の得点の変動係数は(A)。また、国語と数学の得点の共分散は(B)。
(A)と(B)に当てはまるものの組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:数学の得点を と変換したとき、各統計量がどう変わるかを1次変換の性質から追う。
(A)変動係数:
平均も標準偏差も2倍になるので比は変わらない。
(B)共分散:
共分散は各変数に対して線形なので2倍になる。
| 統計量 | Y → 2Y のとき | 理由 |
|---|---|---|
| 平均 | 2倍 | E[2Y]=2E[Y] |
| 標準偏差 | 2倍 | |a| 倍 |
| 分散 | 4倍 | a² 倍 |
| 変動係数 | 不変 | 平均と標準偏差が同じ倍率 |
| 共分散 Cov(X,Y) | 2倍 | Y 側に線形 |
| 相関係数 | 不変 | 共分散2倍 ÷ 標準偏差2倍 |
誤答の見分け方:⑤の「4倍」は分散の変化。共分散は Y が1回しか入らないので2倍。
気温を測る単位として、日本では摂氏が用いられている。一方で、アメリカにおいては、華氏を用いるのが一般的であり、摂氏 (C) から華氏 (F) への変換公式は となる。次の表は、2018年12月9日のアメリカの17の主要都市における最低気温のデータを摂氏と華氏、双方の単位で記載したものである。
| No. | 主要都市 | 摂氏 | 華氏 |
|---|---|---|---|
| 1 | アトランタ | 1 | 33.8 |
| 2 | アンカレジ | −6 | 21.2 |
| 3 | サンフランシスコ | 6 | 42.8 |
| 4 | シアトル | 4 | 39.2 |
| 5 | シカゴ | −6 | 21.2 |
| 6 | デトロイト | −4 | 24.8 |
| 7 | デンバー | −1 | 30.2 |
| 8 | ニューオーリンズ | 4 | 39.2 |
| 9 | メンフィス | −1 | 30.2 |
| 10 | ニューヨーク | −1 | 30.2 |
| 11 | ヒューストン | 4 | 39.2 |
| 12 | ボストン | −5 | 23.0 |
| 13 | ポートランド | 6 | 42.8 |
| 14 | マイアミ | 22 | 71.6 |
| 15 | ラスベガス | 7 | 44.6 |
| 16 | ロサンゼルス | 10 | 50.0 |
| 17 | ワシントン D.C. | 0 | 32.0 |
資料: 日本気象協会
上記の摂氏で表されたデータを標準化得点に変換したものを とし、華氏で表されたデータを標準化得点に変換したものを とする。ただし、下付きの添え字はこれらのデータの No. に対応している。また、標準化得点の計算に用いる標準偏差は不偏分散の正の平方根とし、摂氏で表されたデータの平均は 2.4、標準偏差は 7.0 であった。次の記述Ⅰ〜Ⅲは、上のデータの標準化得点に関する説明である。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
Ⅰ(正しい):標準化得点の定義は
偏差の和は常に0なので 。また
不偏分散(16で割る)で標準化しているので、z の不偏分散も1になる。
Ⅱ(誤り):最大値はマイアミの 22℃。
Ⅲ(正しい): は傾きが正の1次変換。平均は 、標準偏差は になるので
よってⅠとⅢが正しく、④。
華氏で表されたデータの平均を 、標準偏差(不偏分散の正の平方根)を とおく。このとき、 と の値の組合せとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:1次変換 の平均・標準偏差への効き方を使う。表を再集計する必要はない。
計算:
定数 32 を足しても散らばりは変わらないので、標準偏差には 32 が入らない。
誤答の見分け方:①② の 4.2 は 32 を足し忘れた平均(1.8×2.4 のみ)。③ の 7.0 は 1.8 倍を忘れた標準偏差。⑤ の 44.6 は標準偏差に 32 を足してしまった値(12.6+32)。
世帯人員と持家率の関係を調べたい。次の表は、2017年の2人以上の勤労者世帯について、世帯人員別に持家率と勤め先収入をまとめたものである。
世帯人員別の持家率と1世帯当たり1か月間の収入(2人以上の勤労者世帯)
| 世帯人員(人) | 持家率(%) | 勤め先収入(万円) |
|---|---|---|
| 2 | 75.1 | 41.3 |
| 3 | 77.3 | 49.0 |
| 4 | 83.7 | 54.0 |
| 5 | 82.9 | 55.6 |
| 6以上 | 84.8 | 52.1 |
資料: 総務省「家計調査」
世帯人員と持家率の相関係数は 0.91、勤め先収入の影響を除去した世帯人員と持家率の偏相関係数は 0.79 と計算された。ここで、「6以上」という世帯人員については、平均値として与えられている 6.36 を用いた。
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、この相関係数と偏相関係数に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
Ⅰ(正しい):相関係数は「直線的な関係の強さ」を測る指標。0.91 は強い正の相関で、右上がりの直線で近似できることを意味する。
Ⅱ(誤り):偏相関係数は「第3の変数(ここでは収入)の影響を取り除いたうえでの、2変数の直線的な関係の強さ」である。非線形関係を捉える指標ではない。
Ⅲ(誤り):「相関係数が正なら偏相関係数は負」という法則は存在しない。また、どちらも正で大きい値なのに「全く関係がない」と結論するのは正反対の解釈である。
よってⅠのみ正しく、①。
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、この相関係数と偏相関係数を比較したときの解釈に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:世帯人員を x、持家率を y、収入を z とすると、z の影響を除いた偏相関係数は
世帯人員が多いほど収入も高く()、収入が高いほど持家率も高い()。この「収入を経由した見かけ上の相関」の分だけ、単純な相関係数 0.91 は水増しされている。収入の影響を取り除くと 0.79 に下がる、というのが正しい読み方である。
Ⅰ(誤り):偏相関係数は「収入が上昇したときの相関」ではなく「収入を一定に固定したときの相関」。収入の水準による相関の変化を表すものではない。
Ⅱ(誤り):同様に、0.79〜0.91 の「間で変動する」という解釈は誤り。2つの値は異なる概念の指標であり、変動範囲ではない。
Ⅲ(正しい):収入を共通要因とする擬相関(見かけ上の相関)が含まれていたため、それを除くと相関が弱まった、という解釈が正しい。
実験計画における「フィッシャーの3原則」とは、「無作為化」、「繰り返し」、「局所管理」である。次の記述Ⅰ〜Ⅲは、この3原則に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
フィッシャーの3原則の正しい定義:
| 原則 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 無作為化 | 処理(条件)を実験単位に無作為に割り付ける | 制御できない要因の影響を系統誤差ではなく偶然誤差にする(偏りの排除) |
| 繰り返し(反復) | 同じ処理を複数の実験単位に適用する | 偶然誤差の大きさを評価できる(誤差分散の推定) |
| 局所管理 | 実験の場を条件の似たブロックに分け、ブロック内で処理を比較する | ブロック間の系統的な差を分離し、誤差を小さくする |
Ⅰ(正しい):無作為化の定義そのもの。処理をランダムに割り付けることで、未知の要因の影響が特定の処理に偏らず偶然誤差として扱えるようになる。
Ⅱ(誤り):繰り返しとは「同一条件に複数の実験単位(被験者)を割り当てる」ことである。記述は逆で、同一被験者からの反復測定は繰り返しではない(それは誤差の独立性を崩す)。
Ⅲ(誤り):局所管理は「実験の場(圃場・時間・被験者の属性など)をブロックに分けて均質化する」こと。監督・監視する人を割り付けるという意味ではない。
よってⅠのみ正しく、①。
標本抽出法に関する記述として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
抽出法の整理:
| 抽出法 | 手順 | 特徴 |
|---|---|---|
| 単純無作為抽出 | 母集団全体から等確率で抽出 | 基準となる方法。名簿が必要 |
| 系統抽出 | 名簿を並べ、無作為な出発点から一定間隔で抽出 | 簡便。並びに周期性があると偏る |
| 層化抽出 | 母集団を性質の似た層に分け、各層から抽出 | 層内が均質なら精度が上がる |
| 集落(クラスター)抽出 | 母集団をクラスターに分け、いくつかのクラスターを選んで全数調査 | 費用が安い。クラスター内が多様なほどよい |
| 多段抽出 | クラスターを選び、さらにその中から抽出(2段以上) | 費用は安いが、段数を増やすと一般に精度は下がる |
各選択肢の判定:
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ① | 誤 | 多段抽出は段を重ねるごとに誤差が積み重なり、一般に精度は下がる |
| ② | 誤 | 「似た傾向でグループ分けし、すべてのグループから抽出」は層化抽出の説明 |
| ③ | 誤 | 回答率が低いと回答者と非回答者の性質が異なる「無回答バイアス」が生じ、有効回答数を増やしても解消しない |
| ④ | 誤 | 「いつでも」が誤り。名簿に周期性があると系統抽出は単純無作為抽出より悪くなる |
| ⑤ | 正 | 集落抽出の定義そのもの |
2つの事象 , に関して、次が成り立つとする。
これらから読み取れることとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:「独立」と「排反」はどちらも の値で判定できる。まず加法定理から を求める。
計算手順
独立の判定:
一致するので A と B は独立である。
排反の判定: なので、同時に起こりうる。つまり排反ではない。
よって「独立であるが排反ではない」②。
誤答の見分け方
| 選択肢 | 誤りの理由 |
|---|---|
| ① | 独立かつ排反は両立しない(下記ポイント参照) |
| ③④ | P(A∩B)=0.14≠0 なので排反ではない |
| ⑤ | P(A), P(B), P(A∪B) が与えられれば P(A∩B) が決まり、独立かどうかは判定できる |
袋Aには赤玉が2個、白玉が3個入っており、袋Bには赤玉が1個、白玉が4個入っている。1から6の目が等しい確率で出るサイコロを1回投げて2以下の目が出たら袋Aから2回玉を取り出し、3以上の目が出たら袋Bから2回玉を取り出すこととする。玉を取り出す際はそのたびに元に戻すものとする。
サイコロを1回投げるとき、袋Bから赤玉が1回だけ取り出される確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:「袋Bから赤玉が1回だけ」という事象は、「サイコロで3以上が出て袋Bが選ばれる」かつ「袋Bからの2回の取り出しで赤がちょうど1回」の同時事象である。2段階の樹形図を描き、枝の確率を掛ける。
まず設定を整理する。
| 段階 | 事象 | 確率 |
|---|---|---|
| サイコロ | 目が2以下 → 袋A | |
| サイコロ | 目が3以上 → 袋B | |
| 袋A | 1回の取り出しで赤 | |
| 袋B | 1回の取り出しで赤 |
復元抽出(毎回元に戻す)なので、2回の取り出しは互いに独立で、赤の回数は試行回数2の二項分布に従う。
計算手順
袋Bで2回中ちょうど1回赤が出る確率(赤→白 と 白→赤 の2通り):
袋Bが選ばれる確率を掛ける:
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ③ 8/75 | 袋Bの確率を 2/3 ではなく 1/3(袋Aの確率)で掛けた |
| ④ 4/25 | 2通り(赤白・白赤)の「2×」を忘れて (1/5)(4/5) のみ、に近い値。または 8/25 を 1/2 倍 |
| ② 4/75 | 2× を忘れた上に 1/3 を掛けた |
サイコロを1回投げるとき、赤玉が取り出される回数を X とする。X の期待値として、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:どの袋が選ばれるかで赤の出やすさが変わるので、袋ごとに期待値を出して、袋が選ばれる確率で重み付けして足す(条件付き期待値の全確率版)。
計算手順
各袋での赤の回数は二項分布 B(2, p) なので期待値は 2p。
検算:X の分布を直接書いても同じ結果になる。
| X | 袋A経由 | 袋B経由 | 合計 P(X) |
|---|---|---|---|
| 0 | (1/3)(3/5)² = 9/75 | (2/3)(4/5)² = 32/75 | 41/75 |
| 1 | (1/3)·2·(2/5)(3/5) = 12/75 | (2/3)·2·(1/5)(4/5) = 16/75 | 28/75 |
| 2 | (1/3)(2/5)² = 4/75 | (2/3)(1/5)² = 2/75 | 6/75 |
(表の P(X=1) の袋B経由 16/75 が〔1〕の答えになっていることも確認できる。)
誤答の見分け方:④ 4/15 は袋Aまたは袋Bの片方の寄与だけ。①②③は分母75の「確率」の値であり、期待値(回数)としては小さすぎる。取りうる値は0〜2で、赤の割合が1/5〜2/5なのだから、期待値は 0.4〜0.8 の間に来るはず(8/15≈0.53 で妥当)。
2つの確率変数 X と Y に関して、期待値 E[X], E[Y] および X と Y の積の期待値 E[XY] が以下のようになっている。
いま、、 としたとき、分散 V[Z], V[W] が
であった。
X と Y の共分散 Cov[X,Y] と、X, Y の2乗の期待値 E[X²], E[Y²] の値の組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:共分散は定義式 で即座に出る。V[X], V[Y] は2つの分散の式を連立して求め、最後に に直す。
手順1:共分散
この時点で④⑤は消える。
手順2:V[Z] の式
手順3:V[W] の式
手順4:連立 (ii) − (i):
手順5:2乗の期待値
誤答の見分け方:① は E[X²]=V[X], E[Y²]=V[Y] と混同(平均の2乗を足し忘れ)。② は E[Y²] に 5 を足すなどの計算ミス。④⑤ の Cov=6 は E[XY]+E[X]E[Y] と符号を誤ったもの。
X と Y の相関係数はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:相関係数は共分散を両者の標準偏差で割ったもの。〔1〕で求めた Cov=2、V[X]=4、V[Y]=16 を使う。
誤答の見分け方:Cov=2>0 なので符号は正(①②は即除外)。⑤ 0.75 は分母を √(V[X]+V[Y]) のようにするなどの誤り。③ は Cov=0 と誤った場合。
ある調査員が個人を対象とした訪問調査を行う。ある時間帯に調査対象者が在宅している確率が 0.2 であるとし、各訪問で調査対象者が在宅か否かは独立とする。
3軒目の訪問で初めて調査対象者が在宅している確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:「3軒目で初めて在宅」=「1軒目不在」かつ「2軒目不在」かつ「3軒目在宅」。各訪問は独立なので確率を掛けるだけ。
誤答の見分け方:③ 0.48 は「3軒のうち1軒が在宅」の二項確率 3×0.2×0.8²=0.384 でもなく、0.8×0.8×0.2 に順序の場合の数3を掛けた値 0.384 に近い誤り。「初めて」とあるので順序は1通りに固定される。⑤ 0.78 に近い 1−0.8³=0.488 は「3軒以内に少なくとも1軒在宅」の確率。
初めて調査対象者が在宅しているまでに訪問する軒数の確率分布として、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:独立なベルヌーイ試行を「初めて成功するまで」繰り返したときの試行回数 N は幾何分布に従う。二項分布は「試行回数を固定して成功回数を数える」分布なので、ここでは当てはまらない。正規分布は連続型なので軒数(整数)の分布にはならない。分布名だけで②⑤に絞れる。
計算手順:幾何分布(試行回数を数える版)の期待値と分散は
よって②。期待値5は「在宅率20%なら平均5軒目で当たる」という直感とも合う。
誤答の見分け方:⑤の期待値6・分散25は、E=(1−p)/p=4(失敗回数を数える版)などと混同して数値をずらしたもの。①④は分布名が二項分布の時点で誤り。
確率変数 X は期待値 2、分散 9 の正規分布に従うとする。
このとき、確率 はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:標準化して標準正規分布表を引く。分散が 9 なので標準偏差は (9 のまま割らないこと)。
手順1:標準化
手順2:分布関数の差に直す
手順3:表を引く(試験で配られる表は「上側確率 P(Z ≥ z)」の表)
| z | 上側確率 P(Z≥z) | Φ(z) = 1 − 上側確率 |
|---|---|---|
| 0.67 | 0.2514 | 0.7486 |
| 1.00 | 0.1587 | Φ(−1) = P(Z ≥ 1) = 0.1587(対称性) |
誤答の見分け方:③ 0.34 は P(0<Z≤1) 相当の「±1σ の片側」。④ 0.41 に近いのは P(−1<Z≤0.5)=0.5328 でもなく、Φ(0.67)−0.5=0.2486 と Φ(1)−0.5=0.3413 を混ぜたような値。区間が平均2を挟んでいる(−1 は左、4 は右)ので、答えは 0.5 前後より大きくなるはず、という感覚で⑤に絞れる。
は母平均 μ、母分散 σ² の正規母集団からの大きさ9の無作為標本とする。また を の標本平均とし、S² を不偏分散とする。
このとき、確率
はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:不等式を「t 統計量 ≥ 定数」の形に変形する。σ ではなく S(不偏分散の平方根)で標準化しているので、従う分布は正規分布ではなく自由度 n−1 の t 分布である。ここがこの問題の唯一のひっかけ。
手順1:変形 両辺から μ を引き、 で割る。n=9 なので 。
手順2:分布の特定
手順3:t 分布表を引く 自由度8の行を見ると、上側5%点が 1.860。
よって④ 0.0500。
誤答の見分け方(重要)
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ② 0.0314 | t 分布ではなく標準正規分布で P(Z≥1.86)=0.0314 を読んだ。S(標本から計算した標準偏差)で割っているので正規分布は使えない |
| ① 0.0250 | 両側5%の限界値 2.306(自由度8)と混同、または 1.96 相当と誤認 |
| ③ 0.0479 | 自由度を 9 として補間したような値 |
| ⑤ 0.2676 | √n で割り忘れて P(T≥0.62) を読んだ |
既知の母集団 {2, 4, 6, 8} を考える。この母集団から大きさ2の標本 , を無作為復元抽出する。この標本に対する標本平均を
とし、 とおく。ただし、k は自然数とする。
(, ) の組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:復元抽出なので、1回目と2回目は独立で、それぞれ 2, 4, 6, 8 を等確率 1/4 でとる。組 (, ) は 4×4=16 通りがすべて等確率 1/16 である。標本平均の値ごとに「何通りあるか」を数えればよい。
| 組 (X₁, X₂) | 場合の数 | 確率 | |
|---|---|---|---|
| 2 | (2,2) | 1 | 1/16 |
| 3 | (2,4) (4,2) | 2 | 2/16 |
| 4 | (2,6) (6,2) (4,4) | 3 | 3/16 |
| 5 | (2,8) (8,2) (4,6) (6,4) | 4 | 4/16 |
| 6 | (4,8) (8,4) (6,6) | 3 | 3/16 |
| 7 | (6,8) (8,6) | 2 | 2/16 |
| 8 | (8,8) | 1 | 1/16 |
計算:
したがって (1/8, 3/16) で ④。
誤答の見分け方:(4,2) と (2,4) は別の組として数える(順序付き)。これを1通りと数えると p₃=1/16 となり ①② の誤りになる。③ の p₆=1/4 は (6,6) を2通りに重複して数えた値。
の(中央値, 最頻値)の組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:〔1〕で作った分布表をそのまま使う。
最頻値:場合の数が最大(4通り)なのは =5 → 最頻値 5.0。
中央値:16通りを小さい順に並べたとき、8番目と9番目の平均。累積の場合の数は
| 値 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 累積 | 1 | 3 | 6 | 10 | 13 | 15 | 16 |
累積6までが 4 以下、累積10までが 5 以下なので、7〜10番目は値 5。8番目も9番目も 5 → 中央値 (5+5)/2=5.0。
分布が 5 を中心に左右対称であることからも、中央値=最頻値=平均=5 とすぐわかる。
の期待値 に関する説明として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:期待値は「確率分布から決まる定数」であり、実際に抽出した値には依存しない。標本平均 は抽出のたびに 2〜8 の値をとる確率変数だが、その期待値は一つの数に決まる。
計算(確認):分布表から
これは母平均 と一致する(標本平均は母平均の不偏推定量)。
誤答の理由:
| 選択肢 | 誤りの理由 |
|---|---|
| ① | で、分布を全部求めなくても計算できる(p₁ は 0 でもある) |
| ② | 母集団が既知なので厳密に 5 と求まる |
| ③ | 「不偏」とは E[X̄]=μ(=5)のこと。X̄ の実現値が母集団の要素になる必要はない |
| ④ | 期待値は分布の性質であり、実データは不要 |
ある池には総数 N 匹の魚がいる。この池から300匹の魚を捕獲し、目印を付けて池に戻す。十分時間が経過してから、再び200匹を捕獲して調べたところ、目印の付いている魚が20匹いた。N が十分大きいとしたときの、目印の付いている魚の比率の95%信頼区間として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:「200匹のうち20匹に目印」という標本から、母比率(池の中で目印の付いた魚の割合)を区間推定する。N が十分大きいので復元抽出とみなせ、二項分布の正規近似を使う。
計算:
よって 0.100 ± 0.042 で ④。
誤答の見分け方:② 0.021 は SE そのもの(1.96 を掛け忘れ)。⑤ 0.131 は n=20 で計算するなどの誤り。① 0.017 は 0.8×SE など、いずれも係数の誤り。
補足:最初に付けた300匹という数は、この設問では使わない。標識再捕獲法で総数 N を推定するなら、「目印比率 ≈ 300/N」から N ≈ 300/0.1 = 3000 匹となる(これは別の設問の話)。
次の表は、2017年1月から2018年12月までの、Amazon.com の株価の月次変化率(単位: %)の基本統計量をまとめたものである。
| 標本サイズ | 標本平均 | 不偏分散 | |
|---|---|---|---|
| Amazon.com | 24 | 3.23 | 8.72² |
資料: Yahoo! Finance (https://finance.yahoo.com)
Amazon.com の株価の月次変化率は、互いに独立に平均 μ、分散 σ² の正規分布に従うと仮定する。
μ の95%信頼区間として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:母分散 σ² は未知で、与えられているのは不偏分散 S²=8.72²。正規母集団・σ未知なので、t分布(自由度 n−1=23)を使う。
計算:
よって 3.23 ± 3.68 で ③。
誤答の見分け方:
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ① 2.93 | 1.645(正規分布の片側5%点)×1.780 |
| ② 3.05 | 1.714(t(23) の上側5%点=片側用)×1.780。両側95%なのに片側の値を使った |
| ④ 4.86 | √n で割らず S/√(n) を誤って S/√(n/…) にするなど、標準誤差の計算ミス |
| ⑤ 6.56 | t 値の代わりに 8.72×… など、桁の誤り |
帰無仮説 μ = 0、対立仮説 μ > 0 の検定結果として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:1標本 t検定(片側)。検定統計量を計算し、自由度23の t分布の各上側パーセント点と比べる。
計算:
自由度23の上側パーセント点:
| 上側確率 | 10% | 5% | 2.5% | 1% | 0.1% |
|---|---|---|---|---|---|
| t(23) | 1.319 | 1.714 | 2.069 | 2.500 | 3.485 |
片側検定なので、有意水準 α で棄却されるのは t が「上側 α 点」を超えるとき。
→ 5% では棄却できるが、2.5% では棄却できない。③。
注意:〔1〕の95%信頼区間 3.23 ± 3.68 は 0 を含むので「両側5%では棄却されない」。しかし本問は片側検定なので限界値は 1.714 に下がり、棄却される。「信頼区間が0を含む ⇔ 両側検定で棄却されない」であって、片側検定とは対応しない。
X を平均 θ、分散1の正規分布に従う確率変数とし、帰無仮説 H₀、対立仮説 H₁ をそれぞれ
と想定した仮説検定を考える。X の観測結果 x に対して、棄却域を
と定めると、第1種過誤の確率は(ア)であり、第2種過誤の確率は(イ)である。次に、棄却域を
としたときの第1種過誤の確率を 、第2種過誤の確率を とする。座標平面上に で与えられる点を P とし、 を 0 から 1 まで動かしたときの点 P の軌跡を表したグラフの概形は(ウ)のようになる。このグラフを参考にすると、第1種過誤の確率と第2種過誤の確率の和
を最小にする は(エ)であることがわかる。
文中の(ア),(イ)に当てはまる数値の組合せとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:2種類の過誤の定義を確認する。
| 過誤 | 意味 | この問題では |
|---|---|---|
| 第1種過誤 α | H₀ が正しいのに棄却する | θ=0 のとき X ≥ 0.8 となる確率 |
| 第2種過誤 β | H₁ が正しいのに棄却しない | θ=1 のとき X < 0.8 となる確率 |
計算:分散1なので、X−θ が標準正規分布 N(0,1) に従う。Φ を標準正規分布の分布関数とする。
よって(ア)0.212、(イ)0.421 で ②。
誤答の見分け方:③ は α と β を取り違えたもの。⑤ の 0.655 は Φ(0.4) で、標準化のときに θ=1 を引き忘れて 0.8−0.4 などとした値。
文中の(ウ)に当てはまるグラフの概形として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: 横軸 β(x₀)、縦軸 1−α(x₀)。①右上がりで上に凸の曲線(傾きが次第に緩やかになる)、②右上がりの直線、③右下がりで上に凸の曲線、④右下がりの直線、⑤水平な直線)
正解:①
考え方:棄却域 x ≥ x₀ に対して α と β を x₀ の関数として書く。
点 P の座標は(横)β(x₀)=Φ(x₀−1)、(縦)1−α(x₀)=Φ(x₀)。
手順1:端点を求める
| x₀ | 横 β=Φ(x₀−1) | 縦 1−α=Φ(x₀) |
|---|---|---|
| 0 | Φ(−1)=0.159 | Φ(0)=0.5 |
| 0.8 | Φ(−0.2)=0.421 | Φ(0.8)=0.788 |
| 1 | Φ(0)=0.5 | Φ(1)=0.841 |
横も縦も x₀ とともに増加するので、グラフは右上がり。これで ③④⑤ が消える。
手順2:直線か曲線か(傾きの変化)
傾きは、φ を標準正規分布の密度として
x₀=0 で e^{0.5}≈1.65(急)、x₀=1 で e^{−0.5}≈0.61(緩やか)。傾きが単調に減少するので、上に凸の曲線。よって ①。
端点の数値でも確認できる:(0.159, 0.5) → (0.421, 0.788) → (0.5, 0.841)。前半は横0.26進んで縦0.29上がり、後半は横0.08進んで縦0.05しか上がらない。傾きが落ちている。
誤答の理由:② 直線は傾き一定だが、実際は変化する。③④ の右下がりは「β が増えると検出力が減る」という誤解だが、x₀ を上げると α は減り(1−α は増え)β も増えるので、両者は同じ向きに動く。
文中の(エ)に当てはまるものとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:和 g(x₀)=α(x₀)+β(x₀) を x₀ の関数として最小化する。
手順1:微分して0とおく(Φ′=φ)
φ は 0 を中心に左右対称なので、φ(a)=φ(b) となるのは |a|=|b|。x₀ と x₀−1 は符号が逆で絶対値が等しい → x₀=0.5。
x₀ < 0.5 では φ(x₀) > φ(x₀−1) で g′ < 0(減少)、x₀ > 0.5 では g′ > 0(増加)なので、x₀=0.5 が最小点である。
手順2:数値で検算
| x₀ | α | β | α+β |
|---|---|---|---|
| 0 | 0.5 | 0.159 | 0.659 |
| 0.5 | 1−Φ(0.5)=0.3085 | Φ(−0.5)=0.3085 | 0.617 |
| 0.8 | 0.212 | 0.421 | 0.633 |
| 1 | 0.159 | 0.5 | 0.659 |
確かに 0.5 で最小。②。
図での見方:〔2〕のグラフで α+β は「縦 (1−α) − 横 β」が最大になる点で最小になる。傾き=1 になる点(x₀=0.5、傾き e^{0.5−0.5}=1)がそれである。
新卒者の初任給と最終学歴(以下、学歴)の関係を、4つの業種(鉱業等、建設業、製造業、電気業等)において調べたい。次の図は、学歴別に、4つの業種における2018年の新卒者の平均初任給をプロットしたものである。
(図の概要: 横軸=学歴 H:高校卒 / C:高専・短大卒 / U:大学卒 / G:大学院修士課程修了、縦軸=初任給(月額・万円)15〜27。各学歴に4点(業種)。H は約16〜17、C は約18〜21、U は約20〜22.5、G は約23〜26 と、学歴が上がるほど高い)
資料: 厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査(新規学卒者の初任給の推移)」
高専・短大卒ダミー変数 C を、高専・短大卒なら1、それ以外なら0をとる変数とする。同様に大学卒ダミー変数 U と大学院修士課程修了ダミー変数 G を作成する。初任給 y を被説明変数、3つの学歴ダミー変数 C, U, G を説明変数、互いに独立に正規分布 N(0, σ²) に従う誤差項を u とする重回帰モデル
を最小二乗法で推定したところ次の表のようになった。ここで、 は、σ² の不偏推定値の正の平方根である。
| 回帰係数 | 標準誤差 | t-値 | P-値 | |
|---|---|---|---|---|
| 切片 | 16.653 | 0.510 | 32.652 | 4.31×10⁻¹³ |
| C | 2.255 | 0.721 | 3.127 | 8.75×10⁻³ |
| U | 4.450 | 0.721 | 6.170 | 4.80×10⁻⁵ |
| G | 7.180 | 0.721 | 9.955 | 3.76×10⁻⁷ |
| 観測数 | 16 | σ̂ | 1.020 |
| 決定係数 | 0.900 | 自由度調整済み決定係数 | 0.876 |
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、この推定結果に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:ダミー変数を使った回帰では、ダミーが全部0のカテゴリ(ここでは高校卒)が基準になり、切片がその平均、各係数は「基準との差」を表す。
各学歴の予測値(C, U, G に 0/1 を代入):
| 学歴 | C | U | G | 予測値 ŷ |
|---|---|---|---|---|
| H 高校卒 | 0 | 0 | 0 | 16.653 |
| C 高専・短大卒 | 1 | 0 | 0 | 16.653+2.255=18.908 |
| U 大学卒 | 0 | 1 | 0 | 16.653+4.450=21.103 |
| G 大学院修了 | 0 | 0 | 1 | 16.653+7.180=23.833 |
各記述の判定:
| 記述 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 誤 | 高校卒は基準カテゴリで、切片 16.653 がその平均初任給。「わからない」は誤り。さらに H を追加すると H+C+U+G=1(常に切片と同じ)となり、完全な多重共線性で推定できない(ダミー変数の罠)。 |
| Ⅱ | 正 | G と U の差 = 7.180 − 4.450 = 2.73 万円。 |
| Ⅲ | 誤 | t検定の自由度 = n − 説明変数の数 − 1 = 16 − 3 − 1 = 12。13 ではない。 |
Ⅱのみ正しいので ②。
教育年数 x を、高校卒は12年、高専・短大卒は14年、大学卒は16年、大学院修士課程修了は18年として作成する。初任給 y を被説明変数、教育年数 x を説明変数、u を互いに独立に正規分布 N(0, σ²) に従う誤差項とする単回帰モデル
を最小二乗法で推定したところ次の表のようになった。ここで、 は、σ² の不偏推定値の正の平方根である。
| 回帰係数 | 標準誤差 | t-値 | P-値 | |
|---|---|---|---|---|
| 切片 | 2.323 | 1.620 | 1.434 | 0.174 |
| x | 1.187 | 0.107 | 11.109 | 2.5×10⁻⁸ |
| 観測数 | 16 | σ̂ | 0.955 |
| 決定係数 | 0.898 | 自由度調整済み決定係数 | 0.891 |
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、この推定結果に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
各記述の判定:
| 記述 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 正 | x の係数 1.187 は「x が1単位(1年)増えたときの y の変化」。 |
| Ⅱ | 誤 | 自由度調整済み決定係数は単回帰でも決定係数と異なる。定義は (k=説明変数の数)。実際に n=16, k=1 で計算すると 1 − 0.102 × 15/14 = 1 − 0.109 = 0.891 で表の値と一致する。丸め誤差ではない。 |
| Ⅲ | 誤 | 表の P-値 0.174 は両側検定のもの。t=1.434 > 0 なので、片側検定 H₁: α > 0 の P-値はその半分 0.087。 |
Ⅰのみ正しいので ①。
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、学歴ダミー変数を使った重回帰モデルと教育年数を使った単回帰モデルの比較に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
各記述の判定:
| 記述 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 誤 | 説明変数の数が違うモデル(3個 vs 1個)を決定係数 R² で比べてはいけない。R² は変数を増やせば必ず上がる。自由度調整済み R² で比べると 0.876(ダミー) < 0.891(教育年数)で、むしろ単回帰モデルの方が良い。 |
| Ⅱ | 正 | ダミーモデル:C→U の変化は 4.450−2.255=2.195、U→G の変化は 7.180−4.450=2.730 で異なる。教育年数モデル:どちらも教育年数が2年増えるので 2×1.187=2.374 で同じ。 |
| Ⅲ | 正 | ダミーモデルには「中学卒」というカテゴリがないので予測不能。教育年数モデルは x=9 を代入して 2.323+1.187×9=13.0 と形式的に計算できるが、データ範囲(12〜18年)の外への外挿であり信頼できない。 |
ⅡとⅢが正しいので ⑤。
都道府県別の1人当たり小売店舗事業所数を説明するため、以下の重回帰モデルを推定した。
ここで、u は互いに独立に正規分布 N(0, σ²) に従う誤差項とする。1人当たり小売店舗事業所数、1人当たり乗用車数、1人当たり貨物車数にそれぞれ対応する変数を retail(単位: 事業所/人)、car(単位: 台/人)、truck(単位: 台/人)として上の重回帰モデルを最小二乗法で推定したところ、次のような出力結果が得られた。なお出力結果の一部を削除している。また出力結果の (Intercept) は定数項 α を表している。
Coefficients:
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) 0.0084345 0.0004812 17.528 < 2e-16
car -0.0077833 0.0022781 -3.417 0.00138
truck 0.0310015 0.0066308 4.675 2.79e-05
---
Residual standard error: 0.0009454 on 44 degrees of freedom
Multiple R-squared: 0.4285, Adjusted R-squared: 0.4026
F-statistic: 16.5 on 2 and 44 DF, p-value: 4.507e-06
資料: 総務省「平成28年 経済センサス−活動調査」、総務省「平成28年 住民基本台帳人口・世帯数」、総務省「一般社団法人 自動車検査登録情報協会」
有意水準5%で有意な係数(定数項を含む)の組合せについて、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:各係数について H₀: 係数=0 の t検定が行われており、その P-値が Pr(>|t|) 列。P-値 < 0.05 なら有意水準5%で有意。
| 係数 | t value | Pr(>|t|) | 5%で有意? |
|---|---|---|---|
| α (Intercept) | 17.528 | < 2×10⁻¹⁶ | 有意 |
| β₁ (car) | −3.417 | 0.00138 | 有意 |
| β₂ (truck) | 4.675 | 2.79×10⁻⁵ | 有意 |
3つとも P-値 < 0.05 なので、α, β₁, β₂ すべて有意。⑤。
注意:car の t value は負だが、有意性は |t| の大きさ(=P-値)で判断する。|−3.417| は自由度44の両側5%点 2.015 を大きく超えている。
出力結果から読み取れる情報として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
出力の読み方:
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| Estimate | 回帰係数の推定値 |
| Std. Error | 係数の標準誤差 |
| t value | Estimate ÷ Std. Error。H₀: 係数=0 の検定統計量 |
| Pr(>|t|) | 両側 P-値 |
| Residual standard error | 残差の標準偏差 σ̂。自由度 = n − k − 1 = 47 − 2 − 1 = 44(都道府県 47) |
| Multiple R-squared | 決定係数 R²(変数を増やすと必ず増える) |
| Adjusted R-squared | 自由度調整済み R²(常に R² 以下。モデル比較に使う) |
| F-statistic | H₀: β₁=β₂=0(定数項を除く全係数が0)の検定。自由度 (2, 44) |
各選択肢の判定:
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ① | 誤 | 調整済み R² は定義上常に R² 以下になる。誤差の正規性とは無関係。 |
| ② | 誤 | t の符号は係数の向き(負=減少方向)を表すだけ。|t|=3.417 は十分大きく、car は有意な説明変数。 |
| ③ | 正 | car の係数 −0.0078 が負なので、truck を一定として乗用車数が多いほど小売店舗数は少ない傾向(車社会では店舗が集約される、という解釈が可能)。 |
| ④ | 誤 | F検定の帰無仮説は「定数項を除くすべての係数が0」。定数項は含まない。 |
| ⑤ | 誤 | R² は変数を増やせば必ず大きくなるので、これで選ぶと変数が多いモデルが常に勝つ。自由度調整済み R² や AIC で選ぶ。 |
| 問 | 解答番号 | 正解 | 問 | 解答番号 | 正解 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 問1〔1〕 | 1 | ③ | 問10〔2〕 | 19 | ② | |
| 問1〔2〕 | 2 | ① | 問11 | 20 | ⑤ | |
| 問1〔3〕 | 3 | ⑤ | 問12 | 21 | ④ | |
| 問2〔1〕 | 4 | ④ | 問13〔1〕 | 22 | ④ | |
| 問2〔2〕 | 5 | ② | 問13〔2〕 | 23 | ③ | |
| 問2〔3〕 | 6 | ② | 問13〔3〕 | 24 | ⑤ | |
| 問3〔1〕 | 7 | ④ | 問14 | 25 | ④ | |
| 問3〔2〕 | 8 | ④ | 問15〔1〕 | 26 | ③ | |
| 問4〔1〕 | 9 | ① | 問15〔2〕 | 27 | ③ | |
| 問4〔2〕 | 10 | ③ | 問16〔1〕 | 28 | ② | |
| 問5 | 11 | ① | 問16〔2〕 | 29 | ① | |
| 問6 | 12 | ⑤ | 問16〔3〕 | 30 | ② | |
| 問7 | 13 | ② | 問17〔1〕 | 31 | ② | |
| 問8〔1〕 | 14 | ⑤ | 問17〔2〕 | 32 | ① | |
| 問8〔2〕 | 15 | ⑤ | 問17〔3〕 | 33 | ⑤ | |
| 問9〔1〕 | 16 | ③ | 問18〔1〕 | 34 | ⑤ | |
| 問9〔2〕 | 17 | ④ | 問18〔2〕 | 35 | ③ | |
| 問10〔1〕 | 18 | ① |
出典: 統計検定2級 2019年6月試験(Kindle版問題集より転記)。図はスクリーンショットから切り抜いて埋め込み。