全16問・解答番号1〜34。選択肢をクリックすると正誤判定され、「正解と解説」が開く。未解答のまま「正解と解説」を開くと不正解扱いになる。解答状態はこのブラウザに保存される。
次の表は、韓国、中国、マレーシア、フランス、米国から観光・レジャー目的で訪日した外国人の日本国内での滞在日数の相対度数分布表である。相対度数はパーセント単位で与えられている。
| 階級 | 滞在日数 | 韓国 | 中国 | マレーシア | フランス | 米国 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| (A) | 3日間以内 | 32.14 | 0.65 | 2.82 | 0.93 | 7.48 |
| (B) | 4〜6日間 | 61.30 | 54.68 | 34.86 | 5.25 | 19.07 |
| (C) | 7〜13日間 | 5.89 | 42.18 | 56.51 | 35.80 | 50.28 |
| (D) | 14〜20日間 | 0.35 | 2.04 | 4.93 | 38.27 | 18.02 |
| (E) | 21〜27日間 | 0.09 | 0.04 | 0.53 | (ア) | 2.41 |
| (F) | 28〜90日間 | 0.21 | 0.41 | 0.35 | 5.25 | 2.74 |
| (G) | 91日以上1年未満 | 0.02 | 0.00 | 0.00 | 0.62 | 0.00 |
資料: 観光庁「平成28年訪日外国人消費動向調査」
(ア)に入る数値はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:相対度数は1つの国の列で合計が100%になる。フランスの列で(ア)以外の6階級を足し、100から引けばよい。
計算:
誤答の見分け方:選択肢は 0.1 刻みなので、小数第2位まで正確に足すこと。(A) 0.93 と (G) 0.62 の小さい値を落とすと 13.98 や 14.5 前後にずれる。0.1 単位のずれは加算ミスの合図である。
上の表から読み取れる情報として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:「1週間未満」= (A)+(B)(6日間以内)、「1週間以上」= (C) 以降である。国ごとに (A)+(B) を出し、中央値は累積相対度数が50%をまたぐ階級で判断する。
| 国 | (A)+(B) 1週間未満(%) | 累積が50%をまたぐ階級(中央値の階級) |
|---|---|---|
| 韓国 | 32.14+61.30=93.44 | (B)(累積 93.44) |
| 中国 | 0.65+54.68=55.33 | (B)(累積 55.33) |
| マレーシア | 2.82+34.86=37.68 | (C)(累積 37.68→94.19) |
| フランス | 0.93+5.25=6.18 | (D)(累積 6.18→41.98→80.25) |
| 米国 | 7.48+19.07=26.55 | (C)(累積 26.55→76.83) |
各選択肢の判定:
① 1週間未満の割合が最も高いのは韓国 (93.44%) で、中国 (55.33%) ではない。誤り。
② 米国の最頻の階級は (C) 50.28% であり、(B) 19.07% ではない。誤り。
③ マレーシアの1週間以上は 100 − 37.68 = 62.32% で 50% 以上。誤り。
④ 韓国の1週間未満は 93.44% で 80% 以上。誤り。
⑤ 中央値を含む階級は、フランスだけが (D) 14〜20日間で、他の4か国は (B) か (C)。したがって中央値が最も大きいのはフランス。正しい。
米国からの訪日観光客の滞在日数に関する相対度数分布のグラフとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: 横軸=階級 (A)〜(G)、縦軸=相対度数(%) 0〜60 の棒グラフ。各棒のおおよその高さは次のとおり。 ① (A)7, (B)19, (C)50, (D)18, (E)2.5, (F)2.5, (G)0 — (C) が最頻で (B) と (D) がほぼ同じ高さ。 ② (A)7, (B)9, (C)50, (D)28, (E)2.5, (F)2.5, (G)0 — (C) が最頻で (D) が (B) より高い。 ③ (A)0.5, (B)55, (C)42, (D)2, (E)0, (F)0.5, (G)0 — (B) が最頻で (C) が次点、それ以外はほぼ0。 ④ (A)1, (B)5, (C)36, (D)38, (E)14, (F)5, (G)0.5 — (D) が最頻で (C) とほぼ同じ高さ、(E) も14程度。 ⑤ (A)0, (B)7, (C)19, (D)50, (E)18, (F)2.5, (G)3 — (D) が最頻で (C) と (E) がほぼ同じ高さ。)
正解:①
考え方:表の米国の列 (A)7.48、(B)19.07、(C)50.28、(D)18.02、(E)2.41、(F)2.74、(G)0.00 をそのまま棒の高さとして持つ図を選ぶ。特徴は「(C) が約50で最頻、(B) と (D) が約19と約18でほぼ同じ高さ、(A) が約7」である。
各図の判定:
① (C)50 が最頻、(B)19 と (D)18 がほぼ同じ、(A)7 → 米国の列と一致。
② (D)28 が (B)9 より高く、(B)19.07≒(D)18.02 という特徴に合わない。
③ (B) が最頻で (C) が次点 → 中国の列(54.68, 42.18)の形。
④ (D) が最頻で (C) とほぼ同じ、(E) が14 → フランスの列(35.80, 38.27, 13.88)の形。
⑤ (D) が最頻で (C) と (E) が同程度 → 該当する国はなく、①を1階級右にずらした形。
Aさんの学級では、データを利用して「自分たちが住んでいる街の桜の開花日を予想する」という課題に取り組んでいる。目的変数は「桜の開花日」、説明変数は3月上旬と中旬における「平均気温(℃)」、「降水量の合計(mm)」、「日照時間の合計(時間)」を用いることになった。次の表は、用いたデータの一部を表している。ただし、「桜の開花日」については、3月31日を「0」とし、例えば4月3日は「3」、3月27日は「−4」というように数値化している。
| 年 | 平均気温 | 降水量の合計 | 日照時間の合計 | 桜の開花日 |
|---|---|---|---|---|
| 1965 | 4.10 | 62.9 | 76.8 | 16 |
| 1966 | 7.75 | 191.7 | 62.8 | 3 |
| 1967 | 6.10 | 70.8 | 120.0 | 3 |
| 1968 | 4.75 | 94.0 | 101.0 | 6 |
| 1969 | 3.85 | 124.0 | 79.8 | 9 |
| ⋮ | ⋮ | ⋮ | ⋮ | ⋮ |
| 2013 | 8.70 | 73.5 | 109.5 | −3 |
| 2014 | 5.35 | 154.5 | 73.2 | 0 |
| 2015 | 6.75 | 190.5 | 50.0 | 0 |
| 2016 | 8.25 | 64.5 | 80.5 | −4 |
| 2017 | 6.10 | 90.0 | 95.1 |
資料: 気象庁「さくらの開花日」、「過去の気象データ」
それぞれの変数について、1965年から2016年までのデータを用いて統計量を計算したところ、次の表を得た。
| 平均気温 | 降水量の合計 | 日照時間の合計 | 桜の開花日 | |
|---|---|---|---|---|
| 最小値 | 2.00 | 46.0 | 40.0 | −5.00 |
| 最大値 | 9.20 | 193.0 | 120.0 | 17.00 |
| 平均 | 5.71 | 100.5 | 84.4 | 4.25 |
| 標準偏差 | 1.56 | 36.2 | 17.9 | 5.47 |
| 桜の開花日との相関係数 | −0.789 | 0.103 | −0.209 |
「桜の開花日」を縦軸とし、「平均気温」、「降水量の合計」、「日照時間の合計」を横軸として、それぞれ散布図を作成したところ、次の図Ⅰ〜Ⅲを得た。図Ⅰ〜Ⅲの横軸の変数の組合せとして、下の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: 縦軸はいずれも桜の開花日 −10〜20。横軸の目盛りは省略されている。 Ⅰ: 左上から右下へ並ぶ明確な右下がりの傾向(強い負の相関)。左上に開花日 14〜17 の点、右下に −5 付近の点。 Ⅱ: 全体的にばらついており明確な傾向はない(ほぼ無相関)。右端に離れて3点(開花日 0〜5)がある(横軸の値が大きい外れ値的な点)。 Ⅲ: 全体的にばらついており明確な傾向はない(ごく弱い負の相関程度)。)
正解:①
考え方:統計量の表にある「桜の開花日との相関係数」を散布図の形と対応づける。相関係数の符号が傾きの向き、絶対値が点の帯の細さを決める。
| 変数 | 相関係数 | 散布図に期待される形 | 該当図 |
|---|---|---|---|
| 平均気温 | −0.789 | はっきりした右下がり | Ⅰ |
| 降水量の合計 | 0.103 | ほぼ無相関 | Ⅱ |
| 日照時間の合計 | −0.209 | ほぼ無相関だがわずかに右下がり | Ⅲ |
明確な右下がりの図Ⅰは相関係数 −0.789 の平均気温である。残るⅡとⅢはどちらも弱い相関であるが、Ⅱの右端に離れた3点は、データ表の 1966年 (191.7)、2015年 (190.5) のように最大値 193.0 付近で平均 100.5 から大きく離れた降水量に対応する。また降水量は相関係数が正 (0.103)、日照時間は負 (−0.209) で、Ⅲに「ごく弱い右下がり」が見えることとも整合する。よって Ⅱ=降水量、Ⅲ=日照時間。
誤答の見分け方:②はⅡとⅢを入れ替えたもの。横軸に外れ値的な大きい値が並ぶのは、最大値が平均+2.5標準偏差 (100.5+2.5×36.2≒191) を超える降水量だけである。③④⑤はⅠを平均気温以外にしており、|r|=0.789 の強さと合わない。
「平均気温」を説明変数として単回帰分析を行ったところ、次の結果を得た。(ア)にあてはまる数値として、下の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
| 係数 | 標準誤差 | t-値 | |
|---|---|---|---|
| 切片 | 20.0209 | 1.7968 | 11.1426 |
| 平均気温 | −2.7608 | (ア) | −9.0938 |
正解:④
考え方:回帰係数の t-値は「係数 ÷ 標準誤差」である。これを標準誤差について解く。
計算:
切片の行で検算すると 20.0209 ÷ 1.7968 = 11.14 で t-値 11.1426 と一致し、関係式が正しいことが確かめられる。
誤答の見分け方:標準誤差は標準偏差の一種なので必ず正。①③の負の値は即除外。② 3.2939 は係数と t-値を逆に割った値 (9.0938/2.7608)。⑤ 7.2518 は係数と切片の標準誤差などを掛け合わせた無関係な値。
〔2〕で作成した回帰式に2017年のデータを代入し、得られた値を四捨五入することで2017年の桜の開花日を予測すると何月何日になるか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:回帰式は「開花日 = 切片 + 係数 × 平均気温」。2017年の平均気温 6.10 を代入し、3月31日を 0 とする数値化の規則で日付に直す。
計算:
「3」は 3月31日の3日後、すなわち 4月3日である。
誤答の見分け方:① 3月28日は「−3」で、符号を逆にした値。② 3月31日は 0 で、平均気温を平均 5.71 でなく約7.25 と置いた場合などに出る。④⑤は係数の掛け算を誤ったときの値。データ表で 1967年(平均気温 6.10、開花日 3)が同じ気温で実際に 3 になっていることも目安になる。
Aさんは、自分がよく購入する「キャベツ」と「ビール」について、価格の傾向を知りたいと思っている。
次の表は、Aさんが住んでいる都市の「キャベツ」と「ビール」の価格(円)について、最近12ヶ月(2016年4月〜2017年3月)分を調べた結果である。
| キャベツ(1kg) | 215 | 256 | 183 | 154 | 149 | 174 |
| 230 | 356 | 218 | 242 | 213 | 180 | |
| ビール(350mL×6缶) | 1149 | 1149 | 1149 | 1149 | 1149 | 1149 |
| 1149 | 1149 | 1149 | 1185 | 1185 | 1185 |
資料: 総務省「小売物価統計調査」
この結果について統計量を計算したものが次の表である。(ア)、(イ)にあてはまる数値として、下の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
| 平均 | 中央値 | 標準偏差 | 変動係数 | |
|---|---|---|---|---|
| キャベツ | 214.2 | (ア) | 56.0 | (イ) |
| ビール | 1158.0 | 1149.0 | 16.3 | 0.014 |
正解:④
考え方:中央値は12個のデータを小さい順に並べた6番目と7番目の平均。変動係数は 標準偏差 ÷ 平均 である。
計算(ア):キャベツの12個を並べ替える。
計算(イ):
ビールの行で 16.3 ÷ 1158.0 = 0.014 となり、表の変動係数の定義と一致することが確認できる。
誤答の見分け方:(ア)215.0 は並べ替えずに7番目だけ取ったなどのミス。233.0 は範囲の中央 (149+356)/2=252.5 とも違う無関係な値。(イ)0.048 は 214.2/56.0 の逆数の一部や、分散と混同した値であり、CV は「標準偏差/平均」で 1 未満の小数になるのが普通。
価格の傾向について更に調べるために、Aさんは、2010年1月〜2017年3月までの月ごとのデータを用いて、次の箱ひげ図を作成した。なお、これらの箱ひげ図では、“第1四分位数” − “四分位範囲” × 1.5 以上の値をとるデータの最小値、および “第3四分位数” + “四分位範囲” × 1.5 以下の値をとるデータの最大値までひげを引き、これらよりも遠い値を外れ値として○で示している。
(図の概要: 横向きの箱ひげ図。 箱ひげ図(キャベツ): 箱は左寄りにあり幅は狭い。中央値は箱のほぼ中央。右のひげが左より長く、さらに右側に外れ値○が2個ある(右に裾が長い分布)。 箱ひげ図(ビール): 箱はキャベツより幅が広く、中央値は箱の中央よりやや右寄り。右側に外れ値○が1個ある。)
また、Aさんはヒストグラムも作成した。「キャベツ」と「ビール」の価格の分布を表すヒストグラムはそれぞれ、Ⅰ〜Ⅲのうちのどれか。下の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: 縦軸は度数 0〜30。 Ⅰ: 左から右へ度数が増加し右端付近(右から2〜3番目の階級)で最大(約23〜24)となり、その後急に減る(左に裾が長い分布)。 Ⅱ: 山が2つある(左から2〜3番目に約11〜16、5番目に最大25、6番目に15、7番目は0、8番目に約11)。二峰性の分布。 Ⅲ: 左から3番目の階級で最大(約26)となり、その後右へ徐々に減少し、右端に離れて小さい階級(度数1)が2つある(右に裾が長い分布)。)
正解:⑤
考え方:箱ひげ図の「ひげの長さの左右差」「外れ値の位置」はヒストグラムの「裾の向き」に、「箱の位置と中央値の偏り」は山の位置に対応する。両者を突き合わせる。
キャベツ:箱が左寄りで狭く、右のひげが長く、右側に外れ値が2個ある。これは「左に山があり右に長く裾を引き、右端に飛び離れた値が少数ある」分布。ヒストグラムⅢ(3番目の階級で最大、右へ減少、右端に度数1の階級が2つ)と一致する。右端の2つの小さい階級が外れ値○2個に対応する。
ビール:ビール価格は長期間同じ値が続き、ときどき段階的に改定される(〔1〕の表でも 1149 が9か月続き 1185 に変わる)。このため価格はいくつかの水準に固まり、ヒストグラムは複数の山を持つ。Ⅱ(二峰性、間に度数0の階級がある)が該当する。箱ひげ図で外れ値が右側に1個だけあり、左側にはないこととも整合する。
Ⅰが選べない理由:Ⅰは左に裾が長い分布である。左に裾が長ければ箱ひげ図は左のひげが長く、外れ値があれば左側に出るはずである。キャベツ・ビールのどちらの箱ひげ図も外れ値は右側にあるので、Ⅰはどちらにも対応しない。
誤答の見分け方:①③はキャベツをⅡ(二峰)としているが、キャベツの箱ひげ図は箱が狭く右裾が長い単峰の形で二峰の根拠がない。④はビールをⅠ(左裾)としており、外れ値の向きが逆。
Aさんは、〔2〕の時系列データを用いて、次のコレログラムを作成した。ただし、図中の点線は、時系列が無相関であるという帰無仮説のもとでの有意水準5%の棄却限界値を表す。
(図の概要: 横軸 Lag 0〜19、縦軸 ACF −0.2〜1.0、点線は約 ±0.2。 コレログラム(キャベツ): ラグ0で1.0、ラグ1で約0.5(点線を超える)、ラグ2で約0.2、それ以降はおおむね 0〜0.15 で点線の内側。ラグ12で約0.25 と点線をわずかに超える。 コレログラム(ビール): ラグ0で1.0、ラグ1で約0.65、ラグ2で約0.68、ラグ3で約0.5、ラグ4で約0.48、ラグ5で約0.35、ラグ6で約0.45、ラグ7〜10で約0.2〜0.3 と緩やかに減衰し、ラグ11〜12で約0.1〜0.15、ラグ13以降はほぼ0。ラグ1〜10あたりまで点線を超えている。)
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、これらのグラフの解釈に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:コレログラムは自己相関係数(ラグ k の自己相関 = 時点 t の値と t−k の値の相関)をラグごとに棒で示したもの。月次データなので「1年後」はラグ12、「翌月」はラグ1を見る。
Ⅰ:ラグ12の自己相関は、キャベツが約0.25(点線を超え有意)、ビールが約0.1〜0.15(点線の内側)。キャベツのほうが大きいので正しい。キャベツは季節性(毎年同じ時期に高くなる)があり、ラグ12に山が出るのは自然である。
Ⅱ:キャベツのラグ1の自己相関は約0.5 で正、かつ点線を超えている。自己相関が正とは「今月が平均より高ければ翌月も平均より高い傾向」を意味するので正しい。
Ⅲ:コレログラムは各系列の「自分自身の過去との相関」だけを表し、キャベツとビールの間の相関(相互相関)は一切含まれていない。この図からは判断できないので誤り。
以上より、ⅠとⅡのみ正しい。
誤答の見分け方:④はⅢを正しいとしているが、2つの別々のコレログラムから系列間の関係を読むことはできない。ビールのほうが全体に自己相関が高いことに引きずられてⅠを誤りとすると①→②になるが、問われているのは「1年後(ラグ12)」だけである。
価格指数とは、複数の財の価格を加重平均して指数化したもので、総合的な価格動向を把握するために利用されている。ラスパイレス価格指数は、個別価格指数を合成するときに、ウェイトとして基準時点の購入金額の割合を用いるものである。
次の表は、2015年および2016年における「牛肉」と「豚肉」の1世帯当たり(全国、二人以上の世帯)の年間の購入数量(g)及び平均価格(円/100g)である。
| 2015年 購入数量 | 2015年 平均価格 | 2016年 購入数量 | 2016年 平均価格 | |
|---|---|---|---|---|
| 牛肉 | 6200 | 340.73 | 6422 | 340.03 |
| 豚肉 | 19865 | 149.57 | 20418 | 144.30 |
資料: 総務省「家計調査」
2015年を基準年(指数を100とする)として、「牛肉」と「豚肉」の2種類の価格からラスパイレス価格指数を作成する場合、2016年の指数はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:ラスパイレス価格指数は「数量を基準年に固定」して、価格だけを比較年に置き換えたときの支出額の比である。基準年を 0、比較年を t とすると
ここで 0=2015年、t=2016年。分子は「2016年の価格 × 2015年の数量」、分母は「2015年の価格 × 2015年の数量」である。
当てはめ:
これは①である。参考までに値を求めると、分子 = 2108186 + 2866520 = 4974706、分母 = 2112526 + 2971208 = 5083734 で、指数は約 97.9 となる(価格が下がったので100未満)。
誤答の見分け方:数量が分子と分母で異なる②④⑤は「価格だけの比較」になっていないので価格指数として不適切。③は数量を比較年(2016年)に固定したパーシェ価格指数。⑤は価格を基準年に固定して数量を比べる数量指数(ラスパイレス数量指数)。
ラスパイレス価格指数の代表的な例として、消費者物価指数がある。消費者物価指数は類・品目ごとにも作成されており、次の図は1970年から2016年までの魚介類の価格指数(2015年を100とする)をプロットしたものである。
(図の概要: 横軸=年 1970〜2016、縦軸=価格指数(魚介類)20〜100 の折れ線グラフ。1970年に約23から始まり、1970年代に急上昇(1975年頃に約50、1977年頃に約62、1980年頃に約70)、1982年頃に約78、1985年頃に約80。1990年頃に約85、1992〜1998年頃は約88〜90 で横ばい〜微増、2000年代前半にかけて約84まで緩やかに低下、2008年頃に約88、2010〜2013年頃は約86〜88 で横ばい、2014年以降急上昇して2015年に100、2016年に約102。)
資料: 総務省「消費者物価指数」
魚介類の価格指数の変化率の図として、次の①〜④のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: 横軸=年 1970〜2016、縦軸=変化率(%) −30〜30 の折れ線グラフ。 ① 1971〜1978年に大きな正の値(約15, 5, 15, 32(1974年に最大), 13, 20, 8, 3)、1980年以降は常に0より上の約2〜5%で推移し、2014年頃に約10%。負の値はない。 ② ①の上下を反転させたような形。1970年代に大きな負の値(1974年に約−30)、1980年以降は約0〜−3%で推移し、2014年頃に約−10%。 ③ 1971〜1978年は①と同じく大きな正の値(1974年に約32)、1980年以降は0の前後で変動し、1990年代後半〜2000年代前半には負の値もある。2014年頃に約10%。 ④ 全期間を通じて0の前後 ±5% 程度で不規則に変動し、1970年代の大きな山はない。)
正解:③
考え方:変化率(前年比)は
である。元の系列が「上昇している区間 ⇒ 変化率は正」「下降している区間 ⇒ 負」「横ばい ⇒ 0付近」となる。元の折れ線グラフの各区間の向きを変化率の符号に翻訳して照合する。
| 期間 | 価格指数の動き | 変化率の符号・大きさ |
|---|---|---|
| 1970年代 | 約23→約70 へ急上昇(数年で3倍) | 大きな正(1974年は 50/32 前後の水準差で +30% 程度) |
| 1980年代 | 70→85 へ緩やかに上昇 | 小さな正(数%) |
| 1990年代後半〜2000年代前半 | 約90→約84 へ緩やかに低下 | 小さな負 |
| 2010〜2013年 | 横ばい | ほぼ0 |
| 2014〜2015年 | 約88→100 へ急上昇 | 正(+10% 前後) |
この符号パターン(1970年代に大きな正、その後は0前後で正負を行き来し、1990年代後半〜2000年代前半に負、2014年頃に +10%)を満たすのは③である。
誤答の見分け方:①は負の値がまったくないが、元の系列には低下している区間(1998年頃〜2003年頃)があるので変化率が負になる年が必ず存在する。②は符号がすべて逆で、上昇期に負となっており不適。④は1970年代の急上昇(変化率が大きい正)が反映されていない。
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、標本抽出法に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:各抽出法の定義と長所・短所を確認する。
Ⅰ:クラスター(集落)抽出法は、母集団をクラスター(学校、地域、世帯など)に分け、いくつかのクラスターを無作為に選び、選ばれたクラスターの全個体を調査する方法である。記述のとおりで正しい。
Ⅱ:多段抽出法は、まず大きな単位(例:市町村)を無作為抽出し、次にその中の小さな単位(例:世帯)を無作為抽出する、という段階を踏む方法である。調査対象が地理的に集中するため、抽出・調査のコストが低くなるのが長所であり、その反面、単純無作為抽出に比べて標本が偏りやすく(推定の精度が下がりやすい)のが短所である。記述は長所と短所が逆であり誤り。
Ⅲ:系統抽出法は、通し番号を付けた名簿から最初の1個を無作為に選び、以降は一定間隔(抽出間隔 = 母集団の大きさ ÷ 標本の大きさ)で選んでいく方法である。記述のとおりで正しい。
以上より、ⅠとⅢが正しく、Ⅱが誤り。
誤答の見分け方:②⑤はⅡを正しいとしているが、「コストが高い」と「偏りが生じにくい」は多段抽出の説明として両方とも逆である。多段抽出・クラスター抽出はいずれも「手間とコストを減らす代わりに精度を犠牲にする」方法と覚えておく。
処理効果を立証するための研究の種類として、実験研究と観察研究がある。
観察研究の例として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:実験研究と観察研究の違いは「処理(要因の水準)を研究者が割り付けるかどうか」で決まる。研究者が対象をグループに分けて処理を与えるのが実験研究、対象がもともと持っている状態をそのまま観察するのが観察研究である。「観察する」という語が入っているかどうかは無関係で、すべての選択肢に「観察する」と書かれている点に注意する。
判定手順:各選択肢について、研究者が処理を割り付けているかを確認する。
| 選択肢 | 研究者の関与 | 種類 |
|---|---|---|
| ① | 患者をランダムに2群に分け、新薬/対照薬を投与している(ランダム化比較試験) | 実験研究 |
| ② | 土壌以外の条件を揃えて研究者がアサガオを植えている | 実験研究 |
| ③ | 「普段から食べている/いない」という対象者自身の習慣で群が決まり、研究者は割り付けていない | 観察研究 |
| ④ | ランダムに分けた子どもを部屋に割り付けている | 実験研究 |
| ⑤ | タイヤ・積載量を統制し、路面とスピードの条件を研究者が設定している | 実験研究 |
よって観察研究は③である。
誤答の見分け方:①④は「ランダムに分けて」、②⑤は「条件を揃えて(統制して)」という実験研究の典型的な言い回しが含まれている。③だけは対象者の既存の行動で群が分かれており、健康食品を食べる人はもともと健康志向が強いなどの交絡が入り込む可能性がある。これが観察研究の特徴である。
工場Aと工場Bは、ある同じおもちゃを生産している。おもちゃ全体の60%は工場Aで、40%は工場Bで生産しているとする。工場Aで不良品のおもちゃを生産してしまう確率を1%、工場Bで不良品のおもちゃを生産してしまう確率を0.5%とする。
販売したあるおもちゃが不良品だったと報告を受けたとき、そのおもちゃが工場Aで生産された確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:「不良品だった」という結果を知ったうえで「工場Aだった」確率を問うので、条件付き確率 、すなわちベイズの定理の問題である。公式を暗記するより、「1万個生産した」と仮定して個数の表を作るのが確実で速い。
手順1:設定を整理する
| 工場 | 生産割合 P(工場) | 不良率 P(不良|工場) | 同時確率 P(工場 かつ 不良) |
|---|---|---|---|
| A | 0.6 | 0.01 | 0.6 × 0.01 = 0.006 |
| B | 0.4 | 0.005 | 0.4 × 0.005 = 0.002 |
| 合計 | 1.0 | — | 0.008 |
手順2:ベイズの定理を適用する 分母は「不良品である確率」の全体(全確率)、分子はそのうち工場A経由の分である。
よって 75%、④である。
検算(個数で考える):全部で 1000 個生産したとする。
| 工場 | 生産個数 | 不良品の個数 |
|---|---|---|
| A | 600 | 600 × 0.01 = 6 |
| B | 400 | 400 × 0.005 = 2 |
| 合計 | 1000 | 8 |
不良品 8 個のうち工場A産は 6 個なので 。
誤答の見分け方:① 60% は「不良品だった」という情報を使わずに事前確率 P(A) をそのまま答えたもの。工場Aのほうが不良率が高い(1% > 0.5%)ので、不良品と知った後は工場Aの確率は 60% より上がるはずである。この方向性だけで①は除外できる。⑤ 80% は不良率の比 1 : 0.5 だけを見て生産割合を無視した値に近い。
確率変数 X の密度関数 f(x) が次のように与えられているとする。
ただし、c はある正の定数である。
定数 c の値はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:密度関数は全範囲で積分すると 1 になる(全確率 = 1)。f(x) が 0 でないのは 0 ≤ x < 2 の区間だけなので、その区間で積分して 1 とおき、c を求める。
手順1:全確率 = 1 の式を立てる
手順2:積分を計算する 被積分関数を展開すると である。
手順3:c を解く
よって③。
検算(面積で考える): は x = 0 と x = 2 で 0 になり、頂点が (1, 1) の上に凸な放物線である。放物線と x 軸で囲まれた面積は「底辺 × 高さ × 2/3」なので 。これを 1 にするには 3/4 倍すればよい。
誤答の見分け方:② 2/3 は積分値 4/3 の逆数を取り忘れて 2/3(底辺 2 のときの係数)と混同したもの。④ 1 は c = 1 のときの面積が 4/3 > 1 になるので不適。
確率変数 X の平均と分散の値の組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:連続型の平均は 、分散は で求める。〔1〕より (0 ≤ x < 2)である。
手順1:平均
この時点で①②⑤は消える。なお f(x) は x = 1 を軸として左右対称な放物線なので、積分しなくても平均が 1 であることは分かる。
手順2:2乗の期待値
手順3:分散
よって平均 1、分散 1/5 の④。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ③ 分散 4/5 | E[X²] の計算で 3/4 を掛け忘れて 8/5 とし、8/5 − 1 = 3/5 などとしたか、E[X²] − E[X] のように 2乗を忘れた値に近い。分散は取りうる範囲 [0, 2] の幅から考えてもっと小さいはず(一様分布 U(0,2) でさえ分散は 4/12 = 1/3。中央に山があるこの分布はそれより小さい) |
| ①② 平均 4/3 | E[X] の計算で c = 3/4 を掛け忘れた(∫ x²(2−x) dx = 4/3 をそのまま平均とした) |
| ⑤ 平均 3/2 | 対称性から平均は区間 [0, 2] の中央 1 でなければならないので不適 |
次の文章を読み、以下の問いに答えよ。
確率変数 が互いに独立に標準正規分布 N(0, 1) に従うとき
は自由度 n の(ア)分布に従う。また、標準正規分布 N(0, 1) に従う確率変数 Z が W と独立であれば
は自由度 n の(イ)分布に従う。さらに、確率変数 が互いに独立に自由度 の(ア)分布に従うとき
は自由度 の(ウ)分布に従う。
文中の(ア)〜(ウ)にあてはまる用語の組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:標準正規分布から派生する3つの分布(カイ二乗分布・t 分布・F 分布)の定義そのものを問う問題である。
判定手順
| 空欄 | 構成 | 分布 |
|---|---|---|
| (ア) | 独立な標準正規変数 n 個の2乗和 | 自由度 n のカイ二乗分布 |
| (イ) | 標準正規変数 ÷ √(独立なカイ二乗変数 ÷ その自由度) | 自由度 n の t 分布 t(n) |
| (ウ) | (カイ二乗変数 ÷ 自由度) ÷ (独立なカイ二乗変数 ÷ 自由度) | 自由度 (m₁, m₂) の F 分布 |
よって(ア)カイ二乗、(イ)t、(ウ)F の⑤である。
誤答の見分け方:ポアソン分布・二項分布は離散型なので、連続な正規変数の2乗和や比の分布にはなりえない(①②③④は即除外)。指数分布・一様分布も定義に正規分布は出てこない。(ア)がカイ二乗である②と⑤のうち、(イ)が「二項」の②は離散型なので誤り。
確率変数 が互いに独立に標準正規分布 N(0, 1) に従うとする。
としたとき、 となる a はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:Y は〔1〕の(ウ)の形そのものなので F 分布に従う。ただし問われているのは下側 5% 点である。付表4には上側の点しか載っていないので、「F 分布の逆数も F 分布(自由度が入れ替わる)」という性質を使って上側の点に読み替える。
手順1:Y の分布を特定する 分子の は 20 個の独立な標準正規変数の2乗和なので 、分母の は 10 個なので 。両者は別々の Z から作られているので独立である。それぞれ自由度で割って比を取っているから
手順2:下側確率を上側確率に変換する Y の逆数を取ると分子と分母が入れ替わるので
Y > 0 なので、 と は同じ事象である。したがって
つまり 1/a は F(10, 20) の上側 5% 点である。
手順3:付表を引く 付表4(α = 0.05)で (列)、(行)を読むと、付表より 。
よって②。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ⑤ 2.774 | 付表より F0.05(20, 10) = 2.774。これは Y の上側 5% 点、つまり P(Y ≥ 2.774) = 0.05 であり、問われている下側とは逆 |
| ④ 2.348 | F0.05(10, 20) をそのまま答えたもの。自由度を入れ替えたら逆数を取らなければならない |
| ① 1/2.774 | 逆数を取る操作は正しいが、自由度の入れ替えを忘れて F(20, 10) の表を引いた |
| ③ 2.165 | 付表より F0.05(10, 30) = 2.165。行の読み違い |
下側 5% 点は分布の左端の値であり、F 分布の平均はおよそ 1(正確には )なので、答えは 1 より小さくなければならない。この時点で③④⑤は除外できる。
あるクラスで5人の生徒が全国統一テストを受験した。それぞれの生徒の試験の点数 は独立で、平均50、標準偏差10の正規分布に従っていると仮定する。
が60以上である確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:正規分布の確率は標準化して付表1(標準正規分布の上側確率)を引く。
手順1:標準化
手順2:付表を引く 付表1で u = 1.00 の上側確率を読むと、付表より 。よって①。
誤答の見分け方:④ 0.841 は 、すなわち「60 未満」の確率(向きの取り違え)。⑤ 0.977 は P(Z ≤ 2) で、標準偏差 10 のところを 5 として標準化したときの値。② 0.381 は P(Z ≥ 0.3) 相当で、根拠のない値。
5人中いずれか1人だけが60点以上を取り、残りの4人が60点未満となる確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:5人それぞれについて「60点以上か否か」は独立で、成功確率が〔1〕の p = 0.1587 のベルヌーイ試行である。したがって「60点以上の人数」は二項分布 B(5, 0.1587) に従い、「ちょうど1人」の確率を求めればよい。
手順1:二項分布の式を立てる 5人のうち誰が60点以上になるかは 5 通りあり、それぞれの確率は である。
手順2:数値計算 0.8413 の 4 乗は 2 乗を 2 回行う。
よって④。
概算で選ぶ方法:p ≈ 0.16、1 − p ≈ 0.84 とすると 、。選択肢の間隔が広いので、この程度の概算で十分に判別できる。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ① 0.08 | 0.1587 × 0.8413⁴ ≈ 0.080。「5通り」の係数 ₅C₁ = 5 を掛け忘れた(特定の1人が60点以上で他の4人が未満、という確率) |
| ② 0.16 | 〔1〕の p そのもの。1人だけを見ている |
| ⑤ 0.80 | 5 × 0.16 = 0.79。二項分布の期待値 np(60点以上の人数の平均)で、確率ではない |
| ③ 0.30 | 4 × p(1−p)⁴ など係数の誤り、または 0.8413⁴ を 0.8413² で代用したような値 |
5人の点数の標本平均 が52点以上である確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:独立な正規変数の標本平均も正規分布に従い、平均は変わらず μ、分散は に縮む。標本平均の標準偏差 で標準化して付表1を引く。
手順1:標本平均の分布
手順2:標準化
手順3:付表を引く u = 0.45 として付表1を読むと、付表より上側確率 0.3264(u = 0.44 なら 0.3300)。よって
②である。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ③ 0.42 | 標準偏差を √5 で割らずに 10 のまま使い、P(Z ≥ 0.2) = 0.4207 を読んだ。1人の点数と標本平均を混同している |
| ④ 0.58 | 1 − 0.42。上記の誤りに加えて向きも逆 |
| ① 0.16 | 標準偏差を 10/5 = 2 として(√を忘れて)P(Z ≥ 1) = 0.1587 を読んだ |
| ⑤ 0.84 | 1 − 0.16。上記の誤りに加えて向きも逆 |
52 は平均 50 より上なので「52 以上」の確率は 0.5 未満でなければならない(④⑤は即除外)。また平均を取ると散らばりが小さくなるので、1人の場合の P(X ≥ 52) = 0.42 より小さくなるはずである。
K市における平成26年の交通事故発生件数は518件であった。K市の1日の交通事故発生件数は独立に同一のパラメータ λ のポアソン分布に従うものとする。ただし、パラメータ λ のポアソン分布の確率関数は
で与えられる。また、K市の1日当たりの事故発生件数の平均は と推定される。
K市の1日当たりの事故発生件数の分散の推定値として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:ポアソン分布 Po(λ) は期待値も分散も λ である。したがって分散の推定値は平均の推定値 と同じ 518/365 になる。
計算手順
よって②。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ① √(518/365) | 分散ではなく標準偏差 √λ の推定値 |
| ③ (518/365)² | 「分散 = 平均の2乗」という根拠のない式。指数分布の分散 1/λ² などとの混同 |
| ④⑤ | 二項分布の分散 np(1 − p) を真似た形。ポアソン分布に「1 − p」に相当する項はない。しかも (518 − 365)/365 に意味はない |
平均の推定値 を用いて、K市において1日に事故が発生しない確率を求めるといくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。なお、、 とする。
正解:③
考え方:「1日に事故が発生しない」は X = 0 なので、確率関数に x = 0 を代入する。λ の代わりに推定値 を使う。
手順1:x = 0 を代入する
手順2:推定値を代入する なので、問題文の を使う。
よって③。
もう1つの近似値の使い方: なので
となり、2つの近似値は整合している。 は e ≈ 2.718 を覚えていれば検算に使えるが、直接には不要な値である。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ④ 0.37 | e⁻¹ ≈ 0.368。λ = 1 と勘違いした値、または 1/e で止めた値 |
| ⑤ 0.66 | 1/1.52 ≈ 0.66。問題文の 2 つ目の近似値を誤って e^λ として使った |
| ② 0.16 | 1/(4.13 × 1.52) ≈ 0.16。両方の近似値を掛けてしまった |
| ① 0.09 | 1/(4.13 × e) ≈ 0.09 など、余分に e で割った値 |
次の図は、米国シカゴの大規模小売チェーン店でのツナ缶の販売価格と販売数量の散布図、ならびに販売価格と販売数量をそれぞれ対数変換したものの散布図である。ただし、データを加工している。
(図の概要: 左図: 横軸=販売価格(ドル)0.2〜1.0、縦軸=販売数量(×10⁴)0〜60。販売価格 0.29 で販売数量約58、0.39 付近で約42〜44 の点が離れて存在し、残りの大多数の点は販売価格 0.6〜0.9 で販売数量 0〜10 に密集(価格が高いほど数量が少ない、非線形の右下がり)。右図: 横軸=log(販売価格) −1.2〜0.0、縦軸=log(販売数量) 8〜14。右下がりの破線(回帰直線)が引かれている。左上に (−1.23, 13.3)、(−0.93, 13.0) 付近の点があり、大多数の点は log(販売価格) −0.5〜−0.1、log(販売数量) 8〜11.5 に分布し、破線の周りに散らばる(比較的強い負の直線関係)。)
資料: James M. Kilts Center, University of Chicago Booth School of Business「Dominick's database」
右図中の破線は、目的変数を log(販売数量)、説明変数を log(販売価格) とした単回帰モデル
を統計ソフトウェアによって推定し、得られた回帰直線である。また、次はその出力結果である。なお、出力結果の一部を削除している。
出力結果
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) 7.92546 0.08931 88.74 <2e-16
log(販売価格) -4.89615 0.28922 -16.93 <2e-16
---
Residual standard error: 0.5757 on 199 degrees of freedom
Multiple R-squared: 0.5902,Adjusted R-squared: 0.5881
F-statistic: 286.6 on 1 and 199 DF, p-value: < 2.2e-16
出力結果から判断して、この単回帰モデルの推定に用いた標本のサイズはいくつか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:出力の「Residual standard error: 0.5757 on 199 degrees of freedom」の 199 が残差の自由度である。残差の自由度は「標本サイズ − 推定した係数の個数」で、単回帰では切片 α と傾き β の2個を推定するから n − 2 になる。
計算:
よって ⑤。「F-statistic: 286.6 on 1 and 199 DF」の (1, 199) からも同じことが読める(回帰の自由度 1 = 説明変数の数、残差の自由度 199)。
出力の読み方:
| 項目 | 意味 | この問題では |
|---|---|---|
| Estimate | 回帰係数の推定値((Intercept) が α̂、log(販売価格) が β̂) | α̂ = 7.925、β̂ = −4.896 |
| Std. Error | 係数の標準誤差 | 0.08931、0.28922 |
| t value | Estimate ÷ Std. Error。H₀: 係数=0 の検定統計量 | −4.89615 ÷ 0.28922 = −16.93 |
| Pr(>|t|) | 両側 P-値 | <2×10⁻¹⁶(どちらも極めて有意) |
| Residual standard error | 残差の標準偏差 σ̂。「on 199 degrees of freedom」=残差の自由度 n − 2 | σ̂ = 0.5757、n = 201 |
| Multiple R-squared | 決定係数 R²。単回帰では相関係数の2乗 | 0.5902(r = −√0.5902 ≈ −0.77) |
| Adjusted R-squared | 自由度調整済み決定係数(R² 以下) | 0.5881 |
| F-statistic | H₀: β=0 の F検定。単回帰では F = t² | 16.93² ≈ 286.6 で一致 |
帰無仮説 β = −1、対立仮説 β ≠ −1 に対する検定統計量の値として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:回帰係数の検定統計量は「(推定値 − 帰無仮説の値)÷ 標準誤差」である。出力の t value は帰無仮説 β = 0 のときの値なので、そのままでは使えない。帰無仮説の値 β₀ = −1 を自分で引く。
計算:
よって ①。この t は帰無仮説のもとで自由度 199 の t分布に従う。付表より t0.025(120) = 1.980、t0.025(240) = 1.970 であり、|t| = 13.47 はこれをはるかに超えるので、β = −1(価格弾力性が −1)も有意水準5%で棄却される。
誤答の見分け方:
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ② | β₀ = −1 を引くところを「−(+1)」と符号を間違えたもの。−4.89615 − (−1) = −4.89615 + 1 である。 |
| ③ | 出力の t value そのもの(−16.93)。これは β = 0 を検定する統計量。 |
| ④ | 推定値そのもので、標準誤差で割っていない。 |
| ⑤ | 切片で割っており意味がない。 |
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、出力結果の解釈に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:推定された回帰式は次のとおり。
傾きの意味・符号・予測値の計算を一つずつ確かめる。
| 記述 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 正 | 傾き β̂ = −4.896 は「説明変数 log(販売価格) が 1 増えたとき目的変数 log(販売数量) が平均的に 4.896 減る」という意味。約4.9減少で正しい。 |
| Ⅱ | 正 | log は単調増加関数なので、販売価格が大きい ⇔ log(販売価格) が大きい。傾きが負だから log(販売数量)、すなわち販売数量は減少する傾向。左図(元のデータ)も右下がりで整合する。 |
| Ⅲ | 誤 | 予測値は 7.92546 − 4.89615 × (−0.3) = 7.92546 + 1.46885 = 9.394。約 9.4 であり 1.5 ではない(負×負で足し算になる点に注意)。 |
Ⅲの計算:
ⅠとⅡのみ正しいので ③。
補足:両対数モデルの傾きは「価格が1%上がると数量が約4.9%減る」という弾力性として解釈できる。〔2〕はこの弾力性が −1 かどうかの検定であった。
次の表は、オリンピック・パラリンピック競技大会やサッカー、テニスなどのスポーツ国際大会での日本選手の活躍に、どのくらい関心を持っているか調査をした結果である(回答総数1897人)。なお、小数点以下2位を四捨五入しているため、合計は100とはならない。データは単純無作為抽出されたものとして、以下の問いに答えよ。
| 非常に関心がある | やや関心がある | わからない | あまり関心がない | ほとんど(全く)関心がない | |
|---|---|---|---|---|---|
| 比率 (%) | 48.3 | 40.5 | 0.1 | 8.2 | 2.8 |
資料: 文部科学省「体力・スポーツに関する世論調査(平成25年1月調査)」
「非常に関心がある」の母比率の95%信頼区間として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:標本比率 p̂ = 0.483、n = 1897。n が大きいので二項分布の正規近似を使い、母比率 p の95%信頼区間は
である。付表より z0.025 = 1.96。
計算:
よって ③。
誤答の見分け方:区間の半幅で比べる(正解は約 0.0225)。
| 選択肢 | 半幅 | どう間違えると出るか |
|---|---|---|
| ① 0.036 | 0.036 | 標準誤差の計算で n を約 1/2.5 にするなど。1.96×0.0115 からは出ない |
| ② 0.030 | 0.030 | 2.58(99%)×0.0115 ≈ 0.030。信頼係数を 99% と取り違えた |
| ④ 0.019 | 0.019 | 1.645(片側5%点)×0.0115 ≈ 0.019。両側なのに片側の値を使った |
| ⑤ 0.001 | 0.001 | √ を取り忘れ、分散 0.0001316 をそのまま使った桁違い |
平成21年9月に行われた同名の調査において、「非常に関心がある」とする者の割合は41.6%(回答総数1925人)であった。次の文章は、これらの結果から分かることについて述べたものである。
「平成21年9月と平成25年1月の「非常に関心がある」とする者の割合の差の95%信頼区間は(ア)となるので、「非常に関心がある」とする者の割合が変化したと有意水準5%で(イ)。」
(ア)、(イ)にあてはまるものの組合せとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:2つの独立な標本から得た比率 p̂₁ = 0.483(n₁ = 1897)、p̂₂ = 0.416(n₂ = 1925)の差の信頼区間である。独立な確率変数の差の分散は分散の和になるので、
これで(ア)の形は「√ の中が足し算」の ①②に絞られる。③は √ がなく、④⑤は掛け算なので誤り。
計算:(イ)を決めるため区間を実際に求める。
95%信頼区間 [0.036, 0.099] は 0 を含まない。「差の信頼区間が 0 を含まない ⇔ 有意水準5%(両側)で差が 0 という帰無仮説が棄却される」ので、割合が変化したといえる。よって ②。
検定統計量で確認:z = 0.067 / 0.01606 ≈ 4.17 で、付表より z0.025 = 1.96 を大きく超える(上側確率は 0.0000 に近い)。
誤答の見分け方:①は式は正しいが結論が逆。区間の下限 0.036 > 0 なので「いえない」は誤り。③④⑤は分散の合成の仕方が誤り(差の分散は和、√ を取って標準誤差にする)。
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、仮説検定に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:仮説検定の基本用語を整理する。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 第1種の過誤(確率 α) | H₀ が正しいのに H₀ を棄却してしまう。α は有意水準に等しい |
| 第2種の過誤(確率 β) | H₁ が正しいのに H₀ を棄却しない(受容する) |
| 検出力 | H₁ が正しいときに正しく H₀ を棄却する確率 = 1 − β |
| P-値 | H₀ のもとで、観測された検定統計量以上に極端な値が出る確率 |
| 記述 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 誤 | 「対立仮説が正しいとき帰無仮説を受容する確率」は第2種の過誤の確率 β である。検出力はその余事象 1 − β。 |
| Ⅱ | 正 | P-値 < 有意水準 α なら棄却、というのが P-値による判定ルールそのもの。 |
| Ⅲ | 正 | P-値は確率なので 0 ≤ P ≤ 1。1 を超えることはない。 |
ⅡとⅢのみ正しいので ⑤。
「一等が出る確率20%、二等が出る確率30%」と言われているあるくじ引きを検証する。ただし、一等と二等以外はハズレである。このくじを引いた50人に確認したところ、一等が出た人数は5人、二等が出た人数は12人、ハズレが出た人数は33人であった。このくじ引きで言われている「一等が出る確率20%、二等が出る確率30%」を帰無仮説として、得られた50人のデータから有意水準5%の適合度検定を行う。ただし、くじ引きのくじは大量に用意されていたものとする。次の文章はその検定について述べたものである。
「50人のデータより、帰無仮説のもと漸近的に自由度 (ア) のカイ二乗分布に従う検定統計量の値が (イ) となる。ゆえに、有意水準5%で帰無仮説を棄却 (ウ)。」
文中の (ア) にあてはまる数字として、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:適合度検定のカイ二乗統計量の自由度は「カテゴリ数 − 1」である(帰無仮説から母数を推定した場合はさらにその個数を引くが、本問は確率がすべて指定されているので推定はない)。
計算:カテゴリは「一等・二等・ハズレ」の3つ。
よって ②。「−1」が付くのは、度数の合計が 50 と決まっているので、2つのカテゴリの度数が決まれば残りが自動的に決まるからである。
誤答の見分け方:④ 49 や ⑤ 50 は標本サイズ n から作った数で、適合度検定の自由度とは無関係(自由度は n によらない)。① 1 はハズレをカテゴリに数え忘れたもの。
文中の (イ)、(ウ) にあてはまるものの組合せとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:帰無仮説のもとでの期待度数 E = n × p を求め、
を計算して、自由度 2 のカイ二乗分布の上側5%点と比べる。
計算:ハズレの確率は 1 − 0.2 − 0.3 = 0.5。
| 一等 | 二等 | ハズレ | 計 | |
|---|---|---|---|---|
| 帰無仮説の確率 p | 0.2 | 0.3 | 0.5 | 1 |
| 期待度数 E = 50p | 10 | 15 | 25 | 50 |
| 観測度数 O | 5 | 12 | 33 | 50 |
| O − E | −5 | −3 | 8 | 0 |
| (O − E)² / E | 25/10 = 2.5 | 9/15 = 0.6 | 64/25 = 2.56 | 5.66 |
付表より、自由度 2 のカイ二乗分布の上側5%点は χ²0.05(2) = 5.99。
検定統計量が棄却限界に達しないので、有意水準5%で帰無仮説を棄却できない。よって (イ) 5.66、(ウ) できない で ⑤。
誤答の見分け方:② 6.76 はハズレの項を (33−25)²/25 ではなく別の期待度数で割るなどの計算ミス、① 7.76 はさらに一等の項を誤ったもの。④ は統計量は合っているが、5.99 との大小を誤っている。カイ二乗検定は常に上側だけを見る(片側)ことも確認しておく。
次の表は、83カ国の1000人当たりの自動車保有台数を地域(アジア、アフリカ、オセアニア、ヨーロッパ、南アメリカ、北アメリカ)別にまとめた要約統計量である。ただし、統計ソフトウェアの仕様により、小数の丸め方が四捨五入とは異なる。
| 地域 | アジア (A₁) | アフリカ (A₂) | オセアニア (A₃) | ヨーロッパ (A₄) | 南アメリカ (A₅) | 北アメリカ (A₆) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| データの大きさ(国数) | 27 | 13 | 2 | 31 | 7 | 3 |
| 最小値 | 4 | 3 | 711 | 186 | 74 | 285 |
| 第1四分位数 | 74 | 30 | 711 | 432 | 92 | 447 |
| 中央値 | 148 | 98 | 712 | 537 | 225 | 609 |
| 第3四分位数 | 347 | 137 | 713 | 594 | 279 | 696 |
| 最大値 | 594 | 201 | 714 | 761 | 303 | 783 |
| 平均 | 210 | 89 | 712 | 515 | 192 | 559 |
| 標準偏差 | 172 | 67 | 2 | 134 | 102 | 253 |
資料: 総務省統計局「世界の統計2017」
地域により自動車保有台数に差があるといえるかどうかを考察したい。正規性と等分散性を仮定し、統計ソフトウェアで一元配置分散分析を行ったところ、次の出力結果を得た。ただし、各国の属する地域を変数 region、各国の自動車保有台数を変数 car としている。
出力結果
Analysis of Variance Table
Response: car
Df Sum Sq Mean Sq F value Pr(>F)
region 5 2785835 557167 27.568 6.898e-16
Residuals 77 1556194 20210
全体の平均はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:全体の平均は「各地域の平均を国数で重み付けした平均」である。6つの平均を単純に平均してはいけない(国数が 2 から 31 まで大きく異なる)。
計算:
| 地域 | nⱼ | ȳⱼ. | nⱼ ȳⱼ.(合計) |
|---|---|---|---|
| アジア | 27 | 210 | 5670 |
| アフリカ | 13 | 89 | 1157 |
| オセアニア | 2 | 712 | 1424 |
| ヨーロッパ | 31 | 515 | 15965 |
| 南アメリカ | 7 | 192 | 1344 |
| 北アメリカ | 3 | 559 | 1677 |
| 計 | 83 | 27237 |
よって ②。
誤答の見分け方:③ 380 は 6 地域の平均の単純平均 (210+89+712+515+192+559)/6 = 2277/6 = 379.5。重みを付け忘れるとこれになる。
6つの地域を表のように A₁, …, A₆ とし、地域 Aⱼ の観測数を nⱼ、地域 Aⱼ の第 i 番目の観測値を yⱼᵢ(j = 1, …, 6, i = 1, …, nⱼ)、地域ごとの平均を ȳⱼ.、全体の平均を ȳ.. とする。F-値の式として正しいものはどれか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:一元配置分散分析では、全体のばらつき(総平方和)を「群間」と「群内」に分解し、それぞれを自由度で割った平均平方の比を F-値とする。
| 要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方 | F |
|---|---|---|---|---|
| 群間(region) | k − 1 = 6 − 1 = 5 | SB / 5 | (SB/5) / (SW/77) | |
| 群内(Residuals) | N − k = 83 − 6 = 77 | SW / 77 | ||
| 全体 | N − 1 = 82 |
チェックすべき点は3つ。
3条件をすべて満たすのは ④ だけである。
誤答の見分け方:
| 選択肢 | 誤りの箇所 |
|---|---|
| ① | 自由度で割っていない(平方和の比であり、平均平方の比ではない)。 |
| ② | 分子に nⱼ の重みがない。 |
| ③ | 分母が全体平均 ȳ.. からの偏差(総平方和)になっている。 |
| ⑤ | 分子に重みがなく、分母も総平方和になっている。 |
出力との対応:Sum Sq の 2785835(群間)と 1556194(群内)を Df で割ると Mean Sq 557167 と 20210 になり、F = 557167 / 20210 = 27.57 で出力と一致する。
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、この一元配置分散分析の結果に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
分散分析表の読み方:
| 項目 | 意味 | この問題では |
|---|---|---|
| Df | 自由度。region は k − 1、Residuals は N − k | 5、77(N = 83、k = 6) |
| Sum Sq | 平方和(群間・群内) | 2785835、1556194 |
| Mean Sq | 平均平方 = Sum Sq ÷ Df | 557167、20210 |
| F value | 群間 Mean Sq ÷ 群内 Mean Sq。H₀「全地域の平均が等しい」の検定統計量 | 27.568 |
| Pr(>F) | P-値(自由度 (5, 77) の F 分布の上側確率) | 6.898×10⁻¹⁶ |
各記述の判定:
| 記述 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 正 | P-値 = 6.9×10⁻¹⁶ は 0.01 よりはるかに小さい。「P-値 < 0.01」は「F-値 > 上側1%点」と同じことなので正しい。数値でも確認できる:付表4には上側1%点はないが、上側2.5%点は F0.025(5, 60) = 2.786、F0.025(5, 120) = 2.674 で、上側1%点はこれらより少し大きい程度(およそ 3.2〜3.3)。27.568 はその 8 倍以上である。 |
| Ⅱ | 誤 | 下の計算のとおり、たとえばアフリカ [32, 146] とヨーロッパ [449, 581] はまったく重ならない。「すべての地域間で重なりがある」は誤り。 |
| Ⅲ | 誤 | P-値は 6.898×10⁻¹⁶ ≈ 0.0000000000000007 で、5% より圧倒的に小さい。 |
Ⅱの計算:各地域で母分散未知として を求める。付表より t0.005(12) = 3.055、t0.005(30) = 2.750。
この2つは離れている(オセアニア [622, 802] もアフリカやアジア [118, 302] と重ならない)。1組でも重ならなければⅡは誤り。なお、分散分析は「少なくとも1組の平均が異なる」ことを検出しており、F = 27.6 という大きな値は、地域間で平均が大きく離れていることと整合する。
Ⅰのみ正しいので ①。
| 問 | 解答番号 | 正解 | 問 | 解答番号 | 正解 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 問1〔1〕 | 1 | ④ | 問9〔2〕 | 18 | ② | |
| 問1〔2〕 | 2 | ⑤ | 問10〔1〕 | 19 | ① | |
| 問1〔3〕 | 3 | ① | 問10〔2〕 | 20 | ④ | |
| 問2〔1〕 | 4 | ① | 問10〔3〕 | 21 | ② | |
| 問2〔2〕 | 5 | ④ | 問11〔1〕 | 22 | ② | |
| 問2〔3〕 | 6 | ③ | 問11〔2〕 | 23 | ③ | |
| 問3〔1〕 | 7 | ④ | 問12〔1〕 | 24 | ⑤ | |
| 問3〔2〕 | 8 | ⑤ | 問12〔2〕 | 25 | ① | |
| 問3〔3〕 | 9 | ③ | 問12〔3〕 | 26 | ③ | |
| 問4〔1〕 | 10 | ① | 問13〔1〕 | 27 | ③ | |
| 問4〔2〕 | 11 | ③ | 問13〔2〕 | 28 | ② | |
| 問5 | 12 | ④ | 問14 | 29 | ⑤ | |
| 問6 | 13 | ③ | 問15〔1〕 | 30 | ② | |
| 問7 | 14 | ④ | 問15〔2〕 | 31 | ⑤ | |
| 問8〔1〕 | 15 | ③ | 問16〔1〕 | 32 | ② | |
| 問8〔2〕 | 16 | ④ | 問16〔2〕 | 33 | ④ | |
| 問9〔1〕 | 17 | ⑤ | 問16〔3〕 | 34 | ① |
出典: 統計検定2級 2017年11月試験(Kindle版問題集より転記)。図はスクリーンショットから切り抜いて埋め込み。