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次の箱ひげ図は、47都道府県別の「パソコン」(以下、PC)、「携帯電話(PHSを含む)」(以下、MP)、「スマートフォン」(以下、SP)、「テレビ(デジタル放送対応)」(以下、TV)および「DVD・ブルーレイディスクレコーダー(デジタル放送対応)」(以下、DVD/BD)の保有率(保有している世帯の割合)を示したものである。
なお、これらの箱ひげ図では、"「第1四分位数」−「四分位範囲」×1.5" 以上の値をとるデータの最小値、および "「第3四分位数」+「四分位範囲」×1.5" 以下の値をとるデータの最大値までひげを引き、これらよりも遠い値を外れ値として○で示している。
(図の概要: 縦軸=保有率(%)、目盛 60〜100。横軸に PC, MP, SP, TV, DVD/BD の5つの箱ひげ図。おおよその読み取り値は次のとおり。
資料: 総務省「平成27年通信利用動向調査」
次の記述Ⅰ〜Ⅲはこれらの箱ひげ図に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:箱ひげ図は都道府県ごとの対応(どの点がどの県か)を示さない。したがって「すべての県で A > B」を箱ひげ図から言い切れるのは、A の最小値が B の最大値より大きいときだけである。逆に「A の最小値 < B の最大値」なら、対応がわからなくても「すべて」という主張は否定できないように見えるが、「A のどの県も B のどの県より高い」という主張(Ⅲの形)はその時点で偽になる。
Ⅰ(正しい):TV の最小値は外れ値○の約88.5である(ひげの下端ではなく外れ値まで含めた最小値で判断する)。PC の最大値は約86.5。
TV 保有率が最も低い県でも、PC 保有率が最も高い県より高いので、どの県でも TV > PC が成り立つ。
Ⅱ(正しい):47件のデータの第3四分位数は上から数えて約12番目の値なので、PC 上位10県の保有率はすべて PC の第3四分位数(約78.5)以上である。一方 DVD/BD の最大値は約74.5。
上位10県の PC 保有率は、どの県の DVD/BD 保有率よりも高いので、自県の DVD/BD 保有率よりも当然高い。
Ⅲ(誤り):SP の最小値は約59、MP の最大値は約76.5。
SP 保有率が最も低い県は、MP 保有率が最も高い県より低いので「どの県の MP 保有率よりも高い」は成り立たない。
誤答の見分け方:⑤(ⅠとⅢ)は SP の箱が MP の箱よりやや上にあることから「SP > MP」と読んでしまう誤り。箱の位置(中央値・四分位数)の比較は「全体的な傾向」であって、「すべての県で」という主張の根拠にはならない。①はⅡの検討を省いた誤り。
次のグラフは、PC, MP, SP, TV および DVD/BD の都道府県別保有率のヒストグラムである。MP と SP はそれぞれどのヒストグラムにあたるか。下の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: 横軸=保有率 50〜100(階級幅5)、縦軸=度数。5つのヒストグラム a〜e の各階級の度数はおおよそ次のとおり。
正解:③
考え方:箱ひげ図の「最小値・最大値(範囲)」と「中央値」がヒストグラムのどこに現れるかを対応づける。範囲はヒストグラムの左端・右端の階級、中央値は累積度数が24(47の半分)に達する階級で決まる。
手順1:範囲(最大値)で絞る。箱ひげ図の最大値は PC 約86.5、MP 約76.5、SP 約81、TV 約98.5、DVD/BD 約74.5。
| ヒストグラム | 最大の階級 | 対応する系列 |
|---|---|---|
| d | 95–100 | TV(最大 98.5) |
| c | 85–90 | PC(最大 86.5) |
| a | 80–85 | SP(最大 81) |
| b | 75–80(度数1) | MP(最大 76.5) |
| e | 70–75(75以上なし) | DVD/BD(最大 74.5) |
これだけで MP: b、SP: a が決まる。
手順2:中央値で確認。a の累積度数は 2, 9, 26 なので24番目は 65–70 の階級にあり、SP の中央値約69.5と合う。b の累積度数は 6, 19, 33 で24番目は 65–70 にあり、MP の中央値約67と合う。b は 60–75 の3階級がほぼ同じ高さで平らな形をしており、MP の箱(63〜70.5)が広く左右対称に近いことと整合する。
また、b と e はどちらも中央値が 65–70 にあり形も似ているが、MP は 75 を超える県(最大 76.5)があるのに対し、DVD/BD は最大 74.5 で 75 以上の県がない。この差が b の 75–80 の度数1に現れている。
誤答の見分け方:④・⑤は SP または MP を e と取り違えたもの。e には 75 以上の階級がなく、SP の最大値81・MP の最大値76.5 のどちらとも合わない。①・②は MP を a としたもので、a には 80–85 の県があり MP の最大値76.5 と矛盾する。
次の表は、4道県(北海道、秋田県、茨城県、長野県)における農業経営体(経営耕地を持たないものを除く)の数を経営耕地面積の階級ごとに集計した度数分布表である。
| 経営耕地面積の階級 | 北海道 | 秋田県 | 茨城県 | 長野県 | |
|---|---|---|---|---|---|
| (A) | 面積 < 0.3 | 342 | 251 | 371 | 1851 |
| (B) | 0.3 ≤ 面積 < 0.5 | 986 | 3219 | 8375 | 14058 |
| (C) | 0.5 ≤ 面積 < 1.0 | 1482 | 7661 | 17131 | 20396 |
| (D) | 1.0 ≤ 面積 < 1.5 | 1111 | 6307 | 10644 | 7717 |
| (E) | 1.5 ≤ 面積 < 2.0 | 826 | 4813 | 6719 | 3333 |
| (F) | 2.0 ≤ 面積 < 3.0 | 1571 | 6039 | 6625 | 2624 |
| (G) | 3.0 ≤ 面積 < 5.0 | 2783 | 4853 | 4195 | 1716 |
| (H) | 5.0 ≤ 面積 < 10.0 | 5234 | 3245 | 2316 | 898 |
| (I) | 10.0 ≤ 面積 < 20.0 | 7963 | 1412 | 836 | 379 |
| (J) | 20.0 ≤ 面積 < 30.0 | 5442 | 398 | 223 | 116 |
| (K) | 30.0 ≤ 面積 < 50.0 | 6128 | 230 | 159 | 76 |
| (L) | 50.0 ≤ 面積 < 100.0 | 4584 | 94 | 70 | 40 |
| (M) | 100.0 ≤ 面積 | 1168 | 17 | 17 | 20 |
| 合計 | 39620 | 38539 | 57681 | 53224 |
(注)面積の単位はヘクタール
資料: 農林水産省「2015年農林業センサス」
茨城県の農業経営体における経営耕地面積の中央値を含む階級はどれか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:中央値は小さい方から数えて全体の半分の位置にある値である。茨城県の合計は 57681 なので、中央値は
の値である。累積度数が初めて 28841 以上になる階級を上から探す。
| 階級 | 度数 | 累積度数 | 累積相対度数(%) |
|---|---|---|---|
| (A) | 371 | 371 | 0.6 |
| (B) | 8375 | 8746 | 15.2 |
| (C) | 17131 | 25877 | 44.9 |
| (D) | 10644 | 36521 | 63.3 |
| (E) | 6719 | 43240 | 75.0 |
(C) までの累積度数は 25877 で 28841 に届かず、(D) を加えると 36521 で超える。したがって中央値は (D) 1.0 ≤ 面積 < 1.5 の階級にある。
累積相対度数で考えても同じで、(C) までで 44.9%、(D) までで 63.3% なので 50% をまたぐのは (D) である。
誤答の見分け方:② (C) は「(C) の累積 44.9% が最も 50% に近い」と早合点した誤り。50% を超えた瞬間の階級が答えである。
長野県の農業経営体における経営耕地面積の第1四分位数と第3四分位数を含む階級の組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:第1四分位数は累積相対度数が 25% をまたぐ階級、第3四分位数は 75% をまたぐ階級にある。長野県の合計は 53224 なので、位置はおよそ
| 階級 | 度数 | 累積度数 | 累積相対度数(%) |
|---|---|---|---|
| (A) | 1851 | 1851 | 3.5 |
| (B) | 14058 | 15909 | 29.9 |
| (C) | 20396 | 36305 | 68.2 |
| (D) | 7717 | 44022 | 82.7 |
| (E) | 3333 | 47355 | 89.0 |
第1四分位数:(A) までで 1851(3.5%)、(B) までで 15909(29.9%)。13306 番目(25%)は (B) にある。
第3四分位数:(C) までで 36305(68.2%)、(D) までで 44022(82.7%)。39918 番目(75%)は (D) にある。
よって第1四分位数 (B)、第3四分位数 (D) の組合せである。
誤答の見分け方:① (C) は「(C) の累積 68.2% が 75% に近い」と誤ったもの。④・⑤の (A) は累積 3.5% にすぎず 25% にはるかに届かない。
下の図は、この度数分布表から相対度数を求めて帯グラフにしたものである。ただし、階級 (A)〜(B), (C)〜(D), (E)〜(F), (G)〜(I), (J)〜(M) の5階級にまとめてから表示している。北海道と秋田県のグラフの組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
(図の概要: 縦軸=相対度数(%)0〜100 の積み上げ帯グラフ4本(ア)〜(エ)。下から (A)-(B)(黒), (C)-(D), (E)-(F), (G)-(I), (J)-(M)(最も薄い)の順に積み上げ。各帯の累積境界のおおよその値は次のとおり。
正解:⑤
考え方:4本の帯グラフは特徴がはっきり異なるので、判別しやすい階級の相対度数を1つか2つ計算すれば足りる。北海道は大規模経営体が多いことが表から明らかなので (J)〜(M) の割合を、秋田県は最下段 (A)〜(B) の割合を計算する。
北海道:(J)〜(M) の度数の合計と相対度数は
(J)〜(M) が 4 割以上を占めるのは(エ)だけである(他は 2% 以下)。よって北海道は(エ)。
秋田県:(A)〜(B) の相対度数は
最下段が約 9% なのは(ウ)である((ア)約30%、(イ)約15%)。念のため (C)〜(D) も計算すると
で、累積 9.0 + 36.2 = 45.2% となり(ウ)の「9→45%」と一致する。よって秋田県は(ウ)。
参考までに4道県の5階級の相対度数(%)をまとめると次のようになる。
| (A)-(B) | (C)-(D) | (E)-(F) | (G)-(I) | (J)-(M) | グラフ | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 3.4 | 6.5 | 6.0 | 40.3 | 43.7 | (エ) |
| 秋田県 | 9.0 | 36.2 | 28.2 | 24.7 | 1.9 | (ウ) |
| 茨城県 | 15.2 | 48.2 | 23.1 | 12.7 | 0.8 | (イ) |
| 長野県 | 29.9 | 52.8 | 11.2 | 5.6 | 0.5 | (ア) |
誤答の見分け方:①・②は北海道を(ウ)としたもの。北海道は 10ha 以上((I)〜(M))だけで 25285 件と全体の 6 割を超えており、(J)〜(M) が 2% の(ウ)ではありえない。③・④は秋田県を(ア)(イ)としたもので、最下段 (A)〜(B) の割合(約30%・約15%)が秋田の 9.0% と合わない。
次の図は、各月におけるアジアおよび北アメリカからの訪日外客数(左図、千人)および訪日外客数の前年同月比伸び率(右図、%)を2013年1月から2015年12月までプロットしたものである。ただし伸び率は、増減がないときに0%となるように定義する。
(図の概要: 左図は横軸=年.月(2013.01〜2015.12)、縦軸=訪日外客数(千人)0〜1600。アジア計(○)は 2013年初 約500 から季節変動を伴いつつ増加し、2015年には 1200〜1600 に達する。北アメリカ計(●)は全期間を通じて約50〜120 でほぼ横ばい。両者の差は拡大している。
右図は横軸=年.月、縦軸=前年同月比伸び率(%)−10〜80。アジア計(○)は 2013年初の約−5% から大きく変動しながら上昇し、2015年には 30〜72% の範囲。北アメリカ計(●)は 5〜25% の範囲で推移し、常にアジア計より低い。)
資料: 日本政府観光局(JNTO)
2014年8月と2015年8月の訪日外客数(アジアおよび北アメリカの合計)はそれぞれ 995(千人)および 1668(千人)であった。2015年8月の訪日外客数(アジアおよび北アメリカの合計)の前年同月比伸び率(%)はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:前年同月比伸び率は「増減がないときに 0%」となるように定義されているので、
である。分母は前年(基準時点)の値であることに注意する。
計算:
最も近い 68 が答えである。
誤答の見分け方:① 40 は増加分 673 を今年の値 1668 で割った値(673/1668 ≈ 40.3%)で、分母を取り違えた誤り。④ 72 や ⑤ 74 は右図のアジア計の 2015 年のピーク付近の値で、図から読み取ろうとすると引っかかる。合計の伸び率は必ず与えられた数値から計算する。
次の記述Ⅰ〜Ⅲはこれらの図に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
Ⅰ(誤り):月次データに季節性があるとき、前期比(前月比)伸び率には季節変動がそのまま現れる(例:観光シーズンの月は前月比で必ず大きくプラスになる)。前年同月比なら同じ季節どうしを比べるので季節変動が打ち消され、トレンドが読み取りやすい。したがって「前年同月比より前期比が適切」は逆である。
Ⅱ(正しい):左図でアジア計は約 500 から 1200〜1600 へ大きく増加しているのに対し、北アメリカ計は 50〜120 でほぼ横ばいである。両者の差(アジア計 − 北アメリカ計)は明らかに拡大している。
Ⅲ(誤り):前年同月比伸び率は
という比率であり、各系列の自分自身の過去との比較である。系列の水準(人数の多さ)とは無関係で、人数が少ない系列でも伸び率が高いことは普通にある。「400 千人以上少ないから伸び率が低い」は因果関係として成り立たない。北アメリカ計の伸び率が低いのは、北アメリカからの訪日客の増加ペース自体が緩やかだからである。
誤答の見分け方:④・⑤はⅢを正しいとしたもの。「差が大きい」(人数の話)と「伸び率が低い」(比率の話)は別の概念であり、混同しないこと。
訪日外客数(アジア計)のコレログラムとして、次の①〜④のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: いずれも横軸=時間差(月)0〜12、縦軸=自己相関係数 −1.0〜1.0。
①: ラグ0で1.0、以後 0.9, 0.8, 0.75, 0.65, 0.55, 0.45, 0.35, 0.3, 0.2, 0.15, 0.05, 0.02 と単調にゆっくり減衰し、すべて正(トレンドのある系列)。
②: ラグ0で1.0、ラグ1で −0.9、ラグ2で 0.8、ラグ3で −0.75、… と正負を交互に繰り返しながら減衰。
③: ラグ0で1.0のみで、ラグ1以降はすべてほぼ0(ホワイトノイズ)。
④: ラグ0, 4, 8, 12 で1.0、その他のラグはほぼ0(周期4の系列)。)
正解:①
考え方:コレログラムは、時間差(ラグ) ごとの自己相関係数
を棒グラフにしたものである。アジア計の訪日外客数は 3 年間で約 3 倍に増える強い上昇トレンドを持つ。トレンドのある系列では、平均より大きい値(後半)の近くには同じく大きい値が、小さい値(前半)の近くには小さい値が並ぶため、どのラグでも自己相関は正で大きく、ラグが伸びるにつれてゆっくり減衰する。これが図①の形である。
| 図 | コレログラムの形 | 対応する系列 |
|---|---|---|
| ① | 正の値がゆっくり単調減衰 | トレンド(上昇・下降)のある系列 |
| ② | 正負が交互に現れて減衰 | 1期ごとに上下を繰り返す系列(負の自己相関) |
| ③ | ラグ1以降ほぼ0 | ホワイトノイズ(規則性のない系列) |
| ④ | ラグ4, 8, 12 で 1.0 | 周期4の完全な周期系列 |
誤答の見分け方:④は季節性(周期)を意識して選びやすいが、月次データの季節性なら山はラグ 12 に現れるはずで、ラグ 4 で 1.0 になる形は四半期周期の系列である。また、アジア計にはトレンドがあるので、周期以外のラグで自己相関が 0 になることもない。③は無相関の系列、②は毎月増減を繰り返す系列であり、単調増加するアジア計には当てはまらない。
次の図は、1991年から2015年までの各年における日本のコーヒー小売価格(米ドルに換算した1ポンド当たりの価格、1ポンドは約454g、以下「価格」)を縦軸に、前年の世界のコーヒー総生産量(単位は100万袋、1袋は60kg、以下「生産量」)を横軸にとって作成した散布図である。
(図の概要: 横軸=世界総生産量(100万袋)90〜150、縦軸=1ポンド当たりの小売価格(米ドル)6〜18、25点。生産量 87〜105 の点は価格 12〜18 の高い群((93, 17.7) が最高、(87, 15.2), (91, 14.7), (99, 14.6), (103, 14.2), (100, 13.5), (101, 12.6), (93, 11.9) など)、生産量 105〜152 の点は価格 5.5〜9 の低い群((105, 8.8), (108, 8.1), (111, 8.2), (113, 8.6), (116, 8.2), (123, 8.2), (123, 8.3), (129, 8.1), (128, 6.4), (134, 6.1), (140, 7.4), (148, 7.6), (149, 6.1), (148, 5.6), (152, 5.7) など)。例外として (109, 15.3) と (131, 12.9) が高価格側にある。全体として明確な右下がりの強い負の相関。)
資料: 国際コーヒー機関 (ICO)
価格と生産量の間の相関係数の値として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:散布図から相関係数を推定するときは、符号(右上がりか右下がりか)と絶対値(点が直線にどれだけ近いか)の2段階で絞る。
符号:生産量が多い年ほど価格が低い右下がりの散布図なので、相関係数は負である。①②③は除外できる。
絶対値:残る候補は −0.794 と −0.994。相関係数の絶対値が 0.99 を超えるのは、全点がほぼ一直線上に並ぶ場合に限られる。この散布図は右下がりの傾向は明確だが、
ので、直線からの散らばりがかなりある。したがって −0.794 が適切である。
誤答の見分け方:⑤ −0.994 は「負の相関が強そう」という印象だけで選びやすい。0.99 級の相関は「定規で線が引ける」ほど点が並んでいるときだけと覚える。③ 0.094 はほぼ無相関で、明確な右下がりの図には合わない。
この散布図を描いたときと同じデータを用いて単回帰モデル
を最小二乗法で推定し、上記の散布図に回帰直線を実線として書き加えた。このときのグラフとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: いずれも同じ散布図(横軸=生産量 90〜150、縦軸=価格 6〜18)に直線を引いたもの。
①: 生産量90で約10、150で約6.5 の緩い右下がりの直線(低価格群の点を通り、高価格群の点はすべて直線の上側)。
②: 生産量90で約15、150で約5.5 の右下がりの直線(散布図のほぼ中央 (120, 10) 付近を通り、上下の点がバランスよく分かれる)。
③: 生産量90で約13、140で約5 の右下がりの直線(②より下に位置し、右端で6を下回る)。
④: 生産量90で約15、150で約12 の非常に緩い右下がりの直線(高価格群の点のみを通り、低価格群はすべて直線の下側)。
⑤: 生産量90で約17、150で約7 の右下がりの直線(②より上に位置し、ほとんどの点が直線の下側)。)
正解:②
考え方:最小二乗法による回帰直線には次の性質がある。
判定:散布図の重心は、生産量がおよそ 115〜120、価格がおよそ 10 の付近にある(高価格群8点と低価格群15点+例外2点を平均するイメージ)。この付近を通り、上下に点がバランスよく分かれているのは②だけである。
実際、〔3〕で与えられる傾きの推定値 −0.1451 を使うと、②の直線は生産量が 90 から 150 まで 60 増えるとき価格が
下がることになり、②(90 で約 15、150 で約 5.5、差約 9.5)の傾きと整合する。
誤答の見分け方:
最小二乗法による式 (A) の傾きの推定値は −0.14510、その標準誤差は 0.02316 であった。誤差項は互いに独立で同じ正規分布に従うと仮定する。このとき、傾きが0であるという帰無仮説に対する検定を行うための検定統計量の値と検定統計量の分布の組合せとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:単回帰の回帰係数 に関する帰無仮説 の検定統計量は
で、誤差項が独立に同じ正規分布に従うとき、帰無仮説のもとで自由度 n − 2 の t 分布に従う。自由度が n − 2 になるのは、切片と傾きの2つのパラメータを推定するために誤差分散の推定で自由度を2つ失うからである。
計算:
データは 1991 年から 2015 年までの 25 年分なので 、自由度は
よって「検定統計量 −6.27、自由度 23 の t 分布」の⑤が正しい。
参考(検定の結論):付表より自由度 23 の t 分布の上側 2.5% 点は 2.069、上側 0.5% 点は 2.807 である。|t| = 6.27 はいずれも大きく上回るので、有意水準 5% でも 1% でも帰無仮説「傾き = 0」は棄却され、生産量は価格に対して有意な(負の)効果を持つといえる。
誤答の見分け方:−5.27、−7.27 は割り算の計算ミスを想定したもの(0.02316 × 6 = 0.139、0.02316 × 7 = 0.162 なので、0.1451 は 6 倍と 7 倍の間で 6 寄り)。自由度 25 は n、自由度 24 は n − 1 で、いずれも回帰の自由度の取り方を誤ったもの。「1991年から2015年まで」を 24 年と数えないよう注意(2015 − 1991 + 1 = 25)。
標本調査に関する記述として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:各抽出法の「目的(何を節約するか)」と「精度への影響」を整理して、記述を1つずつ検討する。
| 抽出法 | やり方 | 長所 | 短所・注意 |
|---|---|---|---|
| 単純無作為抽出 | 母集団全体から等確率で抽出 | 理論の基本、偏りなし | 名簿(抽出枠)が必要、コスト大 |
| 層別抽出 | 母集団を層に分け、各層から抽出 | 層内が均質なら精度が上がる | 層内はなるべく均質、層間は異質に分ける |
| 集落(クラスター)抽出 | 集落を無作為に選び、その全員を調査 | 時間・費用を節約 | 集落内が似ていると精度が落ちる |
| 多段抽出 | 市→地区→世帯のように段階的に抽出 | 広域調査で費用を節約 | 段数が増えるほど誤差は大きくなりがち |
| 系統抽出 | 名簿から等間隔に抽出 | 簡便 | 名簿に周期性があると偏る |
①(誤り):多段抽出は各段で抽出誤差が積み重なるので、段数が増えるほど一般に精度は低下する。段数を増やすのは費用や手間を節約するためであり、精度のためではない。
②(誤り):層別抽出で精度が上がるのは、層内の散らばりが小さく(均質)、層間の違いが大きいときである。「各層内の散らばりが母集団と同じ」なら層に分ける意味がなく、単純無作為抽出と変わらない。
③(誤り):単純無作為抽出は「母集団のすべての要素が等しい確率で選ばれる」ことが条件である。繁華街にいる人は「その時間にその場所に来た人」に限られ、街全体の住民のうち来ない人には選ばれる確率がない。乱数表で選んでも、抽出枠が母集団と一致していないので単純無作為抽出にはならない。
④(正しい):集落抽出は選んだ集落(学校・地域など)の全員を調べるので、移動や名簿作成の手間が省けて時間と費用を節約できる。一方、同じ集落内の人は似た性質を持ちやすく、実質的な情報量が減るため、同じ標本サイズの単純無作為抽出より精度が落ちることがある。
⑤(誤り):対象者に次の対象者を紹介してもらう方法(雪だるま式抽出)は、紹介者の知人という偏った集団に標本が集中し、無作為性が失われる。回答率が上がっても標本に偏りがあれば精度(推定の正しさ)は向上しない。「必ず」という表現も誤り。
2種類のコイン A, B の重さを両側天秤ばかりで量ることを考える。コイン A の重さを 、コイン B の重さを とし、いずれも未知であるとする。A と B の両方を天秤の片側に乗せると2つのコインの合計の重さ が、A と B のそれぞれを天秤の両側に別々に乗せるとコインの重さの差 が計測される。ただし と は誤差を含んでおり、平均0、分散 の独立な確率変数 , を用いて
と表されるものとする。これら と の和と差を2で割ることで、A と B の重さをそれぞれ推定することができる。
このとき、B の重さの推定量の分散はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:まず「B の重さの推定量」を X, Y の式で具体的に書き、それを誤差 , の線形結合に直す。定数 a, b は分散に影響しないので、残るのは独立な誤差の線形結合の分散だけである。
手順1:推定量を作る X と Y を足すと b が消え、引くと a が消える。
したがって B の重さの推定量は
(期待値は なので不偏推定量になっている。)
手順2:分散を計算する 定数 b は分散に無関係。 と は独立なので共分散の項は 0 で、係数は2乗して掛ける。
よって③。A の重さの推定量 の分散も同じ計算で になる。
補足:B を単独で1回だけ量る()と分散は 。2回の計測(X と Y)を組み合わせることで分散が半分に減っている。これは「B を2回量って平均をとる」のと同じ精度であり、しかも同じ2回の計測から A の推定も同時に得られる(実験計画の工夫の例)。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ① σ²/4 | (1/2)² を掛けたあと、誤差が2つあることを忘れて片方だけ数えた |
| ④ σ² | 係数 1/2 を2乗せず、V[ε₁ − ε₂] = 2σ² をそのまま 1/2 倍した値(分散は係数の2乗倍になる) |
| ⑤ 2σ² | V[X − Y] = V[ε₁ − ε₂] = 2σ² で止まり、2で割る操作を反映していない |
ある加工場では、3つの漁港 X, Y, Z で獲れた貝を仕入れている。漁港 X, Y, Z から仕入れた貝の中にはそれぞれ 10%, 5%, 2% の割合で規格外の貝が含まれることが分かっている。この工場では、貝全体の 40% を漁港 X から、30% を漁港 Y から、30% を漁港 Z から仕入れている。今、無作為に貝を1つ抽出する。
抽出した貝が規格外であり、かつ漁港 X から仕入れたものである確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:「漁港 X の貝であり、かつ規格外」は同時確率。「X から仕入れる確率」×「X の貝が規格外である条件付き確率」で求める(乗法定理)。まず設定を樹形図の形に整理しておくと〔2〕〔3〕まで一気に解ける。
| 漁港 | 仕入れ割合 P(漁港) | 規格外率 P(規格外|漁港) | 同時確率 P(漁港 ∩ 規格外) |
|---|---|---|---|
| X | 0.40 | 0.10 | 0.40 × 0.10 = 0.040 |
| Y | 0.30 | 0.05 | 0.30 × 0.05 = 0.015 |
| Z | 0.30 | 0.02 | 0.30 × 0.02 = 0.006 |
| 合計 | 1.00 | — | 0.061 |
計算手順
よって④。
誤答の見分け方:① 0.01 や ⑤ 0.05 は「10%」「5%」といった規格外率を仕入れ割合で重み付けせずにそのまま使ったもの。同時確率は必ず「仕入れ割合 × 規格外率」の積になる。
抽出した貝が規格外である確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:規格外の貝は「X 経由」「Y 経由」「Z 経由」のいずれかであり、これらは互いに排反。したがって〔1〕の表の同時確率の列を全部足せばよい(全確率の公式)。
計算手順
よって③。
誤答の見分け方:② 0.04 は X の分だけで止まった値。⑤ 0.10 は X の規格外率をそのまま答えたもの。3つの漁港の規格外率 10%, 5%, 2% の「仕入れ割合による加重平均」が答えなので、2%〜10% の間、かつ X の比重が大きいので 5% 強、と見当がつく。
抽出した貝が規格外であるという条件の下で、それが漁港 X から仕入れたものである確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:「規格外だった」という結果から「どの漁港から来たか」の確率を求める、典型的なベイズの定理の問題。条件付き確率の定義に戻ると、分子は〔1〕の同時確率、分母は〔2〕の全確率である。
計算手順
よって②。
意味の確認:何も情報がなければ X の貝である確率は 0.40 だが、「規格外である」と分かると 0.66 に上がる。X は規格外率が最も高い漁港なので、規格外という情報は「X らしさ」を強める方向に働く。この「事前確率 0.40 → 事後確率 0.66」という更新がベイズの定理の意味である。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ① 0.56 | 分母を 0.061 ではなく 0.07 前後(規格外率の単純平均 0.057 等)と誤った場合に近い値 |
| ③ 0.76 | 分母を X と Y の分だけ 0.055 として 0.040/0.055 = 0.73 とした場合などに近い値 |
| ⑤ 0.96 | 分母を「X の規格外でない確率」などと取り違えた値。条件付き確率が 0.4(事前)からこれほど跳ね上がることは、規格外率の差(10% 対 5%, 2%)からみて不自然 |
将棋の名人戦では、名人と挑戦者が七番勝負(最大7回の対局)を行い、先に4勝した方が勝者となり、対局が終了する。20XX年は名人 A と挑戦者 B が戦うこととなった。ただし、1回の対局で名人 A が挑戦者 B に勝つ確率を 0.7、挑戦者 B が名人 A に勝つ確率を 0.3 とし、引き分けは無いものとする。また、各対局における勝敗は独立であるとする。
対局が第5局(5戦目)で終了し、かつ勝者が名人 A となる確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:「第5局で A が勝者になる」とは、第4局までに A が3勝1敗で、第5局で A が勝つことである。第5局の結果は「A の勝ち」に固定されているので、順番を自由に並べられるのは第4局までの4局だけ、という点が最大の注意点。A が第4局までに4連勝していたら第4局で終了してしまうので、その並びは含めない。
手順1:第4局までの並び 4局のうち B が勝つ1局の位置は 4通り(第1〜4局のどれか)。
手順2:第5局で A が勝つ 独立なので 0.7 を掛ける。
よって①。
並びで確認:該当する勝敗の列は次の4通りで、どれも確率は 。
| 第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 |
|---|---|---|---|---|
| B | A | A | A | A |
| A | B | A | A | A |
| A | A | B | A | A |
| A | A | A | B | A |
「A A A A B」は第4局で終了するので存在しない。4 × 0.07203 = 0.28812。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ④ 0.41 | 第4局までの 0.4116 で止まり、第5局の勝ち 0.7 を掛け忘れた |
| ③ 0.37 | 「5局中 A が4勝」を と数えた。第4局で終わる並び「A A A A B」を誤って含めている |
| ② 0.33 | 「第5局で終了」(A が勝者 0.288 + B が勝者 0.023 = 0.311)に近い値。「かつ勝者が A」の条件を落とした |
対局が第7局(7戦目)で終了する確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:第7局までもつれるのは「第6局終了時点で 3勝3敗」のとき、そのときに限る。3勝3敗なら第7局で必ず決着する(どちらが勝っても4勝目)ので、第7局の結果は掛けなくてよい。したがって求める確率は「6局で A が3勝3敗になる確率」そのものである。
計算手順 6局のうち A が勝つ3局の選び方は 通り。
よって⑤。
この「6局で 3勝3敗」の並びの中には、第4局・第5局で決着してしまうものは含まれていない(どちらかが4勝に達していれば 3勝3敗にはならない)ので、〔1〕のような「先に終わる並びの除外」は自動的に済んでいる。
検算:何局で終わるかの分布を全部書くと合計が 1 になる。
| 終了局 | A が勝者 | B が勝者 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 第4局 | 0.7⁴ = 0.2401 | 0.3⁴ = 0.0081 | 0.2482 |
| 第5局 | ₄C₃·0.7³·0.3·0.7 = 0.2881 | ₄C₃·0.3³·0.7·0.3 = 0.0227 | 0.3108 |
| 第6局 | ₅C₃·0.7³·0.3²·0.7 = 0.2161 | ₅C₃·0.3³·0.7²·0.3 = 0.0397 | 0.2558 |
| 第7局 | ₆C₃·0.7³·0.3³·0.7 = 0.1297 | ₆C₃·0.7³·0.3³·0.3 = 0.0556 | 0.1852 |
| 合計 | 0.8740 | 0.1260 | 1.0000 |
第7局の行の合計 0.1852 が答えと一致し、全体の合計も 1 になっている。
誤答の見分け方:③ 0.11 や ② 0.07 に近い値として、0.1852 × 0.7 = 0.13(第7局で A が勝つ)や 0.1852 × 0.3 = 0.056(第7局で B が勝つ)がある。設問は「第7局で終了する」であって勝者を問うていないので、第7局の結果を掛けてはいけない。
確率変数 は平均0、分散 の正規分布に従い、確率変数 は平均0、分散 の正規分布に従うとし、 と は互いに独立とする。ここで、、 とおく。
確率変数 と の相関係数はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:相関係数は 。U, V はどちらも X, Y の線形結合なので、共分散の双線形性と「X, Y が独立 ⇒ Cov[X,Y]=0」を使って部品を計算する。
手順1:U, V の分散 独立なので分散は足す(引き算でも足す)。
手順2:U と V の共分散 分配法則のように展開する。
(平均が 0 なので と計算しても同じ。)
手順3:相関係数
よって④。
誤答の見分け方
| 選択肢 | 誤りの理由 |
|---|---|
| ① 0 | σ₁² = σ₂² の特別な場合だけ 0 になる。一般には 0 ではない |
| ② 1/2 | 分散に依存しない定数になる根拠がない |
| ③ | 分子が和、分母が積。σ₁² = σ₂² = 1 とすると 2 になり、相関係数の範囲 −1〜1 を超えるので即除外 |
| ⑤ | 分母の √(V[U]V[V]) = σ₁² + σ₂² を 2(σ₁² + σ₂²) と誤ったもの(V[U] + V[V] を分母にした形) |
次の記述Ⅰ〜Ⅲは確率変数 と に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:〔1〕で求めた平均・分散・共分散をもとに、U, V それぞれの分布と、2つの関係(独立かどうか)を確かめる。鍵は「独立な正規分布の線形結合はやはり正規分布」であること、および「正規分布どうしでは無相関と独立が同値」であること。
Ⅰ(正しい) 期待値は線形。
どちらも 0 で等しい。
Ⅲ(正しい) X, Y は独立な正規分布なので、その線形結合 U, V も正規分布に従う。平均と分散が同じ正規分布は同じ分布である。
σ₁², σ₂² の値が何であっても、平均 0・分散 σ₁² + σ₂² の同じ正規分布になる。
Ⅱ(正しい) 〔1〕より 。
したがって「σ₁² = σ₂² のとき、かつそのときに限り独立」であり、Ⅱの「のみ」も含めて正しい。
以上よりⅠ・Ⅱ・Ⅲすべて正しく、⑤。
誤答の見分け方:Ⅱを誤りと判断してしまう典型は「無相関 ≠ 独立」という一般論だけで切ってしまうこと。正規分布という前提があるので、ここでは無相関から独立が導ける。Ⅲを誤りと判断する典型は「U と V は相関があるのだから別の分布だろう」という混同。「同じ分布に従う」は各変数の周辺分布の話であり、2つの変数の間に相関があっても周辺分布は一致しうる。
確率変数 は互いに独立に標準正規分布に従うものとし、
とする。
となる確率が 0.05 となるような の値として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:独立な標準正規変数の2乗和 は自由度 n のカイ二乗分布に従う。 は自由度1のカイ二乗分布なので、その上側 5% 点を付表3から読めばよい。
手順1:分布の特定
手順2:付表3を引く 自由度 ν = 1、上側確率 α = 0.05 の欄より、
よって④。
別解(標準正規分布表で確認) は と同じことなので、標準正規分布の両側確率に直せる。
(付表1より上側確率 0.025 に対応する u は 1.96。)付表3の 3.84 と一致する。
誤答の見分け方
| 選択肢 | 正体 |
|---|---|
| ① 1.64 | 標準正規分布の上側 5% 点(片側)。2乗していない |
| ② 1.96 | 標準正規分布の上側 2.5% 点(両側 5%)。2乗する前の √w の値 |
| ③ 2.71 | 自由度1のカイ二乗分布の上側 10% 点(= 1.64²)。片側 5% を両側扱いにして誤読した値 |
| ⑤ 5.02 | 自由度1のカイ二乗分布の上側 2.5% 点(= 2.24²) |
となる確率が 0.05 未満となるような最小の はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:。「」は、「2n が自由度 n のカイ二乗分布の上側 5% 点 より大きい」ことと同じである(上側 5% 点より右にある値の上側確率は 5% 未満)。したがって付表3の α = 0.05 の列と 2n を自由度ごとに比較すればよい。
計算手順 付表3(α = 0.05 の列)より選択肢の n について比較する。
| n | 2n | χ²₀.₀₅(n)(付表3) | 2n > χ²₀.₀₅(n)? | P(Wₙ ≥ 2n) |
|---|---|---|---|---|
| 3 | 6 | 7.81 | いいえ | 0.05 より大きい |
| 7 | 14 | 14.07 | いいえ(わずかに届かない) | 0.05 よりわずかに大きい |
| 8 | 16 | 15.51 | はい | 0.05 未満 |
| 13 | 26 | 22.36 | はい | 0.05 未満 |
| 18 | 36 | 28.87 | はい | 0.05 未満 |
| 30 | 60 | 43.77 | はい | 0.05 未満 |
n = 3 では 2n = 6 が上側 5% 点 7.81 に届かず、確率は 0.05 を超える。n = 8 では 2n = 16 が 15.51 を超えるので確率は 0.05 未満になる。n = 7 では 14 < 14.07 でぎりぎり条件を満たさないので、条件を満たす真の最小値も 8 である。よって②。
なぜ n が大きいほど条件を満たしやすいか 、 なので、2n は平均から標準偏差の 倍だけ右にある。n が大きいほどこの倍率が大きくなり、2n を超える確率は小さくなる。だから「最小の n」を探す問題として成立している。
正規近似での目安:n = 8 なら で、付表1より P(Z ≥ 2) = 0.0228 < 0.05。ただし n が小さいカイ二乗分布は右に歪んでいて正規近似は粗い(n = 7 では近似だと 0.05 未満に見えるが、実際は表のとおりわずかに超える)ので、最終判断は付表3で行う。
誤答の見分け方:① 3 は「χ²(3) の 5% 点 7.81 と 2n = 6」の大小を逆に読んだもの。③④⑤ は条件を満たすが「最小」ではない。選択肢の中で条件を満たす最小のものを答える問題なので、条件を満たす n をすべて確認したうえで最小を選ぶ。
ある都道府県で、喫茶店を営む事業所の年間売上高の母平均を調べるため、標本調査を行うことにした。この都道府県には喫茶店を営む事業所が 5,000 事業所以上あり、過去の調査で年間売上高の母変動係数は 0.4 と分かっているとする。95%の確率で年間売上高の平均の相対誤差(誤差率、(推定値 − 真値)/真値)を ±5% 以下に抑えるには少なくとも何事業所調査すればよいか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:標本サイズの決定問題である。標本平均 の標準誤差は なので、母集団が十分大きければ(5,000 以上なので有限母集団修正は不要)、95%の確率で誤差 | − μ| が e 以下になる条件は
である。ここでは「相対誤差 ±5%」なので、両辺を μ で割って変動係数 で書き直す。
計算:付表より、標準正規分布の上側 2.5% 点は 1.96(両側で 95%)。
したがって少なくとも 246 事業所必要である。選択肢のうち 246 以上で最小のものは 260 事業所なので ④。
誤答の見分け方:
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ③ 210 | 245.86 を「およそ 250」と丸めて、それより小さい 210 を選ぶと精度が足りない。「少なくとも」なので必要数を上回る最小の選択肢を選ぶ |
| ② 160 | 1.645(片側 5% 点)を使うと (1.645×0.4/0.05)² = 173 となり、これでも 160 では不足。両側 95% は 1.96 |
| ① 110 | 2乗を忘れる、または 1.96 を掛け忘れると (0.4/0.05)² = 64 などの小さい値になる |
NHK による2015年国民生活時間調査によると、無作為に抽出された小学生333人の平日の睡眠時間の平均は8時間35分、標準偏差は1時間2分であった。
小学生333人の平日の平均睡眠時間(分単位)の標準誤差はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:標本平均の標準誤差(standard error)は「標本平均の標準偏差」であり、標準偏差 s、標本サイズ n に対して
である。分単位にすると 1時間2分 = 62 分、n = 333 なので
よって ④。
誤答の見分け方:① √62 と ③ √62/√333 は「標準偏差=分散の平方根」を二重に取った形(62 はすでに標準偏差)。② 62 は個々の睡眠時間の標準偏差であって平均の標準誤差ではない。⑤ 62/333 は分散 62² を n で割った値 62²/333 を平方根せず、かつ桁が合っていない。
全国の小学生の平均睡眠時間(母平均)を μ とする。μ の90%信頼区間として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:n = 333 は十分大きいので、母分散未知でも標本標準偏差を代用して正規近似で信頼区間を作ってよい(t 分布の自由度 332 の値も付表の ∞ 行とほぼ同じ 1.645 である)。90% 信頼区間は
計算:付表より標準正規分布の上側 5% 点は 1.645(Q(1.64) = 0.0505、Q(1.65) = 0.0495 の中間)。〔1〕より標準誤差は 3.40 分。8時間35分 = 515 分。
509.4 分 = 8時間29.4分、520.6 分 = 8時間40.6分。したがって [8時間29分, 8時間41分] の ⑤ が最も近い。
誤答の見分け方:
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ① ±122分 | 515 ± 1.96×62:標準誤差ではなく標準偏差 62 をそのまま使い、さらに 95% の 1.96 を使った |
| ② ±102分 | 515 ± 1.645×62:標準偏差 62 を √n で割り忘れた |
| ③ ±23分 | 1.645×√(62²/333)… ではなく、標準誤差を約 14 と誤るなど計算ミス。幅が 46 分は広すぎる |
| ④ [8:16, 8:34] | 中心が 8時間25分で、標本平均 8時間35分を含まない。信頼区間は必ず標本平均を中心にとる |
次の記述Ⅰ〜Ⅲは μ の推定および信頼区間に関するものである。
Ⅰ. 平均睡眠時間の調査結果(8時間35分)は、μ の不偏推定値である。
Ⅱ. μ の95%信頼区間の幅は、90%信頼区間の幅よりも狭い。
Ⅲ. 333人の調査結果の中からさらに111人の結果を無作為に抽出して作成された μ の90%信頼区間の幅は、333人の調査結果から求められた90%信頼区間の幅のおよそ3倍になる。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
Ⅰ(正しい):無作為標本の標本平均 は を満たすので、μ の不偏推定量である。その実現値 8時間35分は不偏推定値である。
Ⅱ(誤り):信頼区間の幅は 。95% では z = 1.96、90% では z = 1.645 なので、95% 信頼区間の方が広い。信頼係数を上げるほど区間は広がる。
Ⅲ(誤り):幅は に比例する。n を 333 から 111 へ 1/3 にすると
倍になるのであって、3 倍にはならない。
したがってⅠのみ正しく、①。
同じ調査で、無作為に抽出された中学生359人の平日の睡眠時間の平均は7時間48分、標準偏差は1時間40分であった。全国の小学生と中学生の睡眠時間の分散(母分散)が等しいかどうかを検定したい。小学生と中学生の睡眠時間が独立に正規分布に従っていると仮定し、中学生の睡眠時間の不偏分散を小学生の睡眠時間の不偏分散で割った F 統計量を用いて仮説検定を行うとき、F 統計量の分布の自由度はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:正規母集団から独立に取った2標本の不偏分散 (標本サイズ )について、母分散が等しい()とき
となる。自由度は「分子の自由度、分母の自由度」の順に書く。
計算:分子は中学生(n = 359)なので自由度 359 − 1 = 358、分母は小学生(n = 333)なので自由度 333 − 1 = 332。よって (358, 332) の ②。
誤答の見分け方:③〜⑤は「n − 1 を忘れた」パターン。分子・分母の順序を逆にした (332, 358) は選択肢にないが、問題文の「中学生を小学生で割る」を読み落とさないこと。① (1, 1) は一元配置分散分析の群数などと混同したもの。
次の2元クロス集計表は、12〜18歳の男女合計100人に、菓子 A が好きかどうかを尋ねたアンケートの結果をまとめたものである。性別によって菓子 A の好みに違いがあるかどうかを調べるため、独立性の検定を行いたい。
| A が好き | A が嫌い | |
|---|---|---|
| 男子 | 19 | 30 |
| 女子 | 8 | 43 |
男子で菓子 A が好きであると答える期待度数として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:独立性の検定では、「性別と好みが独立」という帰無仮説のもとでの期待度数を
で求める。まず周辺度数を書き足す。
| A が好き | A が嫌い | 計 | |
|---|---|---|---|
| 男子 | 19 | 30 | 49 |
| 女子 | 8 | 43 | 51 |
| 計 | 27 | 73 | 100 |
計算:男子の合計 49、「A が好き」の合計 27、総数 100 なので
よって ①。
誤答の見分け方:選択肢はすべて他のセルの期待度数である。② 13.77 = 51×27/100(女子・好き)、④ 35.77 = 49×73/100(男子・嫌い)、⑤ 37.23 = 51×73/100(女子・嫌い)。③ 23.23 は該当セルなし。「どのセルを聞かれているか」を取り違えないこと。
参考(検定統計量まで計算すると):
付表より χ²(1) の上側 5% 点は 3.84、上側 1% 点は 6.63 なので、有意水準 5% でも 1% でも「性別と好みは独立」という帰無仮説は棄却される。
独立性の検定の棄却域を求めるときのカイ二乗分布の自由度はいくつか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:r 行 c 列のクロス集計表に対する独立性の検定の自由度は
である。周辺度数(行計・列計)を固定すると、自由に決められるセルの個数がこれになる。
計算:2 行 2 列なので (2 − 1)(2 − 1) = 1。よって ②。
誤答の見分け方:⑤ 4 はセル数 rc、④ 3 はセル数 − 1(rc − 1、これは適合度検定で「カテゴリ数 − 1」とする場合の考え方)と混同したもの。独立性の検定は周辺度数を推定に使う分、さらに自由度が減って (r−1)(c−1) になる。
コンビニエンスストアチェーン X 社は、ある都市の4つの異なる地域で5店舗ずつ計20店舗を展開している。地域ごとの売上げの違いを調べるため、昨年度の売上げデータを用いて地域を要因とする一元配置分散分析を行った結果、次の表を得た。
分散分析表
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 | P(> F) |
|---|---|---|---|---|---|
| 地域 | 0.2204 | (ア) | (ウ) | (オ) | 0.0405 |
| 残差 | 0.3370 | (イ) | (エ) |
この20店舗の売上げの標本分散(不偏分散)はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:分散分析では全変動が「要因(群間)平方和」と「残差(群内)平方和」に分解される。
総平方和は そのものなので、全 20 店舗の不偏分散は総平方和を N − 1 = 19 で割ればよい。
計算:
よって ①。
誤答の見分け方:④ 0.5574 は総平方和のまま(19 で割っていない)。② 0.0728 = 0.2204/3 は「地域」の平均平方(ウ)で、〔2〕の値と混同したもの。③ 0.0945 ≈ 0.5574/5.9 などの計算ミス。⑤ 6.0532 は桁違い。
表の(ア)〜(オ)にあてはまる値の組合せとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:一元配置分散分析表の各欄は次の関係で埋まる(群数 k、総データ数 N)。
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F 値 |
|---|---|---|---|---|
| 要因(群間) | SSA | k − 1 | MSA = SSA/(k − 1) | F = MSA/MSE |
| 残差(群内) | SSE | N − k | MSE = SSE/(N − k) | |
| 全体 | SST = SSA + SSE | N − 1 |
計算:k = 4 地域、N = 20 店舗。
よって ⑤。自由度の合計 3 + 16 = 19 = N − 1 になっていることも確認できる。
誤答の見分け方:
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ①〜③(ア)4 | 群数 k をそのまま自由度にした。正しくは k − 1 |
| ②③(イ)19 | 残差自由度を N − 1 とした。N − 1 は「全体」の自由度で、残差は N − k |
| ④(オ)0.280 | F を MSE/MSA と逆に割った。F は必ず「要因の平均平方 ÷ 残差の平均平方」で、P 値 0.0405 が 5% を下回っているのだから F は 1 よりずっと大きいはず |
P 値との整合:付表より F0.05(3, 15) = 3.287、F0.05(3, 20) = 3.098 なので F0.05(3, 16) はおよそ 3.24。F = 3.488 はこれを超えているので P 値 < 0.05 となり、表の 0.0405 と整合する。
この4つの地域における売上げの母平均をそれぞれ μ₁, μ₂, μ₃, μ₄ とする。上の分散分析表に基づき有意水準5%で検定を行ったときの記述として、次の①〜④のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:一元配置分散分析の仮説は
である。「すべてが異なる」を対立仮説にすることはできない(H₀ の否定は「少なくとも1組は等しくない」であって「すべて違う」ではない)。したがって ③④ は仮説の立て方の時点で誤り。
判定:表の P 値は 0.0405 で有意水準 0.05 より小さい。また〔2〕で求めた F = 3.488 は F0.05(3, 16) ≈ 3.24(付表の (3,15)=3.287 と (3,20)=3.098 の補間)より大きい。どちらで見ても帰無仮説は棄却され、「4 地域の平均のうち少なくとも1つは異なる」と結論できる。よって ①。
誤答の見分け方:② は P 値 0.0405 > 0.05 と誤読したもの(0.0405 は 0.05 より小さい)。③ は仮説も結論も誤りで、分散分析は「どの地域が」「すべてが」異なるとは言えない。
Benjamin F. Jones and Bruce A. Weinberg (2011, "Age dynamics in scientific creativity," PNAS, 108(47), 18910–18914) は、ノーベル賞(物理学、化学、生理学・医学)の受賞者525人のデータを用いて以下のような重回帰モデルを推定し、検証した。
ここで「最盛期年齢」はノーベル賞受賞者が最も盛んに研究を行っていた年齢(推計値)、「最高学位取得年齢」は最高学位(通常は博士号)を取得した年齢、「理論研究ダミー」はノーベル賞の対象となった研究が理論研究の場合に1、応用研究の場合に0をとるダミー変数である。統計ソフトウェアを利用して、「最盛期年齢」、「最高学位取得年齢」、「理論研究ダミー」に対応する変数 Age, PhDAge, Theoretical を作成し、上記の重回帰モデルを推定したところ、次のような出力結果が得られた。なお出力結果の (Intercept) は定数項 α を意味している。
出力結果
Call:
lm(formula = Age ~ PhDAge + Theoretical)
Residuals:
Min 1Q Median 3Q Max
-18.611 -5.915 -0.826 4.870 39.566
Coefficients:
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) 31.9271 2.8117 11.355 < 2e-16 ***
PhDAge 0.3038 0.1064 2.856 0.00446 **
Theoretical -4.4339 0.9355 -4.740 2.77e-06 ***
Residual standard error: 8.312 on 522 degrees of freedom
Multiple R-squared: 0.05745, Adjusted R-squared: 0.05384
F-statistic: 15.91 on 2 and 522 DF, p-value: 1.965e-07
この出力結果について、以下の問いに答えよ。
28歳で博士号を取得して理論物理学の研究でノーベル物理学賞を受賞する研究者が将来現れるとする。この受賞者の研究者としての最盛期年齢の推計値として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:推定された回帰式は Estimate 列を読んで
である。理論物理学の研究なので Theoretical = 1、博士号取得年齢 PhDAge = 28 を代入する。
計算:
よって 36 歳の ②。
誤答の見分け方:④ 40 歳は Theoretical = 0 のまま(ダミーを入れ忘れた)ときの 31.9271 + 8.5064 = 40.4。① 34 歳・③ 38 歳はダミー係数の符号を取り違えるなどの計算ミス。ダミー変数は「該当すれば 1」を代入して係数を丸ごと足す(引く)。
有意水準5%で有意に正となるパラメータの組合せとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:各係数について H₀: 係数 = 0 の t 検定の結果が t value と Pr(>|t|) 列である。「有意に正」なので、(1) P 値 < 0.05 で有意、かつ (2) 推定値(t 値)の符号が正、の2条件をともに満たすものを選ぶ。
| パラメータ | Estimate | t value | Pr(>|t|) | 5%で有意? | 符号 | 有意に正? |
|---|---|---|---|---|---|---|
| α (Intercept) | 31.9271 | 11.355 | < 2×10⁻¹⁶ | 有意 | 正 | ○ |
| β₁ (PhDAge) | 0.3038 | 2.856 | 0.00446 | 有意 | 正 | ○ |
| β₂ (Theoretical) | −4.4339 | −4.740 | 2.77×10⁻⁶ | 有意 | 負 | ×(有意に負) |
β₂ は有意ではあるが負なので除外する。有意に正なのは α と β₁ で ③。
t 値で確認する場合:自由度 522 は付表の ∞ 行とみなしてよく、両側 5% の限界値は t0.025(∞) = 1.960。|11.355|、|2.856|、|−4.740| はいずれも 1.960 を超えるので3つとも有意。そのうえで符号で選別する。
誤答の見分け方:① は「有意なもの」をすべて選んだもので、「正」の条件を見ていない。⑤ は定数項 α を除外したもので、問題は「パラメータ」として α も含めている。
出力結果から読み取れるノーベル賞受賞者についての情報として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:回帰係数は「他の説明変数を固定したときに、その変数が 1 増えると被説明変数(最盛期年齢)が何歳変わるか」を表す。出力結果の読み方をまとめると次のとおり。
| 出力の項目 | 意味 | この問題での読み |
|---|---|---|
| Estimate | 回帰係数の推定値 | PhDAge が 1 歳遅いと最盛期は 0.30 歳遅い。理論研究だと最盛期が 4.43 歳早い |
| Std. Error | 係数の標準誤差 | t value = Estimate ÷ Std. Error |
| t value / Pr(>|t|) | 係数 = 0 の検定統計量と P 値 | 3つとも P < 0.05 で有意 |
| Residual standard error | 残差の標準偏差(自由度 n − k − 1 = 525 − 3 = 522) | 8.312 歳 |
| Multiple R-squared | 決定係数 | 0.057:最盛期年齢の変動の約 5.7% しか説明できていない |
| Adjusted R-squared | 自由度調整済み決定係数 | 0.054 |
| F-statistic | H₀: β₁ = β₂ = 0(定数項を除く全係数が 0)の検定 | P = 1.965×10⁻⁷ で棄却 |
各選択肢の検討:
① 誤り。このモデルの被説明変数は「最盛期年齢」であり、「博士号取得年齢」を説明するものではない。理論研究者が若く博士号を取るかどうかは出力から読み取れない。
② 誤り。β₁ = 0.3038 > 0 で有意。博士号取得年齢が高いほど最盛期年齢も高くなる(若く取得した人ほど早く最盛期に達する)ので逆である。
③ 誤り。β₂ = −4.4339 < 0 なので、理論研究者の最盛期年齢は応用研究者より約 4.4 歳早い。「遅く」は逆である。
④ 誤り。β₂ の P 値は 2.77×10⁻⁶ で有意水準 5% でも 1% でも有意。「有意な差は見られない」は誤り。
⑤ 正しい。Theoretical = 1 のとき、PhDAge が同じなら最盛期年齢の推計値は 4.4339 歳小さくなる。これが有意(P = 2.77×10⁻⁶)なので、理論研究者の方が早く最盛期に達する傾向があると言える。
| 問 | 解答番号 | 正解 | 問 | 解答番号 | 正解 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 問1〔1〕 | 1 | ④ | 問9〔1〕 | 19 | ④ | |
| 問1〔2〕 | 2 | ③ | 問9〔2〕 | 20 | ⑤ | |
| 問2〔1〕 | 3 | ③ | 問10〔1〕 | 21 | ④ | |
| 問2〔2〕 | 4 | ② | 問10〔2〕 | 22 | ② | |
| 問2〔3〕 | 5 | ⑤ | 問11 | 23 | ④ | |
| 問3〔1〕 | 6 | ③ | 問12〔1〕 | 24 | ④ | |
| 問3〔2〕 | 7 | ② | 問12〔2〕 | 25 | ⑤ | |
| 問3〔3〕 | 8 | ① | 問12〔3〕 | 26 | ① | |
| 問4〔1〕 | 9 | ④ | 問12〔4〕 | 27 | ② | |
| 問4〔2〕 | 10 | ② | 問13〔1〕 | 28 | ① | |
| 問4〔3〕 | 11 | ⑤ | 問13〔2〕 | 29 | ② | |
| 問5 | 12 | ④ | 問14〔1〕 | 30 | ① | |
| 問6 | 13 | ③ | 問14〔2〕 | 31 | ⑤ | |
| 問7〔1〕 | 14 | ④ | 問14〔3〕 | 32 | ① | |
| 問7〔2〕 | 15 | ③ | 問15〔1〕 | 33 | ② | |
| 問7〔3〕 | 16 | ② | 問15〔2〕 | 34 | ③ | |
| 問8〔1〕 | 17 | ① | 問15〔3〕 | 35 | ⑤ | |
| 問8〔2〕 | 18 | ⑤ |
出典: 統計検定2級 2017年6月試験(Kindle版問題集より転記)。図はスクリーンショットから切り抜いて埋め込み。