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2018年12月1日〜12月31日の、東京・名古屋・大阪・広島・福岡(以下「5都市」)の平均気温(日ごとの値、単位:℃)の箱ひげ図が与えられている。
なお、これらの箱ひげ図では、"「第1四分位数」−「四分位範囲」×1.5" 以上の値をとるデータの最小値、および "「第3四分位数」+「四分位範囲」×1.5" 以下の値をとるデータの最大値までひげを引き、これらよりも外側の値を外れ値として○で示している。
(図の概要: 東京のみ上側に外れ値2点(約17℃・18℃)。中央値は東京≈8.2、名古屋≈7.8、大阪≈9.1、広島≈8.0、福岡≈9.5 付近)
資料: 気象庁「気象観測データ」
次の表は、5都市の平均気温の度数分布表である。(A)〜(E)は、それぞれ東京・名古屋・大阪・広島・福岡のいずれかを表している。
| 階級 | (A) | (B) | (C) | (D) | (E) |
|---|---|---|---|---|---|
| 0℃以上 2℃未満 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
| 2℃以上 4℃未満 | 1 | 3 | 1 | 0 | 3 |
| 4℃以上 6℃未満 | 7 | 5 | 3 | 6 | 5 |
| 6℃以上 8℃未満 | 7 | 9 | 5 | 6 | 8 |
| 8℃以上10℃未満 | 9 | 5 | 9 | 7 | 5 |
| 10℃以上12℃未満 | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| 12℃以上14℃未満 | 3 | 5 | 4 | 5 | 2 |
| 14℃以上16℃未満 | 0 | 1 | 4 | 2 | 2 |
| 16℃以上18℃未満 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 18℃以上20℃未満 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 |
東京の度数として、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方 箱ひげ図で東京だけが持つ特徴(上側の外れ値2点)を、度数分布表の「上の階級」で探す。
誤答の判別 (C)は18〜20℃階級に2つあり、外れ値がもっと高い位置(18℃超)になるので東京ではない。(D)(E)は16℃以上の度数が0〜1で、外れ値2点を説明できない。
5都市の平均気温の箱ひげ図から読み取れることとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方 箱ひげ図の各パーツが何を表すかを固定してから、選択肢を1つずつ検証する。
| 統計量 | 箱ひげ図での読み方 |
|---|---|
| 最小値・最大値 | ひげの端 または外れ値○のうち最も外側の点 |
| 範囲 | 最大値 − 最小値(外れ値を含めて測る) |
| 第1四分位数 Q1 | 箱の下端 |
| 中央値 | 箱の中の線 |
| 第3四分位数 Q3 | 箱の上端 |
| 四分位範囲 IQR | Q3 − Q1 = 箱の長さ |
1990年および2015年のそれぞれにおける、47都道府県の男性と女性の50歳時未婚率(50歳時における未婚の割合、単位:%)の散布図が与えられている。
(図の概要: 横軸=男性の50歳時未婚率、縦軸=女性の50歳時未婚率。1990年は男性約2〜11%・女性約2〜9%で相関は弱め、2015年は男性約18〜26%・女性約10〜20%で正の相関が明瞭)
資料: 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」
散布図からわかることとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方 散布図上に補助線(y=8、x=10、y=x)を引いて各記述を確かめる。
1990年における男性と女性の50歳時未婚率の相関係数を とし、2015年における両者の50歳時未婚率の相関係数を とする。 と の値の組合せとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方 散布図の「点の散らばりが直線にどれだけ近いか」で相関係数の大きさを見積もる。
誤答の判別 ①は2015年の方が弱くなっており図と逆。②は2015年が0.40で「明瞭な正の相関」と合わない。④⑤は1990年が0.71で、ばらついた図と合わない。
| |r| の目安 | 散布図の見え方 |
|---|---|
| 0.0〜0.2 | ほぼ無相関、丸く散らばる |
| 0.2〜0.4 | 弱い相関、傾向はあるがばらつき大 |
| 0.4〜0.7 | 中程度、楕円形にまとまる |
| 0.7〜1.0 | 強い相関、直線に近い細い楕円 |
2015年における女性の50歳時未婚率のヒストグラムとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
(図の概要: ①〜⑤は横軸「50歳時未婚率(%)」約8〜22%の範囲のヒストグラム5種。山の位置・裾の形が異なる)
正解:③
考え方 散布図の縦軸方向に点を潰したものが「女性の未婚率」のヒストグラムになる。散布図の縦軸を横に倒して点の密度を見る。
誤答の判別 範囲が散布図の縦軸と一致しないもの(10%未満に度数がある、20%超に多くの度数がある)、山の位置が散布図の密集帯とずれているものを除く。
次の表は、長野県の事業所規模30人以上の製造業の事業所の賃金指数(きまって支給する給与、平成27年の平均値を100としたもの)である。
| 年月 | 賃金指数 |
|---|---|
| 平成30年 1月 | 102.6 |
| 平成30年 2月 | 103.9 |
| 平成30年 3月 | 104.2 |
| 平成30年 4月 | 105.6 |
| 平成30年 5月 | 103.2 |
| 平成30年 6月 | 106.1 |
| 平成30年 7月 | 105.9 |
| 平成30年 8月 | 104.7 |
| 平成30年 9月 | 104.3 |
| 平成30年10月 | 105.6 |
| 平成30年11月 | 104.1 |
| 平成30年12月 | 104.1 |
資料: 厚生労働省「毎月勤労統計調査」
平成31年1月の賃金指数の平成30年1月からの変化率は −0.97% であった。平成31年1月の賃金指数の平成30年12月からの変化率(%)の計算式として、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方 まず未知の「平成31年1月の指数」を求め、それを「平成30年12月の指数」と比べる。変化率の定義は次の1本だけ。
誤答の判別 ②は (1−0.0097) を分母(12月側)に掛けており、−0.97% を適用する相手が違う。③は分子・分母が逆(12月→31年1月なので分母は104.1)。④⑤は変化率を「割り算して引く」形になっておらず、比率から 0.0097 を引くという操作に意味がない。
平成30年1月から同年4月までの間の1か月あたりの平均変化率 r(%)は、次の【条件】を満たすようにして計算される。
【条件】平成30年1月の賃金指数は102.6である。平成30年2月から同年4月にかけて、前月からの変化率が常に r であれば、平成30年4月の賃金指数は105.6となる。
平均変化率 r の計算式として、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方 【条件】を式にする。1月→2月→3月→4月と3回、毎月同じ率 r で増えて 102.6 が 105.6 になる。
誤答の判別
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、時系列データの変動に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方 時系列の4つの変動成分の定義を確認する。
| 成分 | 定義 |
|---|---|
| 傾向変動(トレンド) | 長期にわたる持続的な上昇・下降。直線とは限らず、曲線(指数的・S字など)もある |
| 循環変動 | 景気循環など、周期が1年より長く、周期の長さも一定でない変動 |
| 季節変動 | 1年を周期として毎年繰り返す変動(月次なら周期12、四半期なら周期4) |
| 不規則変動 | 上記で説明できない残りの変動。予測困難な偶然変動を含む |
正しいのはⅡのみ → ②。
2012年1月から2018年12月までの月別製品ガス販売量(単位: 100万メガジュール)の系列の折れ線グラフが与えられている(毎年冬に高く夏に低い、周期12か月の明瞭な季節変動をもつ)。
資料: 経済産業省資源エネルギー庁「ガス事業生産動態統計調査」
製品ガス販売量のコレログラムとして、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。ただし、図中の点線は、時系列が無相関であるという帰無仮説のもとでの有意水準5%の棄却限界値を表す。
(図の概要: ①〜⑤はLag 0〜30のACFのプロット。②はラグ12・24で高い正の自己相関、ラグ6・18付近で負の自己相関を示す周期12の波形)
正解:②
考え方 自己相関係数(ACF)はラグ k だけずらした系列との相関。周期のあるデータでは、周期の整数倍のラグで「同じ季節同士」を比べることになり正の相関が高くなる。
点線(棄却限界)の意味 系列が無相関なら、標本自己相関はおおむね平均0・標準偏差 の正規分布に従うので、有意水準5%の限界は
この線を超えるラグでは自己相関が有意(無相関とはいえない)と判断する。n=84(7年×12か月)なら約 ±0.21。
さらなる満足度向上のため、A航空では、ある日の搭乗客の一部に対して、運航は時間通りだったか、揺れは少なかったか、客室乗務員に不満はなかったか等を調査することにした。調査の方法として、A航空では次のⅠ〜Ⅲの調査の方法を考えた。
Ⅰ〜Ⅲの調査法の組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方 各抽出法の定義に照らして、Ⅰ〜Ⅲがどれに当たるかを判定する。
| 抽出法 | やり方 | キーワード |
|---|---|---|
| 単純無作為抽出法 | 母集団の名簿全体から、全員が等確率になるようにランダムに選ぶ | 「名簿を作り」「無作為に n 人」 |
| 系統抽出法 | 名簿に番号を付け、最初の1人をランダムに決めて以後は一定間隔(毎 k 番目)で選ぶ | 「等間隔」「k 人おき」 |
| 層化抽出法 | 母集団を性質の異なる層(グループ)に分け、各層から無作為に抽出する | 「〜別に分けて、それぞれから」 |
| 集落(クラスター)抽出法 | 母集団をいくつかの集落に分け、集落をいくつか無作為に選び、選ばれた集落は全員調査する | 「〜をいくつか選び、その全員」 |
| 二段抽出法 | 集落を無作為に選び、さらに選ばれた集落の中から無作為に一部を抽出する | 「〜を選び、さらにその中から」 |
Ⅰ:単純無作為、Ⅱ:層化、Ⅲ:集落 → ④。
誤答の判別 Ⅲを「二段抽出」とする①③は、選んだ便の中で再び抽出していない点で誤り。⑤の「全数調査」は母集団全員を調べることで、2便だけの調査は該当しない。
母平均 、母分散 をもつ母集団から、大きさ の標本を単純無作為抽出し、標本平均 および不偏分散 を得たとする。このとき、標本平均の標準誤差はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:標本平均 の分散は であり、その平方根が標準誤差(SE)である。母分散が未知なので不偏分散 で代用する。
計算:
誤答の見分け方:② 0.16 は √ を取り忘れた値(分散のまま)。⑤ 4.00 は標本の標準偏差 で、 で割っていない。④ 1.60 は 16/10 という意味のない計算。標本平均 40.0 は計算に一切使わない(ひっかけ用の情報)。
ある検定試験の対策講座が開講され、その対策講座を受講すれば70%の確率で検定試験に合格し、受講しなければ30%の確率で合格するものとする。検定試験の受験者が対策講座を受講する確率は20%であるとする。
検定試験を受験した人から無作為に1人選んだとき、その人が対策講座を受講した合格者である確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方:事象を「受講(A)/非受講()」と「合格(B)/不合格()」に整理する。問題文の情報は次のとおり。
樹形図で考えると「受講 0.2 → 合格 0.7 / 不合格 0.3」「非受講 0.8 → 合格 0.3 / 不合格 0.7」の4本の枝になる。枝の確率を掛け合わせたものが同時確率で、表にまとめると次のようになる。
| 合格 B | 不合格 | 計 | |
|---|---|---|---|
| 受講 A | 0.2×0.7 = 0.14 | 0.2×0.3 = 0.06 | 0.20 |
| 非受講 | 0.8×0.3 = 0.24 | 0.8×0.7 = 0.56 | 0.80 |
| 計 | 0.38 | 0.62 | 1.00 |
計算:「受講した合格者」は受講かつ合格の同時確率である。
誤答の見分け方:② 0.20 は受講率そのもの、⑤ 0.70 は受講者の合格率(条件付き確率)そのもの。③ 0.24 は非受講合格者の確率。「〜した〜である確率」は同時確率=掛け算、と読む。
検定試験を受験した人から無作為に1人選んだところ、その人が合格者であることが判明した。このとき、その人が対策講座の受講生である確率はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方:「合格者だとわかった」という条件のもとで「受講生である」確率、つまり を求める。問題文で与えられている とは条件の向きが逆なので、ベイズの定理を使う。
計算:まず全確率の公式で合格者全体の確率を求める(表の「合格」列の合計)。
次にベイズの定理で条件の向きをひっくり返す。
表で言えば「合格 列の中で、受講 行が占める割合」である。
誤答の見分け方:② 0.15 は 0.06/0.38(受講×不合格を分子にした誤り)に近い、⑤ 0.59 は 0.14/0.24(分母を合格全体でなく非受講合格者にした誤り)。分母は必ず「条件となった事象(合格)の全確率」である。
ある町内において、1か月の1人暮らしの水道使用量(単位: m³)は連続型確率変数 で表され、その確率密度関数 は次のように与えられているとする。
ただし、 は正の定数である。
一方、水道使用料金は の水道使用量に対しては1000円、 の水道使用量に対しては1120円、 の水道使用量に対しては1280円とする。
定数 の値として、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:確率密度関数は全区間で積分すると1になる(全確率=1)。この条件から が決まる。
計算(積分で):
計算(面積で): のグラフは から へ下がる直線で、x軸との間は底辺20・高さ の直角三角形。面積が1なので
誤答の見分け方:⑤ 1/20 は「長方形の面積 20a = 1」と勘違いした値(三角形の 1/2 を忘れている)。
1か月の水道使用量の期待値はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方:連続型確率変数の期待値は 。〔1〕で求めた を代入して積分する。
計算:
直感による検算:密度が「0で最大、20で0」の右下がり三角形なので、重心は左寄り。直角三角形の重心は直角の頂点から底辺の 1/3 の位置にあるので 。区間の中央10より小さい値になっているのが自然である。
誤答の見分け方:① 200/3 は最後の 1/10 を掛け忘れた値。② 100/3 は 1/10 の代わりに 1/20 を使った場合。③ 40/3 ≈ 13.3 は区間中央より右で、左に偏った密度の期待値としてありえない。
1か月の水道使用料金の期待値はいくらか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:料金は使用量 によって3段階に決まる離散的な値なので、「各料金 × その料金になる確率」の合計が期待値。必要なのは3つの区間の確率で、密度関数の面積から求める。
計算(区間の確率):密度のグラフは から への直線。 の部分は元の三角形と相似な小さい三角形で、辺の比が なので面積比はその2乗になる。
したがって各区間の確率は
| 区間 | 確率 | 料金 |
|---|---|---|
| 1 − 0.25 = 0.75 | 1000円 | |
| 0.25 − 0.0625 = 0.1875 | 1120円 | |
| 0.0625 | 1280円 |
(積分で求める場合: で同じ結果になる。)
計算(料金の期待値):
誤答の見分け方:料金は1000〜1280円の間の値しか取らないので、期待値もその範囲に必ず収まる。① 520、③ 1250 以外はこの時点で除外でき、③ 1250 は「0.75 の重みが最大」なのに 1000 から遠すぎる。範囲チェックだけでも②に絞れる。
正値確率変数 の分布関数 は、連続かつ任意の に対して を満たすとし、、、 とする。また、確率変数 を
で定め、 の分布関数を とする。
なる実数 に対する として、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方(打ち切りとは何が起きるか): は「 が100以下ならそのまま、100を超えたら強制的に0にする」変数である。連続変数 は特定の1点をとる確率が0だが、 は「 が100を超えた」全ケースがまとめて という1点に潰されるので、そこに正の確率(点質量)が生じる。
分布関数は 。 となるのは、(a) で になった場合、(b) (このとき )の場合、の2通りで、互いに排反である。
計算: のとき
つまり は のグラフ全体を 0.04 だけ上にかさ上げした形になる。 で 0 から 0.04 へジャンプし、 で に達する(100を超える値は取らないので、そこで1になるのは整合的)。
誤答の見分け方:① は潰された 0.04 を無視している。② 0.01 は 、④ 0.05 は で、打ち切り点(100)と無関係な数字。⑤ は負の値になりうるので分布関数として不適。検算: で 1 になる選択肢は③だけ。
確率変数 の下側95%点はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方:下側95%点とは となる のこと。〔1〕の結果 を使う。
計算:
問題文より なので
したがって下側95%点は 5。 は狭義単調増加なので、5未満では 0.95 に届かず、5より大きければ 0.95 を超える。答えは 5 でただ一つに決まる。
誤答の見分け方:③ 50 は をそのまま読んだ値で、これは の95%点。 は下に0.04の重りが付いた分、同じ累積確率に「手前で」到達する。打ち切り前の分位点をそのまま答えないこと。
確率変数 の期待値の表現として、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。ただし、確率変数 の確率密度関数を とする。
正解:②
考え方: は「連続部分( で )」と「点質量部分( で )」の混合分布。期待値はそれぞれの寄与を足す。
計算:
点質量部分は値が0なので、確率0.04がかかっても期待値への寄与は0である。残るのは の密度を0から100まで の重みで積分したものだけになる。
誤答の見分け方:期待値の被積分関数は「値 × 密度」でなければならない。①③⑤は密度 の位置に分布関数 を置いており、その時点で誤り(③は の重みすらない)。④ の 96 は のような見かけ倒しの数で、「」という形に確率論的な意味はない。
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、歪度についての説明である。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方:歪度の定義に立ち返って各記述を検証する。
平均からの偏差を標準偏差で割って3乗した平均である。偏差の3乗なので、平均より大きく離れた値(右の裾)は正に、小さく離れた値(左の裾)は負に効く。
よってすべて誤りで ⑤。
確率変数 が互いに独立に平均 、分散 の正規分布に従うとする。 の推定量として、 と の平均 と、 の平均 を考える。つまり、
とする。次の記述Ⅰ〜Ⅳは、これらの推定量に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅳに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
定義の確認:
の検証(2個のデータだけの平均):
この分散は を含まない。データをいくら増やしても常に2個しか使わないので、分散は のまま0に近づかない ⇒ Ⅱ 誤り(一致でない)。
の検証( 個のデータの平均):
したがって正しいのは Ⅰ・Ⅲ・Ⅳ で ⑤。
誤答の見分け方:④(ⅠⅡⅢ)を選ぶのは「不偏なら一致」と思い込んだ場合。不偏性と一致性は別物で、 がその反例。③(ⅢⅣ)は「端の2個だけの平均は偏る」と誤解した場合だが、独立同分布なら何個使っても平均の期待値は である。
ある選挙において、100人の投票者に出口調査を行ったところ、A候補に投票した人は54人であった。出口調査は単純無作為抽出に基づくとし、二項分布は近似的に正規分布に従うとする。A候補の得票率の95%信頼区間として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方 母比率 の信頼区間は、標本比率 を中心に「 × 標準誤差」だけ広げる。
計算手順
よって信頼区間は (0.442〜0.638)である。
誤答の見分け方
| 選択肢 | どう間違えると出るか |
|---|---|
| ③ ±0.049 | 1.96 を掛け忘れ、標準誤差そのものを書いた |
| ④ ±0.082 | =1.645(90%信頼区間用)を使った |
| ①② | √ を取らずに分散のまま使った等。桁が明らかに小さい |
次の表は、日本全国のすべての世帯から無作為抽出された約2.5万世帯の年間所得金額に関する相対度数分布表である。
| 階級 | 相対度数(%) |
|---|---|
| 100万円未満 | 6.2 |
| 100万円以上 200万円未満 | 13.4 |
| 200万円以上 300万円未満 | 13.7 |
| 300万円以上 400万円未満 | 13.2 |
| 400万円以上 500万円未満 | 10.4 |
| 500万円以上 600万円未満 | 8.8 |
| 600万円以上 700万円未満 | 7.7 |
| 700万円以上 800万円未満 | 6.3 |
| 800万円以上 900万円未満 | 4.9 |
| 900万円以上 1000万円未満 | 3.7 |
| 1000万円以上 1100万円未満 | 2.7 |
| 1100万円以上 1200万円未満 | 2.0 |
| 1200万円以上 1300万円未満 | 1.6 |
| 1300万円以上 1400万円未満 | 1.3 |
| 1400万円以上 1500万円未満 | 0.8 |
| 1500万円以上 1600万円未満 | 0.6 |
| 1600万円以上 1700万円未満 | 0.5 |
| 1700万円以上 1800万円未満 | 0.4 |
| 1800万円以上 1900万円未満 | 0.3 |
| 1900万円以上 2000万円未満 | 0.2 |
| 2000万円以上 | 1.3 |
資料: 厚生労働省「2016年国民生活基礎調査」
全世帯の所得に対して、その中央値の半分に満たない所得の世帯の割合はいくらか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方 まず中央値がどの階級にあるかを累積相対度数で特定し、次に「中央値の半分」がどの階級に入るかを見て、その未満の割合を範囲で答える。
手順1:累積相対度数を作る
| 階級の上限 | 相対度数(%) | 累積(%) |
|---|---|---|
| 100万円未満 | 6.2 | 6.2 |
| 200万円未満 | 13.4 | 19.6 |
| 300万円未満 | 13.7 | 33.3 |
| 400万円未満 | 13.2 | 46.5 |
| 500万円未満 | 10.4 | 56.9 |
手順2:中央値の階級 累積が初めて50%を超えるのは「400万円以上 500万円未満」の階級(46.5% → 56.9%)。よって中央値 は
手順3:中央値の半分
手順4:その未満の世帯割合 は「200万円以上 300万円未満」の階級の中にある。したがって「 未満」の割合は、
となり、③「19.6%以上 33.3%以下」が答えである。階級内の分布が不明なので点で決まらず、範囲で答えるのがこの問題の意図である。⑤「計算できない」は、範囲としては絞れるので誤り。
この相対度数分布表から考察すると、母集団(すなわち日本全国のすべての世帯)の年間所得金額分布は正規分布ではないと考えられる。非正規母集団から無作為抽出した大きさ の標本の標本平均を 、不偏分散を とすると、母平均 の信頼区間はどのように作ればよいか。統計量 を
として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方 中心極限定理(CLT):母集団がどんな分布でも、 が十分大きければ標本平均 は近似的に正規分布 に従う。さらに が大きいと は に近づく(一致性)ので、
となり、標準正規分布のパーセント点(1.96 など)で信頼区間を作ればよい。約2.5万世帯なら十分に大きい。
誤答の理由
| 選択肢 | 誤りの理由 |
|---|---|
| ① | 自由度1のχ²分布に従うのは (標準正規変数の2乗)であって ではない。「母集団の分布にかかわらず」も誤り |
| ② | t分布に従うのは母集団が正規分布のとき。非正規母集団では厳密には成立しない(「母集団の分布にかかわらず」が誤り) |
| ④ | 「 にかかわらず」が誤り。CLTは が大きいときの近似 |
| ⑤ | 二項分布は「回数」の分布であり、平均の分布とは無関係。「 が小さいとき」も逆 |
10万人以上の有権者がいる都市がある。有権者を対象とする単純無作為抽出による標本調査で、ある政策の支持率を区間推定したい。信頼係数95%の信頼区間の幅を6%以下となるようにするには、少なくとも何人以上の有権者を調査すればよいか。ただし、調査された人は必ず支持または不支持のいずれかを回答するものとし、二項分布は近似的に正規分布に従うとする。
政策の支持率について事前の情報が全くないときは、少なくとも何人以上の有権者を調査すればよいか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:④
考え方 95%信頼区間は 。「幅」は ± の両側を合わせた長さなので、
すなわち片側(半幅)が 0.03 以下であればよい。
事前情報がない場合 は のとき最大値 0.25 をとる。最悪の場合でも幅6%以下になるよう、この最大値を使う(安全側に見積もる)。
計算手順 両辺を2乗して について解く。
1067.1 人以上なので、選択肢の中で「少なくとも」を満たす最小は 1100 人(④)。900(③)では不足する。
これまでの調査から政策の支持率がおよそ80%であることがわかっているときは、少なくとも何人以上の有権者を調査すればよいか。次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:②
考え方 〔1〕と同じ式で、 を使う。
682.9 人以上なので、700 人(②)。
確認 〔1〕の 1067.1 に対して比 を掛けても と同じ値になる。事前情報があると が小さくなり、必要人数が減る。
母平均 、母分散 の正規分布を母集団分布とする母集団から大きさ16の無作為標本 を抽出する。ここで
とおくとき、統計量
は自由度(ア)の(イ)分布に従う。ここでは、統計量 を用いて仮説検定を行うことを考える。
今、あるダイエット食品Aの摂取後に体重が減少するかどうかを検証するために、ある母集団から無作為に抽出した40代男性16人に対して1か月間この食品Aを毎日摂取してもらった。次の表は、摂取する前の体重(列のラベルが "前")と摂取して1か月経った後の体重(列のラベルが "後")のデータ(単位: kg)である。また "前 − 後" のラベルにおけるデータは、それぞれの行に対して "前" に対応する体重から "後" の体重を引いた値である。
| ID | 前 | 後 | 前−後 |
|---|---|---|---|
| 1 | 66.3 | 63.4 | 2.9 |
| 2 | 59.1 | 57.9 | 1.2 |
| 3 | 62.7 | 65.4 | −2.7 |
| 4 | 71.1 | 70.0 | 1.1 |
| 5 | 62.3 | 63.1 | −0.8 |
| 6 | 74.3 | 73.8 | 0.5 |
| 7 | 66.8 | 64.9 | 1.9 |
| 8 | 74.0 | 75.0 | −1.0 |
| 9 | 70.1 | 68.7 | 1.4 |
| 10 | 66.1 | 63.4 | 2.7 |
| 11 | 73.7 | 73.7 | 0.0 |
| 12 | 68.9 | 69.1 | −0.2 |
| 13 | 64.8 | 63.0 | 1.8 |
| 14 | 62.4 | 62.0 | 0.4 |
| 15 | 49.4 | 49.6 | −0.2 |
| 16 | 56.6 | 57.7 | −1.1 |
| 標本平均 (X̄) | 65.5 | 65.0 | 0.5 |
| 標準偏差 (S) | 6.8 | 6.7 | 1.5 |
文中の(ア),(イ)の組合せとして、次の①〜⑤から適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
考え方 正規母集団で母分散 が未知のとき、 の代わりに標本の不偏分散 を使って標準化した統計量は t分布に従う。自由度は の自由度と同じ 。
問題文の の定義が で割っている(=不偏分散)ことからも、自由度15が読み取れる。
誤答の理由 カイ二乗分布に従うのは であって、平均を標準化した ではない(②④)。自由度16・17は「n」や「n+1」と勘違いした値(①③)。
食品Aの摂取後に体重が減少するかどうかを検証するために、有意水準5%の仮説検定を行う。このとき、帰無仮説と対立仮説の設定として、次の①〜⑤から適切なものを一つ選べ。ただし、"前 − 後" のデータに対応する母集団の母平均を とする。
正解:④
考え方 仮説検定では「示したいこと」を対立仮説 に置き、帰無仮説 は「効果なし(等号)」にする。
誤答の理由
| 選択肢 | 誤りの理由 |
|---|---|
| ①②③ | 帰無仮説が不等号になっている。帰無仮説は必ず等号()で置く |
| ⑤ | 向きが逆。 は「前−後が負=体重増加」を示すことになる |
食品Aの摂取後に体重が減少するかどうかを検証するために、設問〔2〕の適切な仮説の下で、有意水準5%の仮説検定を行う。このときの結果およびその解釈として、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。ただし、"前 − 後" のデータに対応する母集団分布は正規分布 とし、 はともに未知の母数とする。また は、統計量 において としたものの実現値とする。
正解:⑤
手順1:検定統計量の実現値 「前−後」の標本平均 0.5、標準偏差 1.5、 を使う。
手順2:棄却限界値 〔2〕より右片側検定、自由度15、有意水準5%。t分布表で上側5%点を読むと
(参考:両側5%なら上側2.5%点 。1.746 は自由度16の上側5%点で、自由度を間違えた値。)
手順3:判定
棄却域に入らないので、帰無仮説は棄却されない。
手順4:解釈 「棄却されない」は「 が正しいと証明された」ではなく、「減少するという証拠が得られなかった」という意味である。したがって「体重が減少するとは判断できない」(⑤)が正しく、「体重変化はないと判断する」(④)は言い過ぎで誤り。
誤答の理由
| 選択肢 | 誤りの理由 |
|---|---|
| ①③ | 2.131(両側検定の限界値)と を使っている。〔2〕で片側検定と決めたので不適切。①は棄却されるとしている点も誤り |
| ② | 1.746 は自由度16の値。しかも「t < 限界値 なのに棄却」は論理が逆 |
| ④ | 計算・判定は正しいが、「変化はないと判断する」が誤り(棄却されない≠ が正しい) |
次の表は、JFA(日本フランチャイズチェーン協会)正会員のコンビニエンスストア全店の月別の売上高(単位: 億円)を2008年から2018年までの11年間集計したものである。月ごとの売上高に差があるといえるかどうかを考察したい。
| 月\年 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 575 | 630 | 613 | 652 | 690 | 718 | 755 | 788 | 815 | 837 | 837 |
| 2月 | 556 | 583 | 571 | 616 | 676 | 670 | 710 | 733 | 779 | 781 | 795 |
| 3月 | 622 | 663 | 645 | 700 | 735 | 772 | 830 | 844 | 865 | 886 | 914 |
| 4月 | 605 | 645 | 636 | 652 | 723 | 742 | 754 | 818 | 848 | 869 | 891 |
| 5月 | 649 | 669 | 662 | 708 | 754 | 786 | 815 | 869 | 886 | 911 | 915 |
| 6月 | 649 | 655 | 661 | 730 | 745 | 786 | 806 | 844 | 872 | 890 | 915 |
| 7月 | 746 | 708 | 727 | 808 | 818 | 856 | 884 | 932 | 963 | 984 | 1000 |
| 8月 | 734 | 713 | 733 | 799 | 826 | 859 | 877 | 926 | 951 | 960 | 985 |
| 9月 | 674 | 655 | 753 | 737 | 760 | 787 | 812 | 851 | 874 | 890 | 938 |
| 10月 | 687 | 668 | 643 | 749 | 767 | 801 | 830 | 878 | 902 | 905 | 916 |
| 11月 | 658 | 634 | 654 | 723 | 737 | 779 | 801 | 829 | 843 | 860 | 891 |
| 12月 | 702 | 681 | 719 | 771 | 796 | 833 | 862 | 894 | 908 | 926 | 969 |
資料: 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会
このデータを用いて月を変動要因とする一元配置分散分析を行った結果、次の表を得た。ただし、それぞれの月で売上高の平均は一定であり、誤差は独立かつ同一の分布に従うと仮定する。
| 変動要因 | 平方和 | 自由度 | F-値 |
|---|---|---|---|
| 水準間 | 317441 | (ア) | 3.0471 |
| 残差 | 1136491 | (イ) |
年 月の売上高を (、)とし、月ごとの平均を 、年ごとの平均を 、全体の平均を とする。水準間平方和()と残差平方和()の式の組合せとして正しいものはどれか。次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方 「月を変動要因とする」一元配置分散分析なので、因子=月、水準=12個(1月〜12月)、各水準の反復=11年分である。年は単なる繰り返し(反復)扱いで、年ごとの平均 は式に登場しない。
全体のばらつきの分解
誤答の理由
| 選択肢 | 誤りの理由 |
|---|---|
| ②④ | が全体平均 からの偏差になっている。それは総平方和であり残差ではない |
| ③④⑤ | が年ごとの平均 を使っている。これは「年を因子」にした場合の式 |
表の(ア),(イ)の組合せとして、次の①〜⑤のうちから適切なものを一つ選べ。
正解:③
考え方 水準数 、総データ数 。
| 変動要因 | 自由度 | 計算 |
|---|---|---|
| 水準間(ア) | ||
| 残差(イ) | ||
| 合計 | (=11+120 で整合) |
残差の自由度は「各月ごとに 、それが12か月分」と考えて と求めてもよい。
検算 F-値 3.0471 から逆算して確認できる。
表の F-値 3.0471 と一致するので(ア)=11、(イ)=120 で正しい。
月ごとの売上高の母平均を ()とする。次の記述Ⅰ〜Ⅲは、この一元配置分散分析の結果に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
分散分析表を完成させる
| 変動要因 | 平方和 | 自由度 | 平均平方(平方和÷自由度) | F-値 |
|---|---|---|---|---|
| 水準間 | 317441 | 11 | 28858.3 | 28858.3 / 9470.8 = 3.047 |
| 残差 | 1136491 | 120 | 9470.8 | |
| 合計 | 1453932 | 131 |
F分布の棄却限界値(自由度 (11, 120)) F分布表より
| 上側確率 | 5% | 2.5% | 1% |
|---|---|---|---|
| 約1.87 | 約2.16 | 約2.40 |
観測された はこれらすべてより大きい。よって
各記述の判定
| 記述 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| Ⅰ | 誤 | 結論(棄却)は合っているが、対立仮説の書き方が誤り。分散分析の対立仮説は「少なくとも1つが異なる」であり、「すべてが異なる」ではない。仮説の設定が間違っている以上、記述全体として誤り |
| Ⅱ | 誤 | 仮説の設定は正しいが、 で棄却されるので「差があるとは判断できない」は誤り |
| Ⅲ | 正 | 仮説の設定が正しく、(上側2.5%点)なので P-値 < 2.5% |
次の表は、2017年の2人以上の勤労者世帯について、47都道府県庁所在市別に1世帯当たり1か月間の収入と支出をまとめたものである(単位: 万円)。なお、以下の表における世帯主収入の合計は、定期収入と賞与の和である。
| 市 | 定期収入 | 賞与 | 合計 | 消費支出 |
|---|---|---|---|---|
| 札幌市 | 34.8 | 7.9 | 42.7 | 30.7 |
| 青森市 | 28.1 | 5.3 | 33.4 | 26.9 |
| 盛岡市 | 35.4 | 6.6 | 42.0 | 30.7 |
| 仙台市 | 30.6 | 5.3 | 35.9 | 30.9 |
| ⋮ | ⋮ | ⋮ | ⋮ | ⋮ |
| 大分市 | 36.6 | 8.0 | 44.6 | 32.2 |
| 宮崎市 | 29.9 | 5.6 | 35.5 | 30.3 |
| 鹿児島市 | 33.5 | 6.4 | 39.9 | 30.9 |
| 那覇市 | 27.6 | 4.4 | 32.0 | 26.4 |
資料: 総務省「2017年家計調査年報」
まず、消費支出が定期収入および賞与で説明できるかどうかを検証するため、次の重回帰モデルを考える。
ここで、誤差項 は互いに独立に正規分布 に従うとする。定期収入、賞与にそれぞれ対応する変数を income, bonus として、上記の重回帰モデルを統計ソフトウェアによって最小二乗法で推定したところ、次の出力結果が得られた。なお、出力結果の一部を加工している。また、出力結果の (Intercept) は定数項 を表している。
Coefficients:
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) 14.58851 2.49814 5.840 5.80e-07
income 0.39461 0.08944 4.412 6.54e-05
bonus 0.47247 0.24370 1.939 0.059
---
Residual standard error: 1.898 on 44 degrees of freedom
Multiple R-squared: 0.5371, Adjusted R-squared: 0.5161
F-statistic: 25.53 on 2 and 44 DF, p-value: 4.371e-08
この重回帰モデルに対する解析結果の解釈に関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:①
考え方 重回帰モデルの係数(偏回帰係数) は「他の説明変数(賞与)を固定したうえで、定期収入が1単位増えたときの消費支出の変化量」を表す。推定値は 。
変数はすべて「万円」の実数値のまま(対数変換していない)なので、単位は「1万円増 → 0.39万円増」であり、「1%増 → 0.39%増」ではない。
誤答の理由
| 選択肢 | 誤りの理由 |
|---|---|
| ② | 両方が同時に1万円増えたときの変化は 万円 |
| ③④ | 「1%増 → ○%増」(弾力性)の解釈は、両辺を対数変換したモデル の場合。このモデルは対数をとっていない |
| ⑤ | 「賞与が一定かどうかは影響しない」が誤り。偏回帰係数は他の変数を一定とした条件付きの効果 |
次に、消費支出が世帯主収入合計で説明できるかどうかを検証するため、次の単回帰モデルを考える。
ここで、誤差項 は互いに独立に正規分布 に従うとする。世帯主収入合計に対応する変数を total.income として、上記の単回帰モデルを統計ソフトウェアによって最小二乗法で推定したところ、次の出力結果が得られた。なお、出力結果の一部を加工している。また、出力結果の (Intercept) は定数項 を表している。
Coefficients:
Estimate Std. Error t value Pr(>|t|)
(Intercept) 14.3931 2.3531 6.117 2.09e-07
total.income 0.4121 0.0571 7.216 4.88e-09
---
Residual standard error: 1.878 on 45 degrees of freedom
Multiple R-squared: 0.5364, Adjusted R-squared: 0.5261
F-statistic: 52.07 on 1 and 45 DF, p-value: 4.879e-09
各係数の推定値を とし、消費支出()の予測値()を としてその平均()を計算したところ、 となった。次の記述Ⅰ〜Ⅲは、この単回帰モデルでの予測に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:⑤
記述Ⅰ(正) 最小二乗法(OLS)で定数項を含めて推定すると、残差の和は必ず 0 になる。
記述Ⅱ(正) 回帰直線は必ず平均点 を通る。
記述Ⅲ(正) 残差の定義そのもの。 なので、。
三つとも正しいので⑤。
次の記述Ⅰ〜Ⅲは、〔1〕で考えた重回帰モデルと〔2〕で考えた単回帰モデルの比較に関するものである。
記述Ⅰ〜Ⅲに関して、次の①〜⑤のうちから最も適切なものを一つ選べ。
正解:③
記述Ⅰ(正) 重回帰モデルで とおくと
となり、〔2〕の単回帰モデルと同じ形になる。
記述Ⅱ(誤) 出力から数値を読む。
| モデル | R² | 自由度調整済み R² |
|---|---|---|
| 重回帰(income + bonus) | 0.5371 | 0.5161 |
| 単回帰(total.income) | 0.5364 | 0.5261 |
自由度調整済み決定係数は 重回帰 0.5161 < 単回帰 0.5261 であり、「重回帰の方が大きい」は事実に反する。説明変数を増やせば R² は必ず上がる(0.5371 > 0.5364)が、自由度調整済み R² は変数を増やしたことへの罰則があるため下がっている。むしろ自由度調整済み R² で選ぶなら単回帰の方がよい。
記述Ⅲ(正) 重回帰では定期収入と賞与の効果を別々に推定できる()。単回帰では合計しか説明変数にしていないので、内訳ごとの効果は分析できない。
統計ソフト出力の読み方(まとめ)
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| Estimate | 係数の推定値() |
| Std. Error | 推定値の標準誤差(SE) |
| t value | 。係数=0 の検定統計量(例: 0.4121/0.0571 = 7.216) |
| Pr(>|t|) | 係数=0 の両側検定のP値。0.05 未満なら有意(bonus の 0.059 は5%で有意でない) |
| Residual standard error | 残差の標準偏差の推定値 。自由度 (47−2−1=44、47−1−1=45) |
| Multiple R-squared | 決定係数 R²。説明変数を増やすと必ず増加 |
| Adjusted R-squared | 自由度調整済み R²。変数の数に罰則あり。モデル比較にはこちら |
| F-statistic | 「すべての係数=0」の検定統計量。自由度 。p-value が小さければモデル全体が有意 |
| 問 | 解答番号 | 正解 | 問 | 解答番号 | 正解 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 問1〔1〕 | 1 | ① | 問10〔3〕 | 19 | ② | |
| 問1〔2〕 | 2 | ③ | 問11 | 20 | ⑤ | |
| 問2〔1〕 | 3 | ④ | 問12 | 21 | ⑤ | |
| 問2〔2〕 | 4 | ③ | 問13 | 22 | ⑤ | |
| 問2〔3〕 | 5 | ③ | 問14〔1〕 | 23 | ③ | |
| 問3〔1〕 | 6 | ① | 問14〔2〕 | 24 | ③ | |
| 問3〔2〕 | 7 | ④ | 問15〔1〕 | 25 | ④ | |
| 問4 | 8 | ② | 問15〔2〕 | 26 | ② | |
| 問5 | 9 | ② | 問16〔1〕 | 27 | ⑤ | |
| 問6 | 10 | ④ | 問16〔2〕 | 28 | ④ | |
| 問7 | 11 | ③ | 問16〔3〕 | 29 | ⑤ | |
| 問8〔1〕 | 12 | ① | 問17〔1〕 | 30 | ① | |
| 問8〔2〕 | 13 | ③ | 問17〔2〕 | 31 | ③ | |
| 問9〔1〕 | 14 | ④ | 問17〔3〕 | 32 | ③ | |
| 問9〔2〕 | 15 | ④ | 問18〔1〕 | 33 | ① | |
| 問9〔3〕 | 16 | ② | 問18〔2〕 | 34 | ⑤ | |
| 問10〔1〕 | 17 | ③ | 問18〔3〕 | 35 | ③ | |
| 問10〔2〕 | 18 | ② |
出典: 統計検定2級 2019年11月試験(Kindle版問題集より転記)。図はスクリーンショットから切り抜いて埋め込み。